コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 春らんまん2026. 4. 5

いつの間にか桜の花びらが満開になった。
小枝を重く揺らし、チラチラと花びらが春風に吹かれてなびく姿はいつも心を陶然とさせる。
勝手に想像する「桃源郷」というモノは桜の花が年中咲いている・・・。

「心の旅路」という戦前のアメリカ映画があって、舞台はイギリスの田舎だ。
原題は「Random Harvest」。
ジェームズ・ヒルトン原作の小説の映画版だ。
この映画は重要アイテムが家の「鍵」と「桜」の花びらだ。

筆者の両親が二人で鑑賞していたく感動したと高校生の時に聞いた。
それから数年を経て30代で結婚してレンタルビデオで借りて鑑賞したら確かに涙が出るほど感動した。
その上とても上品な映画で、暴力シーンやセックスシーン、何かしら「汚い」映像が少なくて何回も繰り返し観られるのが良い。

これは小津安二郎の作品にも言えるが「見たくも無いシーン」が全くないのが良い。
ところで欧米でも「桜」というのはもてはやされるのであろうか。
日本人の場合「桜」というとどこかしら「死」の匂いがあって「切腹」とか「特攻隊」とか「自殺」とかを連想させられる。
実際に「桜花」という特攻機が実在した。
「血生臭く」「オソロシイ」花なのだ。

桜。
「血みどろの男の戦い、世界」
これが個人的な桜へのイメージだ。
・・・とは言え満開の桜の花の下で酒宴を開いて午後から夕にかけて友柄達と集うのは心愉しいとは思う。

5〜6年前になるが市内の鉄路の脇の公園で花見をした時の写真が残っている。
その当時から宴席のアルコールは断っているが、そろそろ花見酒を復活させようかと心密かにその「意志」を心に灯している。

春らんまん。
花見酒。
これは夢か・・・。
人生の妙味はここに至れり。
・・・てな具合の妄感を抱かせられる春、花見酒・・・への妄想だ。

山桜もまだ山あいを抜ける当地の高速道路を走ると山林に白く可憐に点在するのをチラチラ眺めることが出来る。
こちらは平地で見る「それ」よりいくらか地味だ。
ひっそりと咲く「隠花植物」という言葉を連想させるが、実のところ「字義」と「実際」は違うらしい。
桜の時期は何故か「うつ病」も多い。
不思議だ。
色々と推量してみるが原因は不明。
個人的には今頃はどちらかと言うとhightensionだ。
上機嫌。
気分も良い。
希望と勇気が心に横溢しているのを感じる。

ところで表題の「らんまん」とは言い得て妙だ。
いくらか性的な香りのする「音」で青春、思春期など性的なエネルギーの亢進する時代を想起させる言葉だ。
「元気の素」
青春時代の思い出や気分が70代の今に至るまで強い影響を与えているのは驚きだ。
当時の歌、即ち「懐メロ」ばかり歌ってしまう。
精神、心理的にはそれがまた良いコトらしい。

お金と自由とそれらを得られる身分を得て今やのびのびと人生を謳歌している。
ありがたいことである。
たゆまぬ健康管理、節制、いくらかの禁欲、仕事、社会貢献、親切、人にやさしい、「信心」・・・これらが奏功してか凶事が殆んど起きない。
少なくとも個人的には・・・。

春にこのゆったりして「満ち足りた」気分というのは実に有難い。
あらためて自分の持っている素晴らしい物品、コレクション。
いくらかの社会的価値、経済的な「ゆとり」・・・それらの存在と保持がまた嬉しい。

70代にこそ「春らんまん」だ。
「青春は若者にはモッタイナイ」
或る偉人の言葉だ。

ありがとうございました
M田朋玖



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