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■ サウンド・オブ・ミュージック | 2017. 2.21 |
1965年(昭和40年)製作のアメリカのミュージカル映画のタイトル。 NHK・BS放送での録画をあらためて観ていたらナカナカの傑作であった。 3日3晩、深夜に目覚めた時に思わず見入ってしまった。 ヒロインのジュリー・アンドリュースの容姿と髪型に抵抗があって、以前はザーッとしか観なかったのであるが、何の先入観も抵抗も持たず鑑賞してみると結構感情移入できて翌日の目覚めもよろしい。 ミュージカルとか途中で歌になったりしてシラケるかなあと思いつつも、割と自然に歌になっているし普通の会話も多かったりして物語の流れを少しも損なわない。 製作・監督はロバート・ワイズ。 共演者に美人女優エレノア・パーカー、クリストファー・プラマー。 この方は近年「ドラゴン・タトゥーの女」で史上最高齢のアカデミー助演男優賞を取られた方である。 息の長い俳優さんである。 昔の映画で「空軍大戦略」でマイケル・ケインと共演していた。 マイケルさんは近年亡くなられたようだ。 物語はジュリー・アンドリュース扮する修道女見習いの女性マリアがその自由奔放すぎ、明朗すぎ、活発すぎ、感受性豊かすぎなど一般には好もしいとされる性格の為に窮屈な修道院生活に良い意味で適応できなかったところ、人格者の修道院長の女性にオーストリアのザルツブルグにある、或る子供7人を扶養する男やもめのトラップ大佐(貴族と思われる)の家に家庭教師として「出向」させられることになり、ナチスドイツによるオーストリア併合という戦争前の緊張した時代を背景に、そこだけ異次元の明るいホームドラマ、見方によってはエレガントなラブロマンスがエレノア・パーカーという美女を恋敵に定番的物語が進行するのであるが、音楽と自然の風景、他の修道女たちや子供たちとのやり取りが見ていて倦きない。 優しく愛情深く、のびのびとしつけ、共に遊ぶ家庭教師マリアに7人の子供たちもまるで実の母親のようになつき、親しみ、愛し、敬う。 ついでに厳父のカタマリのような固い人物トラップ「大佐」の心もどんどん溶かされていく。 男は母性というものにみな惹かれるのであろうか。 トラップ大佐は、美人でお金持ちの婚約者、エレノア・パーカーをふって、どちらかというと素朴で野暮ったいけれど、母性豊かで純粋ななジュリー・アンドリュースを選び結婚する。 メデタシ、メデタシ。 ナチスドイツに恭順するのを嫌った「大佐」はスイスに逃れることを決意し、子供たちを伴いスイス−オーストリアの美しい山々を越えていく自然豊かな美しい光景でThe Endとなる。 昔のハッピーエンドの物語の定番でネタバレも良いところであるが、遠山の金さんとか水戸黄門のようにストーリーが分かっていても倦きない。 永遠に倦きないのでは・・・と思えるほど面白いと感じる自分の心に対して驚きを感じる。 男女の愛より子供への愛・・・というか家族愛への憧れが心の中にあるのかも知れない。 それは割と秘められたもので表には出さないようにしているけれど、そのような物語には惹かれる。 「何故あの人に惹かれるのか」という書物には、男性とは本能的には、無意識的には自分の子どもを「多く産む」、「育てる」能力の高い女性を好むそうである。 現代では意外にも見逃されているのがこの「育てる能力」であるように思える。 それほど美しくないジュリー・アンドリュースの方が典型的な美人のエレノア・パーカーに、女性の魅力として勝っているように見えるというのもこれらの理論からすると容易にうなづける。 子育ての上手な女性というのはひどく魅力的に見えるもののようだ。 追記 この物語は「赤毛のアン」を思い出す。修道院を出てトラップ家に向かうときのファッションが、赤毛のアンそっくりである。性格も好奇心旺盛、想像力豊かで明るくて素朴で・・・。周囲をシアワセにするのも・・・。 追記2 サウンドオブミュージックというくらいで「歌」がキーポイントになっていて、主題曲と歌が心地よく耳に残り筆者の心をを少しくシアワセな気分に浸らせてくれる。やっぱり映画っていいですね。 さいなら、さいなら、さいなら・・・ちょっと古いあるね。 ありがとうございました M田朋玖 |