コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 意識2020. 5.26

令和2年5月24日(日)は絶好のツーリング日和。
「コロナ」の緊急事態宣言も解除されて人々の動きもいくらか活発さを取り戻しつつある。
これを幸いにとばかりのツーリング。

午前8時に集合場所に行くと他のツーリンググループも30台近く集まっている。
一緒に走ったこともある知り合いも何人か混じっている。
「おはようございます」
朝の挨拶を何回か発しながら数人と言葉を交わしていると「仲間」が集まって来た。
リーダー格のスキンヘッドを中心に薬剤師や歯科、耳鼻科の先生たちとバイク女子一人。
さらに久々に参加の長いツーリング仲間が250ccのオフロードバイクで現れた。
総勢6台。
もっとも走りやすい陣容。
集団が信号や交差点で「切れにくい」。
めざすは宮崎県霧島の「白龍神社」。
「霞神社」に対抗して隣接された幾分怪し気なたたずまいの古びた鳥居と超短い参道がある。
拝殿を「巫女さん」らしき若い女性がシャッターを引き上げて何かしらコッチに声をかけていた。どうも「開店」を告げていたらしい。
午前10時。
特に参拝することなく立ち去った。

この到着に先立つこと一時間。交通事故の救護活動をする羽目になった。
人吉市−えびの市間を繋ぐ「加久藤」峠の宮崎県側。
「ループ橋」という呼称のラセン状に昇降する国道が県境(熊本県・宮崎県)に存していて非常にスリリングな山越え道路になっている。
事故は軽自動車(宮崎県より登って来た)と普通車(熊本県側から降りて来た)の正面衝突で「軽」のセンターライン越えが原因と思える。
両車共に車の前部分は無残にも「グッシャリ」と潰れておりお互いのドライバーはそれぞれ車室内に閉じ込められている。
しぼんだエアバッグとハンドルの間で苦しそうにもがいておられたので仲間たちと救護活動をすることになった。
こういう時はお医者さん3人の存在は有難い。
車の誘導係、怪我人への対応など。
まず壊れたドアを開けて怪我人を外に助け出すコトをした。
いずれのクルマも比較的簡単に引き剥がされた。
最初から警察や消防に通報していた若者二人と総勢8人での交通事故援助行動。
筆者は本能的にそれぞれのドライバーと助手席の女性など全員が受傷者で「痛がって」おり見るからに「辛そう」であったので、患部を触診しカラダをさすりながら「大丈夫ですヨ、もうすぐ救急車が来ますから」などと心を慰安する言葉をかけるとかなり落ち着いたようだった。
それでも軽自動車のドライバーは「痛い、痛い」「かあちゃん助けて―」などといかにも苦しそうに叫んでおられる。
見たところ命に別状は無さそうだがハンドルがひどく曲がっているので衝突の勢いで胸を強打したと思われる。
肋骨骨折、胸骨骨折と診断した。
何らかの内臓損傷もあるかも知れない。
脈拍はやや微弱なるも正常で顔色も悪くない。
普通自動車のドライバーの男性は助手席の妻の安否を何回も尋ねて気遣っておられた。
その奥さんは恐怖の為に助手席のドアを開けて車外に出て道路脇の欄干に倒れ込んで「動けない」と小さく呟いていたが「診察」したところとりあえず四肢を「動かせる」ようで「パニック」とか「ショック状態」と思われた。
そうこうしているうちにレスキュー隊、消防車、パトカーの順に宮崎県側から登って来た。
レスキュー隊が最もテキパキと動いている。
重傷に見えた怪我人を実にスピーディーに担架に載せて赤い消防車で搬送していった。
ドンドン警察消防レスキューなどの関係車両が集まって来て我々も静かに撤収した。
上記の組織の存在はいつもながら物凄く有難いと感じた。
慣れていて誠に頼もしい。

幾分バイクのスピードが遅くなったものの小1時間も経つと相変わらずのハイスピードツーリング。
「先生」たちはいつものようにとても速い。
追尾するのがやっと。
必死で追いかけるけれど少しずつ離されて行って見えなくなる。
やはり腕前が違う。
コーナーで離されるワケなのでバイクの性能よりも明らかに「腕」だ。
最近彼らとは競争しないと心に決めている。
ヘルメットの中で「マイペース、マイペース」と自分に言い聞かせながら走っている。
本能的なスピードについての恐怖心の為でもあるが、本来「楽しむべき趣味」を味わっているワケで殊更にそれが「スリリング」である必要もない。
エンジンの鼓動感、五月のかぐわしい風と草いきれ、それらの生み出す素晴らしい走行感覚は渋滞道路でさえなければそれなりに体感できるものだ。
元々オートバイは人間の「感覚」を楽しませる趣味。
スピード感も勿論大切なその要素であるが、それ以外の感覚も「意識」して乗るとこれまた陶然とするほど心地良い。

これらの「意識」を変える手法として思いのほか役立ったのが大量の「水分補給」(これは出発前に購入した2ℓのペットボトルをパニアケースにしのばせている)と短い瞑想と軽いストレッチ体操。
これは1分かそこらであるが効果は絶大で「良い気分」を瞬殺で得ることができる。
具体的には休憩の合間にバイクを使って思うままの「筋肉伸ばし」。
これはほんの軽くが「コツ」で決して「イタキモ」のレベルにならないこと。
「キモチイイ」とか「カル〜ク」のレベル。
またこの時「眼をつむる」こともコツのひとつだ。
眼を閉じるとそれだけでストレスの70%が取れるそうで、これに「呼吸集中」を加えるとプチ瞑想感覚が得られ、とても良い気分になる。

夕方4:30の給油の後にこの方法を「悟って」「実証」したので後半はいくらかハイテンション。
気分が良いものだからいつもの饒舌が戻って来て少しく仲間を不快にさせたかも知れない。
いずれにしても全員無事に帰り着いて良かった。
出発午前8:00、帰着午後6:00.
高校の先輩はお医者さんで筆者より2歳年上の御年68歳。
とてもバイクが早くて元気。その上シャープな頭脳の持ち主。もう一人の耳鼻科の先生などと共に医療情報や社会情報を拝聴できて有難い。
他のメンバーも皆さんモノ知りばかりで会話が楽しい。スピード感のある彼らとのツーリングはいつも心楽しい。
少し恐怖感を「抑え込む」必要はあるけれど。
元々臆病で気が小さくて鈍感で不器用なのである。
運動神経もパッとしない。
そのことをよく気づかせてくれるのでさらに有難い。

「瞑想」を一言で表現すると「意識」のことだ。
修行や苦行も一瞬にして「快楽」になる。
求道者の修業とはこんなメカニズムのことを指すのかも知れない。バイクにもそんな修行めいた側面がある。

ありがとうございました
M田朋玖



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