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■ 2021年6月末ナイトツーリング | 2021. 6.30 |
午後8時。 6月ラストの土曜日の晩だ。 曇天で月も星も雲上の彼方に隠されていた。 それでも灰色の雲はその鉛色の鈍い光で大地をほの明るく照らしていた。 CBR1000用のライディングウェアでそれに乗り込んだが思いなおしてハーレーダヴィッドソンを車庫から引き出した。 その夜の温く湿って濃密な空気でSS(スーパースポーツ)のカウルが心地悪くさせたのか・・・と思える。 後から考えるとこの選択は「マチガイナカッタ」ようで、高速に入ったこの米国製マシンはシュッシュッとかガシャガシャとかの耳心地の良い金属音を股下前方で勢いよく発しながら路面を滑らかにすべってゆく。 「これは凄い」 スポーツスター883は何もかもが丁度良い。 MAX140kmも出せないし、ゆっくり運転していても飛ばしても楽チン。 何しろアメリカンバイクなのにライポジが典型的なアメリカンではない。 股を開き気味に肩のチカラを抜いて少し前景に背中を丸めて乗るスタイルが独特の快感を生み出してくれる。 「気分の良さ」は今年最高かも知れない。 目的地はいつものライダーズカフェOHC。 人の良さそうなマスターとバイク好きの知り合い達が必ずいてくれる有難いお店。 メズラシク、フリービールと紅茶を頼みモトグランプリのオランダ・アッセンサーキットのレースをテレビで観て本屋(ツタヤ)に立ち寄り、その夜の午後11時には帰着してバイクを車庫に押し込んだ。 バイク道楽の興味深いところは季節や気温、時間や体調などさまざまな身体環境要素が絡まって「乗りたい」と「乗ってキモチイイ」がうまくマッチしないと予想に反して少しも楽しくなかったりする。 それが思惑どおりに見事にハマると想像をはるかに超えた「快」を感受することができる。 そのマッチングの為に総計4台ものオートバイを所持している。 確かに性質の全く異なるタイプはそろえて置きたいところだ。 ご存じとは思うが同じオートバイでも所謂「ヨーロピアン」と「アメリカン」ではその趣きが全く違う。 それで筆者のようにこれらの2種類のタイプを所有している人はそれほど多くはなく「SS」ならそれ一辺倒、中には旧車とかカワサキとかスズキとかヤマハ、ホンダ、果ては「外車」などオートバイのメーカーを限定している人もいる。 筆者の場合「気持ち良ければ良い」のであって、オートバイに見栄やハッタリやこだわりは「全くと言って良いほど」無い。 上記のようにただ「楽しければ良い」。 その「楽しさ」を追求した結果が「今ここ」に「ある」ので或る意味とても「シアワセ」である。 世間も「コロナ煽り」かワクチンのお陰かいくらか沈静して来週(月)の6/28より飲食店の営業時間も通常どおりになるらしい。 オートバイの目的地もいくらか多彩になって楽しみが再来するかも知れない。 見知らぬ人々との集いほどスリリングで楽しいものはない。 車2台オートバイ4台なんていかにも贅沢であるけれど、友人の中にはそれら全部合わせた金額より数十倍の価格のクルマを2台も所有している「金持ち」もいるし、勿論特別裕福でなくてもオートバイを4〜5台持っている「普通の趣味人」がいて安心する。 やはり日本人は世界の中で見ると「豊か」なのではないか・・・と考えてしまう。 幻想であろうか。 ありがとうございました M田朋玖 |