コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 営業マン(MR)2021. 5. 1

仕事上の最近のトレンド。
高齢者の部分てんかん発作と成人ADHD(注意欠陥多動性障害)。
これらの発見と診断(治療)は製薬メーカーのMRの方々の尽力が大きい。
彼らの主催する勉強会での「学び」が実診療に直に反映されて深刻な症状が見事に消失し、いたく喜ばれている。
また頑固な不眠が「発達障害」だったことも発見のひとつ。
これらは、MRの方々の情報がヒントになっている。
実にありがたいことだ。
しばらく前にMR(製薬メーカーの営業パースン・医薬品情報提供者)不要論なる愚説が、コロナ前に巷間流布展開されていた。ところが今回のコロナ騒動で新薬の売れ行きが思うように上がらず(販売不振に陥り)、その新製品(オクスリ)の商品力(効き目)の割りには全く売れなかったという日本の民族系メーカーT社の場合、「コロナ被害者」筆頭であろうか。
MR不要論もミソもクソもやれITだ、AIだ、リモートだという時代に製薬メーカーも感化され毒された結果生じた論に違いない。

世間の流れに沿って件のメーカーさん達もWeb、on-lineだとかの講演会でお茶を濁そうとしても結果は火を見るより明らかだ。
自社の製品を売ると言っても商品の性質としてそんな通信媒体などでは「売れるワケがない」というのが個人的な見解だ。
今こそMRの方の活躍とその双肩に会社の盛衰がかかっていると言っても過言ではない。いくら商品の品質が良くても卑しくも会社・企業なのであるから「売れる」「利益が出る」というのが経営上の目標であろう。

いくらか時代に逆行しているように思える論説であるが他の商品、例えばアダルト系や書籍やアパレル・家具などと「薬品」は明らかに違う。
いくらデジタル革命・リモートワーク・on-line会議だと言っても人間の体にはいい手デリケートな作用をする「オクスリ」を通販もどき、テレビショッピングもどきで購入することなどあるワケがない。
もしかしてそれらの意見を持つ経営陣がいるとすればその良識常識を疑う。
バイアグラ(ED治療剤)の類には個人輸入があるらしい。
これらの取引が一般常態化しているのは理解できるとしても特に精神系・中枢神経系(CNS系)については繊細で厳格な取り扱いが必要であろう。

いずれにしてもMRの方から教えてもらった診断法、疾病の掘り起こし方、薬剤の作用の仕方についての伝授は実に有難い。
相手(MRの方)がお医者様や学者ではないので質問しやすいし、意外なほど薬剤情報について詳しくあられる。
当然と言えば当然であるが・・・。
MR(Medical Representative)という呼称に愧じない存在と言える。
少なくとも日本国における薬剤の売り方についてのこれまでの商習慣(キックバック・薬価差益・景品・宴会・説明会の後援など)を抜きにしても、現実的には今のコロナ時代に小回りが利く販売法。の担い手はMRさんしかいないのだ。
製薬各社の経営陣は心を引き締めてMR強化の為、尚一層の人材教育と人員の拡充を図るべきと思えるし業界の仕組みを度外視して申し述べるならば、「商品開発」一辺倒のメーカーへの提言である。またそれらを結果的に招来してしまう制度にも、改善の余地が、大いにありそうだ。
我々臨床医という者共がそれらの薬剤情報に飢えているのは確かなのである。

特に内科系・精神科系における薬剤の重要性は昔日よりも格段に増しており、その使い方(処方の仕方)の巧拙において医者の力量を測定されてしまうだけに軽々に処すべき問題とは言えない。
益々もって昨今はMR「様々」という態である。
今後の医療もどんどん変化しており、或る未来予測の本によれば医者も内科と精神科しか生き残る生き残らず、外科系はAI・ロボットに取って代わられるという説もあるようだ。
器質的(機能的の反対)な疾病の診断と治療、即ち外科系の医療についてはこの将来予測も「無きにしもあらず」と踏んでいる。

ありがとうございました
M田朋玖



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