コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 肥満2019. 5.24

個人的には60代の前半に瞬間的ではあるが生まれて初めて肥満というものを経験したが、後から考えると一種の恐怖体験であった。
また大変な勉強になった。
「肥満はオソロシイ」
これが後日談として個人的な実感である。

それは88kg。
178cmの身長でだから高度肥満では無かったもののまず肥ると膝や腰が痛む。
ついつい過食してしまう。
一度横になると起き上がるのが辛い、億劫・・・。
何もかもメンドクサイ。
カラダが重い。
血圧が上昇する。
血糖値が上昇する。
洋服が入らない。
ノーテンキになる。
MCI(認知症予備軍)になるなど全身的悪循環は極めて甚大だ。
果ては「仕事を辞めて引退したい」などと言い出す始末。
これら筆者個人の心身の状態は身近の職員にも「恐怖」を味あわせたようで今思えば頑張って減量して元の体験よりさらに痩せて、さらに元気になってホントウに心から嬉しいと今あらためてヒシヒシと感じている。
これは個人差もあろうけれど「肥満は悪」なのだ。
多分。
「風邪は万病の元」と同様に「肥満は万病の元」なのである。
恐らく。

今は体重65kg。
ハッキリ言って見た目は悪い。
ガリガリだ。
鏡で見ると強制収容所に入れられた囚人のような外観で女性には恥ずかしくて見せられない。
肋骨と鎖骨が浮き上がり腸骨を突きでていて顔もゲッソリしている。
「見た目」が悪くても気分はとても良い。
丁度学生時代がこの同じ体重で、髪の毛の量以外は学生時代と同じだ。
ウエストがくびれていて顔が三角形。
頬から顎にかけて下方に尖っている顔相。

さらにバスケの時に「走るのが楽」。
軽快感・爽快感がありシュートが入らなくてもオフェンスができなくてもプレイしているだけでとても「楽しい」と感じるのが素晴らしく嬉しい。
しかし大型バイクに乗るのが苦痛になった。
75kg、80kgと65kgでは200kgの大型バイクを操るのに苦労するのは物理的に当然と思える。
やっぱり柔道やレスリングやボクシングなどと同様にバイクと「格闘」するのに重量級ではなくなって軽量級、中量級になったのであるから当然と言えるかも知れない。

肥満の一番の恐怖は「脳の機能低下」。
それは血圧上昇の為か動脈硬化が一時的に生じた・・・少なくとも脳の「血の巡りが悪くなった」と自覚できた。
仕事中、患者さんの質問や相談に対して即座に応答できない、朝礼をサボるようになった等、大変な事態であった。

医者の仕事は正しくて早い判断力・決断力を求められる。
目の前にいる患者さんに最良最善の検査・診察・処方・処置を決定し素早く実行しなければならない。
時には救命救急もあり得る。
長期的に見て患者さんの健康上の問題、ひいては人生の諸問題の解決にも適切な援助や助言をすることが望まれる。
それらの総合的な能力の低下は実に深刻な問題を包含していると考えられる。
できるだけシャープな頭脳と細やかな情愛、温かく優しい人柄が求められると思うのだ。
それが「衰えた?」のであれば「引退」も選択肢の中に入れなければならない。
そういう風に考えると医者の最大の仕事は他の多くの経営者やスポーツ選手と同様に自らの「健康管理」ではないかと益々強く思うのだ。

基本的に大酒を飲んだり、大食をしたり、喫煙したり、睡眠不足だったりしてはイケナイのだ。
即ち健康を害すると考えられる諸々の行動は慎まなければならない。

このような経験や考えから結果的にややストイックと思えるほどの厳しい飲食の管理を現在している状況である。
これらの行動の結果、余禄がいっぱいあっていつも気分が爽快、カラダも心も軽いので「動ける」ことが嬉しい。
ただし重い荷物を持ち上げるというのがやや苦手になった。
大型バイクは軽量バイクに乗り換えて解決した。

これらの体験から糖尿病と高血圧とそれに伴う動脈硬化の治療は実のところ物凄く簡単なのではないかと考えている。
糖質制限、塩分制限、減量(これが一番難しい)・・・これらの治療の根本を食事制限とストレス対処で簡単に治療できる。
経験的には糖尿病の治療が最も簡単。
インスリン注射などより食事療法(糖質制限)の方がはるかによく奏効する。
正しく実行していただいた方の快復ぶりは見事なほどだ。
食事法の基本を身につければ抗老化(アンチエイジング)や他の生活習慣病の治療も益する。
体重が減って(肥満が解消して)男性は精悍になり凛々しくなる。
女性も「痩せ過ぎ」なければ美しくなられる。

女性の場合、摂食障害は美容体重・適正体重を通り越して、見た目的に本人の自覚の薄い醜姿になるのでくれぐれも用心したい。
脂肪がついていての女性なのである(乳房・臀部・腹部は特徴的に女性のエロス美の特徴は脂肪に他ならない)。
注意深く用心したいところだ。
肥満からの生還は滑らかな弁舌とスピード感のある決断と行動を生み出し、自己管理への鋭敏な感覚を獲得させ俊敏な身のこなし、衣類の選択の自由度・多様性を上昇させ、あらゆる面での生活の質を向上させるのでこれは「生命懸け」で挑戦してみたい。
何よりも人間の本来持っている筈の好もしい「野生」を創出するのが痩せ気味の肉体(男性の場合)と思える。

いったん痩せてしまうとナカナカ肥りにくい。
油断すると「痩せ過ぎ」てしまう。
元々モノを食しないからだ。
必要のない飲食は注意深く慎んでいるのでいつも軽い飢餓状態。
この状態は覚醒にも睡眠にも有利なようで、いずれの「快」も意識して入ることができる。
即ち肥満は適切な覚醒と睡眠を害するとも考えられる。

筆者の場合、多少「痩せ過ぎ」で周囲からの目線は「老けた」とか「頚のシワ」とか貧弱な胸板とか必ずしも評判は芳しくない。
・・・けれども今のこの爽快な気分、衣類のユルユル感やカラダの軽さには言葉に出来ない快適さがあって当分このままの体重がつづくに違いない。
増やそうと決断すれば減らすことより簡単にできる。
頻回に大量の糖質を摂取すれば良い。
それはしかし体調不良と怠惰な生活や何かしら禍々しい疾病を覚悟して挑まなければならず、今のところ強く遠慮しておきたい。

非肥満者から肥満者へのささやかな心を込めたメッセージと受け取っていただけると有難い。
いくらか自慢気に読まれた方には不快であられたかも知れない。

ただすべての人がソレを手に入れられるという前提があるので差別的でも「上から目線」的でもないと自覚している。
何故なら正常な人間なら誰でもそれ・・・減量・・・を手に入れられるからだ。
正しい努力、取り組みをしさせすれば・・・。

ありがとうございました
M田朋玖



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