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■ 禁足令 | 2020. 4.25 |
4月19日の日曜日は曇天ながら降雨せず春の柔らかい明るさと暖かさが街を包み込んでとても心地良い。 恒例の集団ツーリングがあの「コロナ」で中止になった。 お上や世間の言うことや流れに逆らってはイケナイ。 こんな非常事態に「集団」バイクでもあるまいというワケである。 本心は皆さん、特に主催するバイク屋さんが「人から何て言われるか分からない」「もし事故って救急車」なんてなれば只でさえ緊迫している病院に迷惑がかかるかも知れない。 そんな日本人らしい配慮があると想像しているし、メンバーも「仕方がない」と諦めている。 それで午前中に目覚めたので、クルマで公園に行きいつもの落葉樹の下にシートを敷いて「朝寝」を楽しむことにした。 これが爽やかな晴天の青空ではなかったけれど心地良い風とそれに黄色やピンクの草花がチラチラと揺れている。 空を見上げると樹木の葉も数センチほどしか育っておらず、それらの小さく可憐な若葉たちがニコニコ、サワサワと音もなく笑いかけてくる。 「久しぶり〜、元気?」。 時々小鳥のさえずりがどこからともなく聞こえてくる。 心地良い仮眠をとった後、数10分の「野外瞑想」・・・これがまた室内と違う気持ち良さ。 大地と一体となってどっしりとした安定感・安心感を得られる。 ・・・ところが今のコロナ事案で子供連れの集団やカップルが「昼食を公園」でというワケであろう、普段の閑散と静寂とを享受できない。 残念。 2時間ほどで撤収してクルマにガソリンを入れ高速道路に入り南に向かった。 めざすは霧島温泉郷。 今回の騒動で観光地の惨状を視察しに行こうというワケである。 飲食店は適当に開いているが駐車場にクルマはなく閑散としている。 何軒かの旅館・ホテルも休館になるらしい。 勿論どこもガラガラである。 しかし県道・国道などの一般道にはクルマがいつもより往来している数量が多い。 いったい皆さんどこに行かれるのだろう。 ひょっとしたら筆者のように卑しい野次馬根性剥き出しで視察ドライブを楽しんでおられるのか。 或いは県外ナンバーが多いので都会からの避難か。 宿泊客と思しきクルマのナンバーは関東や関西など都会のソレである。 お金と暇と余裕のある人は都会から脱出して来られたのだろう。 ベンツやアウディなどが寂しくなった駐車場に散在している。 大自然に接していると人間たちのせわしない動きがいかにも滑稽に見える。 なんでそんなに慌てふためいているのかと。 時間が来れば大概の事は終わる。 人間の存在など宇宙の運行や自然や季節のうつろいを思えばちっぽけなものなのだ。 人生は時間だ。 時間の有効利用という視点に立つと人類はあまねく「休息期」に入ったと考えれば良いとも思える。 家にこもって読書をしたり、音楽を聴いたり、密やかで親密で心優しい会話をしたり。 今やカレンダーは何の予定もなく真白だ。 携帯電話を忘れて外出した時の爽快感を味わう。 政府から出されている「禁足令」も「精神の自由」を求める人なら何のことはない。 心静かに人類と世界の平和を祈るばかりだ。 「令和」という元号も速攻でその字面が現実化した。 禁足「令」。 「和」して(仲良く)。 ありがとうございました M田朋玖 |