コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 酒態2021. 5.23

魅力という漢字の言葉には「鬼」がついている。
「鬼+未」ということは鬼が未だ出現していないということだろうか。
ところで「醜い」という字は「酒へん」になっているが「酒を飲んで鬼になる」ということか。

筆者の父親は若い時から大酒飲みで所謂「酒乱」の癖があった。

まさしく鬼の形相で暴言を吐き、いたるところで乱行狼藉の限りを尽くした。
正気の時のどちらかというと紳士的で端正な表情と顔相、ふるまいがなりを潜め明らかに醜い形相になっていたのを確認していた。
当時の写真を見ると殆んど「酔っ払って」いるので美しい表情の写真は「たった一枚」しかない。
それは或る朝起きて玄関先で撮られたモノで、実の親ながらこんな「美しく優し気な男性はいない」というレベルであった。
元々父方の親族には容姿の良い人が多く男兄弟も姉妹も西洋人のような彫りの深い面立ちで、三男の弟(叔父)は「田村正和」という男優さんに似ていた。
もう他界したが・・・。
この叔父は若い頃からよく女性にモテていたそうで何回か結婚離婚を繰り返し最終的に大人しそうでふっくらとしたどちらかというと平凡な容姿の女性と結婚し子供もつくらず仲睦まじく円満に暮らして、おだやかで幸せな晩年を生きたようだ。
それでも飲酒の為か年齢と共に容姿が衰え、老いて「普通のオジサン」の容姿になっていたのを思い出す。
こういう物語(父親や叔父たちの)を伝聞し目の当たりにして現在「酒を断っている状態」である。
勿論お酒やタバコは大好きである。
ただ上記した理由によりその「楽しみ」にひき比べ犠牲も大きく結果的な「断酒」は個人的に自分の人生を豊かにしている・・・と感じている今この頃だ。

こういう訳で酒態の美しい人・・・男女を見ると羨ましいと強く感じる。
女性の場合、ホンノリとピンク色に上気した肌や目元がトロンと潤んでイヤに色っぽくなる人がいる。
こういうタイプは残念ながら少数派で酔うと世話焼きで、さらに人情家になり人の悪口を決して口にしないという特徴を持っていて或る意味尊敬に値する。
やはり自制心の閾値が高いと見ている。
男性の場合「酒に強い」というか少しも酔わず顔色も殆んど変わらず、特に饒舌になるというワケでもなく好感の持てる笑顔を絶やさずにこやかに誰それと差別なく応接し静かに人の話を聴いている。
こちらもハッキリと言って少数派で、男女共に「稀有な人物」と言って良い。
一般的に酒態はどちらかと言うと「美しくない人」の方が良い。
素面(酒飲み)を観察していると色々なことが発見できて興味深い。
やっぱり男性は「モノ静か」女性は「明るく可愛らしい」というのが理想で、これらの「飲酒家」と一緒に宴席を共にすると心愉しい。

いずれにしてもアルコールという特殊飲料にはくれぐれも用心したい。
それは肝臓よりも脳に鋭いダメージを与え、結果的に態度や振る舞いが剣呑になって人品のレベルを著しく下げてしまう残念な人が多い。
自戒、自戒である。

ありがとうございました
浜田朋玖



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