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■ 与える | 2020. 3. 9 |
30代後半頃より自己啓発セミナー、ビジネスセミナー、心理学セミナーに足繁く通ったものである。 それらのお陰で自分の夢や願望が割とスンナリ達成できてとても有難く思っている。 勿論それなりに努力はしたが大したことはない。 やはり素晴らしい出会いや自らの運が一番だった。 最近はそのようなセミナーや講演会には殆んど参加していない。 製薬メーカーの主催する講演会か半ば強制的に受講せざるを得ない医学系のセミナーに最低限出席する程度である。 さて色々なビジネスセミナーや異業種交流のような「集まり」にいくら出かけて行っても「成功はしない」とのネットの情報があった。 これは「婚活パーティー」などにも共通することで「事が成らない」のは心の姿勢に問題があるからだそうだ。 それは「求める」ことが強すぎて「与える」心が殆んどない。 最初の頃のセミナーで学んだ貴重な言葉は「与える」こと「学ぶ」こと。 商売・ビジネスはgive&giveが王道。 即ち「与えまくる」くらいの心構えがそれらだけでなく人生で大切との教えを学んだ。 社会、会社すべての組織、チーム。夫婦、家族の共通する命題「与え合えば天国」「求め合えば地獄」。 諸々の集まりでも夜の店などの社交場でも人によっては何かビジネスチャンスはないかとか良い出逢いはないかなどを「求める」ことが多くて自分自身を「与える」ことが少ないように見える。 その結果、皮肉なことに何も得られず、それによって成功することもない。 失望と深い落胆を味わうのが関の山と言った結末になるのである。 商売人の言葉に「損して得取れ」という言葉がある。 「海老で鯛を釣る」とも。 これは小さな損が結果的に得だという理屈であるが、もっと深読みすると違った側面が見て取れる。 一体、仕事や商売に限らず損をするというのはどういうことだろう。 究極の損得勘定をしていくと、長い目で見ると殆んど得になる。 目先の得は将来の損、目先の損はと言えないか。 起業家には自己資金で始める人も中にはいるが、殆んど銀行から借金をする。 そうして自分の起こした会社に投資をする。 これは最初の段階でカタチとして損となるのではないか。 「自己資金を出す」「借金を背負う」という損。 起業をお金儲け目的で始めると最初は良いが永続はしないらしい。 早晩潰れてしまうそうだ。 そもそもお金儲けを目的に起業すると成功しないと言われている。 また、とりあえず成功したとしても蓄財をして贅沢をして楽しんでいる人は男女共容姿が凄いことになる。 醜い。 顔が浮腫んで肥満しておられるかギスギスに痩せておられるか・・・。 いずれにしてもそれほど幸せそうでもないし美しくもない。 それらの人々に内面から滲み出る「人間の美」を見出せない。 人生に何かしら大切なモノを犠牲にしておられるように見える。 また、富を自分たちの贅沢にしか使わない人は成功者とは呼ばないそうである。 真の意味で「王」たる者は民の幸福と安寧を願うものであるらしい。 我が国の皇室は王たる人として存在しておられ、自分達の蓄財とか贅沢に明け暮れている風は全くなく、ただひたすら国民の為に「祈り」を捧げておられるそうだ。 ロシアや中国の国家元首がその蓄財ぶりをパナマ文書で暴露されていたが、何の廉恥も感じておられず、国民もまた「そんなものだ」と特別に彼らを非難する風でもない。この辺りの感覚は我が国とは異なるようである。 意外なことにあの悪名高きアドルフ・ヒトラーも個人的な贅沢や蓄財には全く興味を示さず社交と肉食を厭い政治家たちとの交流もせず孤独好きの菜食主義者として知られている。 勿論ヒトラー礼賛をするつもりはないが、国家や国民の為自らの独善的思想(ユダヤ人に対する類、周辺国の侵略・収奪によって国を豊かにする)ことに邁進したに過ぎない。 一時的にアイドル並みの国民の人気を博したことについては一般には語られにくいので念の為に追記しておきたい。 同人は与えることと奪うことを上手に使い分けていたようだ。大衆操作の極意。 そうして国家の元首として欠けている資質は、国民からは「善良に見えた」(マキャベリズム)ことで誤魔化した。悲しいかな「人類愛」の体現者ではなかったようだ。 現代では危険人物とされる偏狭な民族主義者、国家主義者と考えられている。 とりとめもなく書き散らしてみたが「与える」ことこそ人生を、自らを、人を、組織を、社会を、人類を豊かにする最善で唯一の道であるのに多くの人々も人類の殆んども「求める」ことに汲々として今や地球を滅ぼそうとしている。 大自然や資源を奪い尽くすだけ奪って自滅しようとしている。 人類も太陽の光という巨大な神の恵みにようやく気づいたようで慶ばしいことではあるが、お互いに与え合おうとする人は多くはない。 この地球という暗黒の宇宙に奇跡的に存しているパラダイスをもっと大切にし、上手に分かち合って全ての人が豊かになれないものだろうかといつも考えている。 ありがとうございました M田朋玖 |