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■ 映画「フロントライン」 | 2025. 7.12 |
日本国の災害支援医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)の活躍を描いた邦画のタイトルである。 主演は小栗旬。 個人的には凄いイケメンと感じる。 勿論、異論もあるだろう。 表情やたたずまい、歩き方や身のこなしがカッコイイと感じる俳優の一人だ。 今年の6月半ばより全国公開中とのことで近所のシネマコンプレックスTOHOシネマズ宇城に観に行った。 令和2年2月に発生した豪華客船ダイアモンドプリンセス号の船内で集団感染した新型のウイルス性肺炎(コロナ感染)についての恐怖と不安の中、懸命に人命救助に携わっていた多くの人々を・・・主としてDMATの活動を中心に描いてある。 つまり実話に基づいた物語である。 同じような映画作品に東日本大震災時に発生した原発事故を題材にした「フクシマ50」といのがある。 主演は渡辺謙。 これも面白かった。 個人的には佳作と言える。 「フロントライン」の物語は神奈川県に所属するDMATのリーダーで医師の結城英晴(小栗旬)の元に県の担当者から件の感染事件の乗船者の人命救助に当たるように要請する携帯電話での依頼(命令?)で始まる。 国(厚労省)からの要請であるらしい。 厚労省のキャリア官僚・立松信貴(松坂桃李)、現場で担当するリーダー医師の仙道行義(窪塚洋介)らを中心に同船のサービススタッフ、フロントスタッフ、テレビのレポーター、検疫官などとの交渉折衝、やり取りにおけるにおけるそれぞれの立場や権限やルール、責任や意図が複雑に絡み合い、或る意味非常事態、困難な状況におけるリーダーシップの在り方について大変勉強になった。 やはり物事の判断は「人道的」であるべきなのだとあらためて肝に銘じた次第である。 感染者もしくは感染陽性者と健常者の区別、そしてメディアの煽りを受けた心ない民衆の差別、受け入れ病院の選定とその交渉など厚労省の役人の「心ある」権限行使の姿も圧巻である。 カッコいい。 ダイアモンドプリンセス号には何と3000人以上の乗客、スタッフがいて100人ほどが感染していたらしい。 最終的に搬送先の病院での死者が2名と実際の感染被害は最小限に抑えられたとの感想を抱くが当時マスコミの「煽り」でいかにも感染爆発、甚大な被害、25時間の船内「閉じ込め」状態。 それらの人々の円滑な病院搬送、無事な下船・帰宅・帰国をめざして奮闘する医師や役人、客船スタッフ達の心温まる対応・応援に思わず涙するほど感動した。 数々の感謝のメッセージがドアの外に貼ってある。 これらはマスコミの報道になかったことである。 どうやらマスコミという組織の本能というモノは悪事、凶事など「ネガティブな事態」であるようだ。 あらためてそのことも知り得た。 これら否定的というか事件的な状況が言わば餌なのである。 新型肺炎の世界的大流行が収束して久しい今現在、当時のマスコミの煽り方を責める人はいない。 けれども事実や真実を後から「知る」ことによって暴かれる彼ら(メディア関係者やその煽動によって動かされた心ない人々)の責任を追及する声もまたあがらない(実際はマスコミが取り上げないだけであろう)。 人々のこの「忘れっぽさ」は或る意味恐怖である。 そうして逆に安心もする。 このことは「心の癒やし」が早いということにもつながる・・・と思える。 あの「大流行」からの教訓はいっぱいあるようで何ひとつ学んでいない・・・のではないかと思える。 正直な感想として・・・。 フロントライン(最前線)、意味深なタイトルである。 ありがとうございました M田朋玖 |