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■ 幻想ファンタジー | 2024. 1.23 |
自分の心をひどく落ち着かせ、或る意味元気にしてくれるいくつかのイメージがあるのでそれらをここに書き記してみたい。 冬の夕暮れ。 雨がしとしと降っている。 クルマの中。 あたりは荒涼とした原野と森。 人もクルマも他にはいない。 自分だけが座する大型セダン。 ワイパーが規則正しく動いている。 エンジンはその鼓動を止めていない。 微かに流れる音楽・・・演歌や歌謡曲でない音楽・・・。 ジャズかクラシックが良い。 少し窓を開けて煙草を喫っている。 それらはいくらかの死と孤独のイメージ。 冬になるとこのイメージがよく思い出される。 そして心が落ち着いて平和になる。 何故か分からない。 脳の前頭葉に起こった電気信号(イメージの)が全身をおだやかに、尚且つ元気にする。 確実に。 2つ目はドライブシーンだ。 人吉市から伊佐市を抜けて出水市に向かう国道。 この道を国産のセダンでゆっくりと走る。 色は白だ。 そこは峠道の登り。 走りきるのに5分もかからない殆ど直線道路。 その道をドライブしながら音楽を聞く。 「来生たかお」だ。 「VISITOR」というアルバム。 ♪スローモーション♪トワイライト〜夕暮れ便り〜♪等々この組み合わせ、開業当時、20代後半に、また独身の時に慣れ親しんだドライブコースと音楽で当時の気楽さと呑気さと孤独がよみがえる。 自らの人生がまだ始まってもいない黎明期と呼べるかも知れない。 3番目はごく普通のイメージだ。 愛車ソアラ430をフルオープンにして熊本市内の夜の街を流す。 あてどなく。 かけている音楽は「バリー・マニロウ」。 街灯りが、ネオンが、星空が天上に吹いている涼やかな風と共に流れる。 お気に入りのキャップ(野球帽)にMA-1ジャンパー。 ブルージーンズにスニーカー。 これは60歳代後半におぼえたモノで、実に素晴らしい気分を味わえる。 得も言えぬ幸福感と陶酔感が全身を満たす。 バリー・マニロウは先年亡くなった俳優の田村正和氏が30歳頃に愛車の白いコルベット・スティングレーで、それこそ東京の夜を流すのに敢えて聴いていたそうで、丁度筆者が20歳で・・・即ち大学1年生の頃に或る雑誌でそのことを知った時に「羨ましい」と強く思った次第で、当時は横浜の叔父の家から徒歩と電車で神奈川県の平塚市にあるキャンパスに通学していたので強い憧れを持ってそれを知ったので今でもそれを少しだけ真似て試している次第である。 いつの間に月日は経ち、御年(?)70歳を迎えて益々の遊び盛りだ。 夜な夜なクルマかオートバイで出かけて独り遊びに興じている。 まるで少年のように。 自分の遊びや快楽が殆んど他人やパートナーを必要とする訳でもなく、只ひたすらにクルマやオートバイであちらこちらを・・・山や海や街を・・・うろつくだけではなく殆どの事柄から自由になった(仕事以外)毎日が快適そのものだ。 この快適さと自由をますます味わい尽くすべく禁欲的に食事管理をし、喫煙やアルコールを用心深く避け、ストレスフルな人間関係を断ち、先述した心地良い幻想的イメージ、現実的イメージを取り混ぜて主として仕事中や退屈した時にそれ(イメージするのとついでにそれにまつわる言葉を記憶の海から探し出すこと)を時々思いついたように実践している。 まさしくファンタスティックな気分に浸れる。 ありがとうございました M田朋玖 |