コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 夜の男2021. 7.12

令和3年6月29日の晩は所謂「梅雨の晴れ間」。
降雨の気配が殆んどない、とても明るい夜であった。
「風の吹くまま気の向くまま」愛車の一台、ハーレーダヴィッドソン883を車庫から引き出して北へ向けて出発した。
いつものように。

昨年の7月4日災害の為の高速道路無料措置(人吉−八代間のみ)が高速進入を気軽にさせる。
ハーレーオリジナルの黒にオレンジの細いストライプ1本の夏用メッシュジャケットを選択したが、熱くも寒くもない。
湿り気を帯びた夕方の「気」夜の「気」が「風」となって全身を心地良くとろかしてくれる。
米国製のV型2気筒のエンジンに不規則で金属的な音を立て排気管からはバッバっと勇ましい轟きを周囲に響かせている。
不思議なオートバイだ。
国産のバイクでは味わえない独特な走行フィーリングにはあらためて魅了されている。
嬉しいことだ。
特に夏にはその魅力を大きく発揮させてくれるようで、特に飛ばさなくても「気持ちが良い」。
「楽しい」。
結果的に「怖くない」。
重心の低さと足つきの良さも手伝ってか、あの大型バイク特有の「恐怖感」が無く楽しさだけが抽出できる。
それでも用心の為に安全装備は欠かさない。
背骨を中心に胸部など体の主要臓器や四肢の関節を守る為の特別な衣類を身に着けてそれ(オートバイ)にまたがるのを習慣にしている。

午後8時を過ぎても「明るい夜」は殆んど不変。
なじみのライダースカフェを後にするとショッピングモールのアパレルショップZARAでこれまたなじみのマネキンと少し話をしてバーゲン値段のTシャツを数枚買い込んだ。
さらに熊本市内のより深部に分け入って行った。
バイクの鼻先が勝手に「進路を決めている」と言った按配だ。
午後9時30分。
これまたなじみのクラブに顔を出して30分ほど談笑し、店の女の子と与太話に興じ午後10時前には店を後にして道路わきに停めたハーレーにまたがった。

エンジン快調。
最寄りのインターチェンジまでの都会の街路は夜も更けてよく空いている。
色々な思い出にふけりながら高速に入り、途中トイレを一回使用しただけで真っ直ぐに寄り道をせず帰人。
コンビニで買った「ファミチキ」とオリーブオイル「サバ缶」を頬張って入浴もそそくさと1分間くらいで済ませあっという間に眠りについた。

こんな風な深夜徘徊は10代の少年時代、30代の開業当時、60代の今と殆んど同じ程度の喜びを感受できることが嬉しい。
気力体力の衰えをあまり感じない。
ただし仕事に向けてのコンディションづくりに神経を使っているので夜更かしはしない。
できないことはないけれど敢えてしないでいる。
いつか「したい」とは思う。
若い時のように。
深夜まで街をウロツク。
バイクやクルマや徒歩で。
ヤンキーなファッション、チンピラのファッション。
何でも良い、とにかく「遊び人」の格好で。
無職の「さすらい人」のようにフラフラと・・・。
蛇のように狡猾に、ネズミのようにチョロチョロと、フクロウのように忍びやかに。

夜の闇と都会のネオンはいつも優しく心を包んでくれる。
人々のざわめきも焼き鳥屋やラーメン屋、諸々の飲食店の発する匂いも何故か田舎の蛙の鳴き声や「ひぐらし」のように凍えて固くなった心を癒やす。
それらに夜飛んで行ける自らの行動力と健康と足(クルマ・バイク)が。
そしてそれらのできる「自由」が何よりも有難い。
「夜の男」
かつて知人の一人がつけてくれた筆者の呼び名だ。

ありがとうございました
M田朋玖



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