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■ 頻回来店 | 2021. 6.18 |
熊本県も「マンボウ」の適用が除外されて6月14日(日)から飲食店の営業が「時短」から「通常どおり」となった。 一斉に開いたであろう市内の各飲食店のパトロールに出かけてみた。 約14日間も閉めていたのでさぞハリ切って「仕事始め」と思いきや殆んど何の工夫も努力もなさった形跡がなく、ただ単に行政から言われたとおりに「閉めて」「開けた」だけの残念な店舗ばかりで或る意味強烈に唖然としてしまった。 いやしくも自分の生業であり、それで生活の糧を得ているのに行政からの「協力金」1日2万数千円をアテにしていただけで個人的にはあまりに工夫がない、努力がないように見えた。 これらは日本の殆んどの企業に漂っている沈滞ムードがそのまま反映されているようにも思えた。 日本人や日本国の活力の落下は特に仕事についてのモチベーション(動機づけ)の低さの因があるのではないだろうかと感じている。 先進国中最低とされる仕事への意欲の低減(ナント40%の人が仕事を嫌々しているとのことであった)を原因としているのではないだろうかとつくづく思うのである。 今でも1億2千600万人の人口を擁し中国に追い抜かれたとは言えGDP(国民総生産)世界第3位の経済規模を誇る豊かな国であるのだ。 その国民(労働者)の40%が勤労意欲について問題があるというのは誠に由々しき事態であるのだ。 さしたる資源を有していない我が国が経済大国になれたのはひとえに国民の勤労によるのだ。 このままでゆくと労働生産性の低さと相まって日本国の行く末には重い暗雲が垂れ込めている・・・と考えざるを得ない。 ところで飲食店の経営戦略として「頻回来店」という「ビジネスモデル」があると考えられる。 たとえば普通のスナックなどで一人当たりの料金を3000円とすればお客によっては「高い」となって月1回もしくは数ヶ月に1回の来店となってしまって1月当たりの売り上げは3000円以下になってしまう。 一方たとえば1回に2000円とする。 そうするとお客は「安い」と感じ週に2回あるいは3回の来店があるかも知れない。 月に換算すると16000円から24000円となる。 どちらがお得か一目瞭然であるのに1日の客数と単価だけを考えて、即ち目先の利益だけに着目してしまって月単位さらには年単位の「一人当たり」の「売り上げ」に目が行かない。 これは単に「思考力」「打算力」の問題であるけれど、そういう感覚やセンスの飲食店「経営者」の存外多いのには驚かされる。 あらゆるビジネスモデルは利益を最大化する為のモノである。 「少し考える」ということをすればすぐに成果(売り上げや利益)を出せるのに誰もが短絡的に思考されるようだ。 この「チョット考える」というのが胆で、どんな商いや生業にしろ、この「チョット」の差異は大きい。 先述したスナックの料金にしたってたとえば2500円、3000円、2000円と例があった時にこの価格が最も売り上げが上がるかというと「頻回来店」による一人当たりの月単位の売り上げの増加を目指すのが得策であろう。 大概のお店は家賃とアルコール・カラオケの代金が最大のコストでそれ以外では「女の子」を置いている店舗では「人件費」ということになる。 これまで発効された「マンボウ」でも10万円だかの罰金を払ってでも「開店していた猛者」もいたりして、この経営者は経営の本質を理解している稀有な人物とみている。 物事のカラクリやシステムやルールや仕組みを一面的・短絡的にしか捉えていないと今世紀を生きてゆくのは難しいかも知れない。 多面的・長期的(少なくとも1ヶ月から1年)・根本的(自分が提供しているサービスや製品の本質的価値についての意識)や深考は、イヤ浅考でよいので少し考えてみたら良いかも知れない。 「頻回来店」というビジネスモデルはウィズコロナ時代のビジネス戦略として至極まっとうな類と思える。 ありがとうございました M田朋玖 |