コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 映画「フォードVSフェラーリ」2020. 2. 4

令和2年1月下旬は冬ながら海辺の別荘を思わせる暖かさで、その明るい陽光ほどには春めいて心地良い。
オートバイに大型のカウル(風防)を取り付けて高速のソロツーリング。
グリップヒーターとの組み合わせで冬の不快な冷気寒気を8割がた軽減してくれる優れ物。
ネットの情報でバイクの快適性アップの「最大」とあったがあらためて深く得心した次第だ。

黒と灰色とブルーと白の美しくまだら模様に流れる冬空。夕暮れのオレンジ色の彩りを加えた深い群青の空気。それらを鋭角に切り取った山影を地平に敷いて展覧される見事な自然のパノラマ。
それは息を呑むほどに美しい。
それらを一望できる場所に向かう。
市内の中心部を南北に切り分ける球磨川。
その川に架けられた橋上だ。
遠回りしてゆっくりと駆け抜ける。
そして新しく増設された九州自動車道のスマートインターの無人ゲートをくぐり抜けた。
いったん市の南側に下り北部(県央の熊本市)を目指したワケである。

午後5時。
気温15℃。
両腿で抱いた800ccV型エンジンは相変わらず心地よいの鼓動感。
丸味を帯びた白色のタンクが目にやさしく、アクセルをまわすたびに微かに震える。
ホンダVFR800は音と振動がとにかく気持ち良い。
7000回転を超えてハイパーVテックが作動しても不快な金属音を殆んど発しないで素晴らしい加速をする。
少なくとも直列4気筒のあの「金切り声」をあげない。
年齢のせいか高い周波数を不快に感じるようになったのかも知れない。
いずれにしても快適なクルージングというほどではないけれど、丁度良い前傾姿勢と音と速さと重さが確かな安心感と「マシン」を操る喜びをくれる。

良い買い物をした。

買物も出逢いだ。
「めぐり逢った」と言えるほどさまざまの偶然の果ての購入。
その「いきさつ」に思いを馳せるとき行き当たったオートバイが深い思案の結果などではなく、自らの直感と即断。
それに「偶然」という呼称の「運命」に導かれた結果なのだとしみじみと思うのだ。

行きつけのライダーズカフェに立ち寄りしばらく談笑した後、最寄りのシネコンで映画観賞。

「フォードVSフェラーリ」

クリスチャン・ベール、マット・デイモン主演。
実話を基にした作品で、自動車会社やカーレースに馴染んだ有名人が実名で出てくる。

エンツォ・フェラーリ(フェラーリ創業者)、リー・アイアコッカ(フォード社長)、キャロル・シェルビー(シェルビーコブラのデザイナー、レーサー)、マクラーレン、そして件の映画のモデルとなった自動車レーサー、ケン・マイルズ。

久々に最後まで観入ってしまった。
退屈する場面がない。
迫力あるレースシーン。
自動車の走行映像。
クリスチャン・ベールの見事な演技などなど。
自動車というモノの機械としての精密さ・・・と同時に意外な粗雑さを知った。
レーサーの過酷な体感。
それらが迫真に迫る映像美と音で再現される。

舞台はアメリカ、そしてフランス「ル・マン」。
フォードという会社と米国の自動車産業が後退期に差しかかる頃の物語。
フォード社が「ル・マン24時間」に挑戦し僅かな期間で3度の栄冠に輝くという「サクセスストーリー」はアメリカ人の自尊心を大いにくすぐるに違いない。
実際に「フォードGT40」という名称のクルマは名車として知られ、その挑戦的なデザインは今でも新鮮に目に映じる。
超コンパクト、軽量の車体に高出力のエンジン、強靭なシャーシという組み合わせは男心を強く揺さぶる。

それはパラノイア(偏執狂)とも呼べるほど自動車のメカとレースにウルさい負けず嫌いの主人公。
一種の天才肌ドライバー、ケン・マイルズ。
さらに子煩悩の愛妻家とくれば今も昔も宗教心旺盛なアメリカ人の理想の父親像・男性像をも描いている。

映画としての出来栄えはかなり高いレベル。
ヒットするかも知れない。
惜しむらくはハッピーエンドでなかったこと。
それでも映画「タイタニック」の超メガヒットを思えば興行収入は、併売されるDVDなど商品としてのこの作品は合格点以上と見た。

ありがとうございました
M田朋玖



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