コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

[戻る]
■ アルコール関連死2023. 6.29

飲酒によるさまざまな疾病の存在については世間的(メディア的)にはあまり強弁されていない印象がある。
それはそうだろう。
アルコール産業は食品業界、飲食店業界の言わば主役であり花形である・・・。
これらをスポンサーに持つテレビや新聞を中心とするメディアがアルコールの人体への有害性をかしましく述べたてることはあるまいと思える。
そういう訳で結果的にアルコール関連疾患やそれらによる「死」については殆んど人々が言葉を及ぼさない。

WHOの統計によると全死亡原因の5.9%がアルコール関連死だそうである。
具体的にアルコールの実害は全身性で頭から書き連ねてゆくと、まず「脳」。
「ウェルニッケ脳症」が有名であるが少量の飲酒でも脳の萎縮、即ちアルコール性認知症の明らかな原因となるらしい。
食道癌、肝障害(脂肪肝、肝硬変、肝癌)、心筋炎、不整脈、ED(インポテンツ)、下肢神経障害。
さらに高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の多くがアルコールを近因遠因としているようだ。
結果的でも明らかに寿命を縮めるという意味で喫煙と同等かそれ以上である。
喫煙や運動不足だけを多くの疾病の原因とする「論」が巷間勇ましく出まわっているが、ことアルコールについてはそのようなキャンペーンまがいの言論はない。
これは受動喫煙の問題というより、やはり先述したメディア関係と産業界の裏事情・・・と言うよりズバリ利益団体同士の暗黙の「取り引き」としてそれほどアルコール被害についての積極的な「不熱心さ」と考えられる。

それにつけてもアルコールに対して「油断」している人が多いのには驚かされる。
「飲酒文化」と言ってしまえば身も蓋もないが、やはり非飲酒家としては「正気に戻れば戻るほど」この事態は異様だ。

筆者の医者の経験だけでもアルコールによる早世・・・それは概ね30代、40代、50代・・・数は印象深い人だけでも10人はくだらない。
この数字の少なさは実際に死亡診断書を書かずして済んだ人々・・・即ち高次機能病院に搬送したり紹介したりした患者さんは除くので当然と思える。
勿論、喫煙者の死亡者数もこの数と同数かこれよりいくらか少数と思える。
個人的に最も具体的に嫌だなと思うのはEDである。
これは85歳のアメリカ人の友人がいてタバコをふかしながら「酒だけはやめろ・・・女が好きなら・・・」と諄々しく教説してくれた・・・それは英語であったが・・・脳裏に鮮明に残っている。

実際に飲酒家の筆者の友達の多くは「そっちはダメ(女性のこと)」とハッキリ公言する男性が多い。
このことは糖尿病者より数が多いので、実のところ個人的には友人達の精神状態はひどく深刻ではないかと考えている。
筆者の場合、完全に飲酒を止めてほんの数ヶ月なので大きなことは言えないが現実としてアルコールから完全に「離脱」して「正気」になった正真正銘の非飲酒家からするとこんなに危険な有毒ドリンクは無いとつくづく思う。
何しろそれ・・・アルコール・・・を飲んで運転は世界中で天下の大罪「飲酒運転」と呼称され即刻逮捕されるのだ。

ありがとございました
M田朋玖



濱田.comへ戻る浜田醫院(浜田医院)コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせいよくある質問youtubeハッピー講座