コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 熱中症顛末記2023. 8.24

青空に入道雲。
強烈な夏の炎天下。
涼を求めて今はクルマに乗る、部屋に籠る、服を脱いで・・・など真夏の過ごし方はさまざまだが、蝉の声でさらに空気をたぎらせる。
夕方からたそがれ時にかけて激しい通り雨が降る。
雷鳴と共に。
即ち「夕立」だ。

夕立が降ると急に涼しくなる。
「打ち水」と称して道路や玄関先に柄杓で水を撒く、水道水をホースで放散するというアイデアも或る意味「人工夕立」だ。
一気にその周辺にひとときの「涼」をプレゼントすることができる。
日本の夏には、この「夕立」「打ち水」が良く似合う。
とにかく涼し気なのだ。
実際に涼しいし、見た目も美しい。
ホースで散水すると人工的な虹もできる。
自然現象とは大したものである。

ところで令和5年8月13日は集団オートバイツーリング。
午前6時にいつもの場所に集合。
10台のバイクと11人の男女が一路、大分県の海岸町・臼杵市を目指す。
どうやら石仏を観に行くということらしい。
往路は多良木−米良−西都−延岡−臼杵という所謂「南まわり」である。
一方「北まわり」は八代−阿蘇−九重−別府−など。
勿論、瞬間的でも涼しいのは「北まわり」だ。
阿蘇の山々と大分県に入る国道、県道は平地に比べると相当に涼しい。
そうして区間も「南まわり」と比べて「長い」。

にもかかわらず筆者は臼杵市に到着してファミリーレストラン「ジョイフル」で昼食を摂ると友人の「早く帰りたい組」のスマートフォンのはじき出した「時間的な最短コース」は何と「南まわり」とあった。
それでその一台と筆者のオートバイはいきなり高速道路に入り、延岡−宮崎−都城−えびの−人吉というコースを選択しその鼻先を向けた。

ところが実際は知ってみると「サイアク」。
休憩所の無い単線の交互交通の中途半端な道路が直線でだらだらと続く高速、実に単調な復路であった。
灼熱の太陽が天空でジリジリと地上を焼いている。
お盆の帰省客か単なる観光か知らないがイヤにクルマが多い。
ついでにトンネルも。
眼を中心に肩や腕や頚が固まったように疲れる。
こんな時は「夕立」でも降れば全身自然のシャワー「打ち水」で涼しく気持ち良いことこの上ない・・・筈なのに・・・。
いっこうにその気配がない。
とうとうあきらめて高速を降り最寄りのガソリンスタンドに立ち寄り「涼を取る」ことにした。
ついでに急に頚が、顎が前方に向けられなくなった。
つまり後頚部から首肩にかけて筋脱力が生じた。
それで前傾姿勢で前方を見なければならないスポーツバイク。
その特有のポジションが保てない。
その上、腰までチカラが入らない。
オートバイを降りると腰が「曲がって」「伸びない」状態。
つまりは胃部〜腰部筋力の低下・・・というより脱力が起こって、まるで「お爺さん」みたいな歩き方しか出来ない。
アタマがフラフラする、めまいがする・・・。
これは熱中症の症状だ。
帰着まで200kmを残して「熱中症ライダー」になり果ててしまった。
とにかく水を飲んだりスポーツドリンクを飲んだり糖分の入ったジュースを飲んだりエナジードリンクを飲んだりしながらPA・SAなどの休憩所では必ず立ち寄ってカラダを休めてやっとのことで宮崎県えびのPAまで辿り着いた。
最後のPAである。
帰着までの。
もう既にカラダの限界を超えている。
ついで夜なので視野まで狭まって前方が広く見渡せない。
救急車を呼ぶレベル寸前と思ったが何とかかんとか愛車にまたがって残り25kmを「気合いと根性で走った。
ヘルメットの中でそれを大声で叫ぶ。
そうして自宅に辿り着く。
自宅付近のガードレールにバイクをぶつけた。
到着は午後7時。
自院のカウンセリング室に倒れ込み、クーラーをつけて爆睡・・・。
午前5時に目覚めた時に何だか体中と世の中がスッキリしていた。
ヤレヤレ熱中症顛末記・・・。

ありがとうございました
M田朋玖



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