コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 強気2014. 4. 4

昔、経営者セミナーで「バカ道経営」なる今では考えられないような呼称の講習会があり、たまたま講師の江川某という方の著書もあって好奇心で参加したことがある。
40才くらいの頃である。
このセミナーがご縁で兵庫県の姫路市に往診に出かけたことがある。
ひどい潰瘍性大腸炎で悩んでおられた或る税理士さんのお宅へ息子さんの面談診察に泊りがけでお邪魔したところ、ステロイド剤を飲まないで治したいとおっしゃるのでとりあえず請け負って主に心身医学的アプローチ、特に怒りの感情を吐き出す心理療法を何回か熊本まで来てもらって「治療」したら治ってしまったようで、2〜3年後に年賀状が来て病気も治って税理士試験も合格し元気にしているとの報があり「良かったなぁ」という嬉しさと心身症に分類される疾患については心理的アプローチが必須なのではないかと少し得心した次第である。
・・・けれども、以来20年。
医学会も一般社会でもこの傾向は殆んど認知されないのであまり治療法も進歩していないようだ。
当科のクライアントについては皆さん経過宜しいようで有難いことではある。

話を戻すがこのセミナーの内容を要約すると「経営者はバカが良い」という説で、どんな風にバカが良いかというと、考えないで行動する、考え込まないから明るいとか、考える(理性)では人は動かず、好き嫌い(感情)で人は動くとか、要するに理性的すぎることの害と少しバカでいることで部下や会社が育つとか・・・今では多少受け入れられている理屈でもある。
思考とか理性を物事の判断の上位に置くと成功することもあるけれど結構失敗することもあり、多くは余程人格的に優れていないと人がついて来ないキライがあるとのことだ。

それらと同時に盛業の社長は100%「強気」であると述べられていたのが印象的であった。
社長は常に強気でなくてはならない・・・らしい。
気の弱い優しい人柄(?)の筆者としては胸が痛むが、ここは心して強気・・・というより「気の強さ」を涵養しなければならないと考えている。

経験的には女性との関係においてどちらかというと明朗さよりも気の強い女性に惹かれるようで、わが配偶者を筆頭に過去の女性関係での人々は思い起こすに何らかの気の強さ、我の強さを持っている女性が多かったような気がする。
両親、特に母親の気性の激しさ、気の強さ、押しの強さには有難いという側面と辟易させられる部分とがあって、そのようなタイプの女性に自然に惹かれるのかもしれない。

ところで家族の長としての父親、主なる婦人としての母親が気が強く外に向かって強気であることはとても頼もしいことであり、そのことが子供にとっては強力な保護と安全安心を得られるという点で誠に好もしいことであるが、中には学校や職場や社会とのイザコザ、軋轢の原因ともなり得て微妙なところであるけれど、これは社会人としての良識・常識を少し恋えるらしいが適当ではないかと思える・・・というのは社会を敵に回すワケにはいかないが敢えてそれらと闘うだけの覚悟と矜持くらいは持っていられる方が何と言っても子供としたら頼もしい。
家族の延長として国家があるとすれば、各国首脳の強気発言も国民の支持を集めるという点から大事なリーダーとしての要件なのであろう。
クリミア領有を宣したプーチン大統領の国際社会に対しての強気の発言に熱狂する国民の姿には或る種の恐怖を覚えると同時に、先述した国民感情の持つひとつの特質みたいなモノを考慮すると至極当然なことなのかも知れない。
中韓両国の対日強硬発言も背景にそのような事情があるとも聞いている。
特にパク・クネ大統領については父親の親日ぶりを批難されて、それを払拭するためと今は日本より中国との貿易によって利益を得ているという自国の経済情勢を考えると日中の間にある韓国元首が対日強硬姿勢を選択しなければならない理由が鮮明になるのが分かる。
そのバランスの微妙な崩れをついて北朝鮮の日本に対する融和政策も成程なぁ・・・とうなづける方針転換と思える。

極東アジアの緊張もロシアとか北朝鮮とかアセアン諸国、さらには中東原油国を絡めて絶妙に影響しあってバランスしているというのが現在の国際情勢なのであろう。

鉄の女、サッチャー元首相のフォークランド紛争、9.11テロの反撃としてのアフガン攻撃に踏み切ったブッシュ前大統領といずれも支持率を上げているところが本当に不気味であるけれど、一国の大統領・元首の弱気で優しい姿勢など普通の国民感情としては許されないことなのかも知れない。
・・・であるので国民を外敵から守る立場にある国家権力の具現者が軍事力を強め、対外的に強気発言を繰り返すことが国家というものの宿命であるならば、戦争・紛争状態が世界の常態であるかも知れず一般社会における家族を国家に見立ててみてもその家長の強く逞しい態度というものが家族の獲得に早道であると考えて良い。

世界の、世の中の紛争、戦争、内戦、内乱、いずれの問題も先述した人間心理のカラクリを少し考えてみるといかにも当たり前のように感じる。
・・・けれども世界が安定的平和を維持発展させることがいかに難しいかを考えてしまう。
人間は感情や欲望で動くものだ。
それに自分勝手でまことしやかな理屈(理性)をくっつけて争いや裁定をして悦に入っているというのが人類の本態であるようだし、自己正当化という麻薬はどんな身分の人にもあって、多くその人物の判断を狂わせる。

本当の強さとは自らの弱さを自覚し、自分にも他人にも正直にそれを披瀝し平然としている人ではないか。
○ネルソン・マンデラ
○マザー・テレサ
○マハトマ・ガンジー
これらの人には平和への強い意志を感じるし、強さ、強気の意味が今の国家元首とたちと違うようで、それは愛のレベルの広さ、大きさ、深さであると思えるし、真の人類愛というものがいかなるものかを示してくれる偉大な人々であり、大いに参考にすべきと思えるし、高潔な人格というものが昨今学ばれなくなったという感覚を持っている。
あらゆる分野で・・・。

ありがとうございました
M田朋久



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