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■ 風に吹かれて | 2021. 5.28 |
近頃は梅雨に入ってから雨模様でなくても敢えてクルマに乗るようにしている。 キモチイイし楽だからだ。 我が愛車旧型レクサス600hにはサンルーフが装備されていて、それを開け窓を全開にしてゆっくりと夜の高速や街路や田舎道を流しているといつものようにうっとりとしたしびれるような愉楽が全身をとろかす・・・のを感じる。 以前、即ちつい最近までは時々は「苦痛」であった「自動車の運転」がいきなり快楽になったのにはごく個人的な理由がある。 それはまず体調だ。 まるで魔法をかけられて思春期に戻された・・・というくらい感覚的に元気だ。 それは仕事を終えた夕方の6:00〜7:00からクルマやバイクで熊本市内に毎夜でかけられるほどのレベルで「疲れ」というモノを少しも感じない。 周囲の人が驚いている。 それにもうひとつの愉快な要素は車の運転について。 「快」を呼び覚ます「トリガーワード」のおかげと思える。 それは若い時(青春時代?)に主としてクルマの名称でそのワードをランダムに列挙すると@「マツダロータリーカペラ」A「フェアレディーZ」B「ニッサンバイオレット」C「ベンツ380SL」D「トヨタソアラ」などである。 これらのクルマたちにまつわるエピソードを少し述べてみたい。 @マツダロータリーカペラ これは最近旧車会で実際に見たけれど昔と変わらずとてもカッコイイと感じた。 当時あこがれの先輩、通称「スケチャン」がシャコタンにして極めて荒っぽく天才的に上手に運転していた。 今でもありありとその「乗りまわし方」について「惚れ切っていた」ことを思い出す。 1リットル40円の時代に月のガソリン代が40万円とか50万円とかと聞かされていてどのようにソレを払っていたか不思議に思っていたが「田んぼを売って」払っていたとのことであった。 いかにも田舎らしい、いくらか牧歌的な時代であった。 AフェアレディーZ(Z30型) これは大学入学時に電車通学(横浜↔平塚)をしていた時、鮮やかな赤色のソレを間近に発見した時には思わず「一目惚れ」をしてしまった。 今見てもとても美しいと感じさせてくれるクルマだ。 B日産バイオレット これは大学の同級生(年齢は2歳下)が乗っていて一日貸してもらったコトがある。 デザインは醜悪でズングリムックリしているけれど、その奇妙に親しみの湧くスタイルに似合わず性能は良く後部座席の広さと外界からの閉鎖感が乗り心地(後部の)を確保していた。 外が見えず外から見られず奥行きと深さが確保されていて、同乗(後部座席)させて貰ったら独特の快適さがあった。 件の同級生も運転が荒く上手でいかにも飛ばし屋然としていたが「怖い」と思ったことは無かった。 懐かしいだけではない、どこかしら温かさのあるクルマであり男であった。 Cベンツ380SL これはリチャード・ギア、ローレン・ハットン主演のラブロマンス兼サスペンスドラマで、オープニングからクルマが主役と思わせる黒のSLベンツの走行シーンである。 「コール・ミー」の音楽にのせて流れるこのシーンでいきなり欲しくなった。 なんとミーハーなことか。 筆者の開業時である。 件のリチャード・ギアがアルマーニのスーツをまとって優雅に乗りまわすのに心から憧れて中古のシルバーメタリックのベンツ450SLを買って乗ったがこれは故障ばかりでハッキリ言ってポンコツであった。 当時の今も国産車、とりわけトヨタのソレと比較すると耐久性に重大な問題があって今後メルセデスベンツを所有して乗るという生活はあるまいと思える。 Dソアラ2800GT ラグジュアリーカーという特別なジャンルのクルマとして世間に君臨していて、これらに強烈に憧れて開業して3年くらいに手に入れてトヨタ車らしい面白味のないクルマであったが何となくデジタルメーター(当時はメズラシカッタ)豪華さにおいて際立っていた。 それでも浮気心が生じてBMWの試乗車の「乗り味」に瞬間的に魅了されて衝動的に買い替えてしまったがこれまた大失敗でそれら外車の故障に悩まされてほんの数年で手放した。 これらの物語や経験のお陰で現在所有しているクルマ、黒のレクサス600h(22万k走行)と紫色のソアラ430(9万k走行)には上記したクルマすべての「要素」が強く含まれていて心の底から楽しめている今日この頃だ。 ホントウに有難い。 そういう訳で当分は手放したり買い替えたりすることはあるまいと想像している。 とりわけレクサス600hは或る意味完璧なクルマで、ツマラナイ乗り心地も「落ち着いている」と言えるし、扱いやすいとも表現できる。 そして何よりも耐久性と信頼性においてほかに比肩できる車が無い・・・と現在考えている。 それは、ともかく。クルマも、風に吹かれて乗るものだ。と最近時々思う。「風」がバイクだけなんて、いかにもモッタイナイ。 ソアラ430というオープンカーを手に入れて、ますますそう思える。 ありがとうございました M田朋玖 |