コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 日本人と米国人2020. 5.27

生誕90年ということでスティーブ・マックイーンの映画がBSで連続放映されている。
「砲艦サンパブロ」1966年制作の戦争映画。
長編作品で休憩を入れて3時間50分。
大作と言える。
監督ロバート・ワイズ(ウエストサイド物語など)、共演に当時の美人女優の代表で気品のある容姿のキャンディス・バーゲン、シルベスタ・スタローンの人気シリーズ「ランボー」にかつての上官として出演していたリチャード・クレンナなどが出演している。重厚で芸術的な映像美が素晴らしい。戦闘場面の緊迫感など複雑な人間関係、各人のリーダーシップなど悩ましい決断を迫られる場面が多く退屈しない。
不朽の名作と言えるだろう。
これをたまたま出入りしているライダースカフェの大画面テレビで思わず魅せられて見入ってしまった。
約4時間あまり。
それは画面が絵画的でよく洗練されている。主人公のスティーブさんやキャンディスさんの端正なマスクと存在感によるとも思える。

当時の男女優の二大スター。
昔の俳優さんは「美しい人が多い」。
また物語も悪賢いとか残虐とかひどく悪辣とかの人間が殆んど出て来ないので見ていて気持ちが良い。
現代の・・・少なくとも映画作品にはこれでもかというくらいの「人間悪」が表現されていて気分が悪くなる。

ブラッド・ピット、キャメロン・ディアスなどの大スターが出演していた「悪の法則」などを鑑賞すると現代のドラッグに関わる「悪の構造」がありありと無理矢理受け取らされて恐怖におののく。
また人々に「拝金主義」を「勧奨している」ように見える。
お金の為に人を平気で殺すなんて本来「異常者」か余程困窮した貧しい人か、或いはサイコパスのような常習「犯罪者」の行為行動なのに。映画ではそれらが当たり前になってしまったように見せている。
人生の価値付けの中心を「お金」に据えてはイケナイ。
お金は勿論生きていくのに便利で大切なツールであるが最優先項目ではない。
人生を楽しむ為の心身の健康や、周囲の人々との喜びに満ちた愛のある交流など、自身の守り神としての霊的行動(お墓参りや神社参り、御仏壇に手を合わせる)など・・・キリがないくらいお金以上の大切な事柄や行為行動がある。
お金は人生をよりよく生きるための手段であり人生における「社会貢献」の結果として手にするものだ。
勿論裕福になるのはそれなりの工夫や努力も要るけれど。マクィーンさんは、残念ながら肺の中皮腫という珍しい病気で52年の波乱に満ちた生涯を終えた。核実験場の近隣に住んでおられ為かと当時は報じられた。
生きていれば御年90歳。
同じく俳優のクリント・イーストウッド氏が同年で現在でも元気に活躍されている。
個人的にはスティーブさんの方が好みだ。
中肉中背で引き締まった肉体と俊敏な身のこなし、端正なマスク。
どれをとってもカッコイイ。
今はこういう哀愁を帯びた見応えのあるカッコイイ男が減っている。
昔の大スター達の容姿が今と違う大きな理由はやはり鍛錬の度合いと思える。
男女共「美しい人」は安全で緩く砂糖のように甘い環境からは生まれない。
過酷な成育環境や位生い立ちの人が多い。

話しが大きくそれてしまったが米国映画を観ていると日本人の感性に凄く合致する作品が多い事に気づかされる。
それは一言で表現すると「自己犠牲」。
そういう男性をカッコイイと考えるのが両国の人々の普通の感性であるようだ。
上記した「砲艦サンパブロ」だけでなく「インディペンデンスデイ」、ブルース・ウィリスの「アルマゲドン」、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」など「男の自己犠牲」を感動的に描いた作品は多い。

最も愛しむべき自らの生命を「公」の為に捧げる行為を讃えるというのはあらゆる国の「軍人」に求められる資質の為で、或る意味「国策」かも知れないがそれを美しく感動的に描いているのは日米の映画以外にはそれほど多くはない。
米国のキリスト教の思想と神道・仏教の国、日本とに共通点があるとすれば「自己犠牲を美しい」とする美的感覚で、これは日本の武士道や戦中の「神風特攻隊」にまざまざと示されており日米が終戦後にお互いを尊敬し合うようになった大きな要因と思える。

何しろ日本人全ての代表である昭和天皇が占領軍の最高指揮官へ面会にGHQ本部(第一生命ビル)に行かれて会談され「責任は全部自分にある。自分をどのように処遇しても良い。国民を助けてやって欲しい。」と述べられたのは有名な話だ。
これに感銘を受けたダグラス・マッカーサーは日本国や日本人に対し人道的に接し占領政策を行ったとされ、自身も多くの日本国民に親しまれ愛された。
「松笠」さんと言う奇妙な呼称も得たと伝聞されている。
ただし所謂憲法制定にあたっては憲法9条など今の日本人の半分ほどが「平和憲法」と信じている条項を織り込むのに「ソ連のスパイ」が暗躍したらしく、現在の憲法改正への動きを封じつづけたようである。
マッカーサーはデュープスではなかったが、いくらか「操られた」形跡はあり、件の「ソ連のスパイ」は自殺したとされているが
その筋から殺害されたのではないかと考えられている。

今回のコロナ騒動を受けて日米の関係はさらに強固になると見られている。
策の大震災時(阪神大震災・東日本大震災)には残念なことに民主党政権であったため米軍や自衛隊への救援要請が遅れ、事態の収拾に手間取って原発事故などの後始末に不手際があり禍根を残すことになった。

「有事となったら軍隊」なのだ。
これは世界中一緒。
自衛隊には「想定外」という言葉はないらしい。
対応すべき対象事象は全て「想定外」と捉えて訓練しているようだ。
何が起こっても「大丈夫」・・・というのが国防の基本なので、そのスムーズな動きを封鎖する憲法など平和憲法とは呼べない。
件の9条に戦争を阻止するチカラが宿っているかのような左翼系の人々のモノ言いだが少しも説得力がない。
実際には自衛隊というレッキとした軍隊が米軍と一緒に国防に携わっていての日本国の平和なのである。

「親の心 子知らず」
「国の心 国民知らず」

デュープスをはじめ左翼系の人々、そちら側の野党やメディアはこぞって憲法改正反対の立場だが昔の映画などでアメリカ映画を観るにつけ彼らの「良心」と我が国の「武士道精神」に意外な共通点を見出し、あらためて両国の親密な関係の意味が理解できた。
やはり「文化」なのだと。
それは「名誉を重んじる」「互いを尊敬する」「人種差別を忌む」そして「自己犠牲」など米国軍人・・・それをたぶん米軍士官学校の校長のスピーチをたまたま聞いてさらに感動をしてこのことをあらためて自覚させられた。
米軍は信頼できると。
少なくとも彼らの教育者たちのアタマの中は非常に倫理的で人道的で紳士的であった。

ありがとうございました
M田朋玖



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