コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ ブレグジット2019. 8.27

ブレグジット(Brexit)とは英国(British)と離脱(Exit)の組み合わさった造語であるらしい。
イギリス人女性のテリーザ・メイ首相からボリス・ジョンソン氏に代替わりしてこれにより離脱が本格的に「決行」される可能性が決定的になったとの見方であるようだ。
「ボリス」なんてまるでドイツ人かロシア人の名前である。
容姿もそれらの人種に近い。
イギリス国民はいったい何を考えているのかを筆者の推論と情報とを混ぜ合わせて論じてみたい。

そもそもEUという巨大な国家のような組織団体に所属し「あ〜しろ、こ〜しろ」と一方的に指図されるのは多くのイギリス人の本意ではない・・・と想像される。
決して移民問題、経済問題の有利不利などの損得勘定の問題だけでなくイギリス人の誇りや気骨反骨などの「感情」の問題なのではないか。

先の世界大戦時にヨーロッパでナチスドイツに占領支配されずに済んだのは永世中立国・スイスを除いてイギリスだけであった。
島国という有利さを最大限活用して水際で難敵(ドイツ軍)を見事に斥けた。
時の総理大臣、ウィンストン・チャーチルは一言も「平和」という言葉を使わずイギリスを勝利に導いたらしい。
彼の人の示す独特のあの有名なピースサインはピース(平和)の意味などではなくビクトリー(勝利)のVサインなのだ。

「敵に勝つ」為に選ばれ、戦って自国を勝利させたという意味ではかつてナポレオン率いるフランス軍をワーテルローの戦いで勝利させたウェリントン軍を率いたアーサー・ウェルズリー将軍と同等の評価を得た英雄として今でもイギリス国民の強い尊崇の的となっているようだ。
かつて大英帝国の本拠地、イギリス連邦の宗主国としてのイギリス人のプライドが、ドイツ・フランス・ベネルクス三国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)などが中心となって「勝手に」運営している欧州連合(EU)の軍門にくだって「ヘイコラ」しているのが耐えられなかったのだ。
多分。

移民により労働力を奪われると言った大衆的問題も限度を超えていて、今のロンドンは移民の為に人口過密であるらしい。
またEU内における義務、たとえばGDP0.7%のODA(政府開発援助)、NATO(北大西洋条約機構)における2%の軍事予算などいずれもフランスやドイツよりもキチンと律義に実行しているらしい。
上記両国については腹立たしい話だ。
国民感情として。

また米国との関係もある。
世界地図を大西洋を中心に眺望すると理解しやすい。
地勢的にアメリカとの距離と関係性の深さだ。
第二次世界大戦もイギリスはアメリカと「共に」ナチスドイツと戦ってヨーロッパ大陸を「解放」したのだ。
これらの歴史を鑑みるとイギリスのExit(離脱)は奇妙に腑に落ちるし共感できる。

もともとアメリカの独立戦争もイギリスとフランスの代理戦争の様相も呈していた。
しかしながら独立後もイギリスと米国は深い繋がりを保ちつづけた。
むしろアメリカ嫌いはフランス人に多いと聞く。

大西洋を挟んで両国は常に緊密な関係を築いていた。
「兄弟国」と言っても過言ではない。

たとえば太平洋における日本と米国の関係は少なくとも外観的には似ていまいか。
たとえばアジア連合(AU)なんていう連合国家組織が中国・シンガポール・韓国と台湾を中心に出来たとして、日本国が唯々諾々と追従するであろうか。
想像上の解答は否である。
言葉だけでもゾッとする話しだがあり得ない未来ではない。

日本国がアジア諸国に対していくらか「上から目線」的に距離を置いていれられるのもアメリカの後ろ盾があってこそと思える。
そんな風な構図や思惑が北大西洋諸国、とりわけ「島国」にあるような気がする。
さらにまた米国にとってイギリスは日本などよりはるかに親密な同盟国なのだ。

イギリスと日本国の単純に地図を眺めても位置や価値が大陸に寄り添った緑豊かな独立国。
意外なほど礼儀正しく、控え目な物腰の裏底に存する「何くそ」と言った気骨反骨は島国特有のモノであろうし、はたまた国民性に深く影響を与えていると考えられる。

個人的には国民投票でイギリスがEU内にとどまる(残留)と選択した時の方に驚きを感じる。
少なくとも51%のイギリス国民が離脱に賛同している。

繰り返しになるが歴史と地勢と国民性を考慮するとどうしても「ブレグジット」の流れに違和感を感じない。

同様のことが日本で行われた時、何と「造語」するのだろうか。シャペジグット?。

ありがとうございました
M田朋王久



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