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■ クレイマー | 2019.11.11 |
ACAPという団体があって全国の法人の「お客様相談室」の勉強会・情報交換会みたいな存在と捉えている。 即ちお客様のクレイム処理を担当している部署の人の集まりである。 会社組織内では花形ではなく失礼ながらお掃除係・ごみ処理係のような部署と考えられるが仕事そのものは会社にとって大変貴重なモノである。 クレイムは会社の「宝庫」だと確信している経営者もおられて頼もしい。 その処理対応の仕方によっては逆に名を上げたりすることも時々あるようだ。 筆者もクレイム・クレイマーの重要性については「まったくその通り」と肯定せざるを得ない。 …とは言うものの「クレイムを受ける」という仕事、立場というのは結構つらいものである。 心理的に相当にコタえる。 実際に「心の病」の宝庫とも言える職域である。 自ら関わっている職種「医療介護」ではクレイムは当然のごとく「たくさん」ある。 実際に口に出してクレイムを言ってくれる「お客様」は逆に有難いものなのだ。 上司の叱責とお客の文句・・・どちらが重要かと高所から見るとお客の文句と思える。 サービスの改善につながるからだ。 実際はモノ言わぬ「クレイマー」が一番困る。 日本人の場合90%以上がこれらのグループに入りお客様の不平不満が見えて来ないことがある。 それでアンケートを実施してクライアントの不満を集めるワケである。 アンケートとクレイムの違いは前者が比較的冷静であることと文字にしてあることである。 文字にすることで冷静になる分、内容が理性的で鋭いという傾向もある。 一方、ほとんどのクレイムはかなりの度合いで感情的である。 とにかく理不尽な類も多く、たとえば「謝れ」の一点張りだったり被害者意識が強く怒りの感情に満ち溢れていたりする類が多い。 殆んどかも知れない。 仕事柄そういう内容がクレイムとして多いが感情的に納得して貰うことは難しいので、ただただ「謝る」とかになることが多い。 下手な言い逃れ、事態の解説や説明が逆効果のことも多い。 「火に油を注ぐ」といった按配に。 余程、日頃から良好な人間関係を保っておかないとただの説明では納得して貰えない。 いかなる背景、事情であっても誠実で親切な対応に優る方法はなく、嘘やゴマカシで解決しても後々シッペ返しが来る。 必ず来る。 クレイマーに限らず「怒り」の感情は自分の存在をディスカウント(無視・値下げ)されていることが原因なので「アナタのことを大切にしていますヨ」というメッセージを真剣に伝えることで収まることがある。 これはクレイム処理の基本であるので「相手の存在を高く評価する、価値づけする」ということを原点に戻って実践することである。 昔、三波春夫という大歌手がいて「お客様は神様です」と何度も呪文のようにとなえておられたが、これは客商売にたずさわる者にとっての「心の姿勢」としてマチガッテはいない。 商売人なら書いて貼っておいた方が良いかも知れない。 全ての人がお客様ではないがクライアントに対してそのくらいの気構え、心構え、覚悟を持っておかないと商売繁盛が実現することは無いと思える。 何しろ相手は神様なのであるから戦っても勝てないし、また勝ったからと言って何も益することがない。 むしろ有害である。 中にはモンスタークレイマー(たとえばペアレンツを代表例に)とかがいてイチャモン、アゲアシとりで会社やお店や学校など売り手側の嫌がることを執拗に平気で何でもする人々がいて最近増殖しているとされるが、この場合「対決」しなければならないこともある。 何しろ相手は神様ではなく怪物(モンスター)なのであるから退治するというやり方もある。 それらのやりとりを見事に演じさせる番組もあったりしてモノ言わぬクレイマーが世間には90%もおられるのであるから時々表に出て来たが、これらのクレイマーを研究し上手に親切に対処することが新しいビジネスの展開・発展に益することがある。 クレイマー・・・嫌がって逃げるかキチンと対応するか・・・好むか嫌がるか、得意とするか苦手とするか。 これらは自らの仕事、ビジネスにおける自己成長・発展か衰退・減衰かの大きな分かれ道となることでもう一度「お客様は神様です」 実に名言ですなあ・・・。 深々と心に喰い込む。 ありがとございました M田朋王久 |