コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ カルロスお前もか2018.11.29

ニッサンとルノーの経営陣の中心的な人物であるカルロス・ゴーン氏が「金融商品取引法違反」の容疑で東京地検特捜部に逮捕された模様だ。
18年前に業績不振と赤字経営で苦しんでいたかつての日本の自動車会社の雄、ニッサンを再建する為に登場し、当時流行語にもなった「V字回復」を見事に実現しその名を世界中に知らしめた。
大したものである。
若干48歳でニッサンの社長になっているとのことであるからその星、一白水星どおり中年期に人生の華が訪れる。
若い時の苦労と勉強とアタマの良さ、運の良さなど複合的な「勢い」を天がこの人物に与えたようである。

同社における地位と権勢を欲しいままにしてその証拠とも言える高額の報酬を各会社から貰って平然としておられただけでなく会社持ちで色々な個人的な費用を弁じておられたらしい。

日本人の感覚だと高額な報酬とか会社持ち(公私混同)とは恥ずかしいこととされるが欧米の企業の場合、いくらかこれらの有様には寛容なようでニッサンは純然たる(?)日本の会社であっても社長が外国人なだけでなくその輝かしい実績、業績の為に多くの日本人の一般庶民も「そんなものだろう」と大目に見て来たという経緯があるようである。

それ以前にはフォードを瞬間的に再建したリー・アイアコッカとかG・E(ジェネラルエレクトリック)のジャック・ウェルチなどは年棒100億円くらいの報酬を得てその巨額さが話題になっていたくらいであるからそれ程目立たなかったのかも知れない。
多くの日本企業ではどれほど高収益の優良会社でも諸外国のように超高額な役員報酬というのは殆ど見かけない。
皆さん常識的な金額で納まっているようである。
少なくとも表向きには・・・。
また公私混同も稀である。

あるとしても社宅とかクルマとか交際費とか税務署から目をつけられたら「ゴメンナサイ」と言えるくらいのほんのささやかな額が殆んどである。
それくらいでさえ日本の税務署とか国税局というところは恐れられていて件のゴーン氏がどちらかというと「やりたい放題」だったというのは外国の企業からの派遣みたいなカタチだったからではないだろうか。
実際の中身や真実の詳細は不明である。

それにしても筆者と同じ「星」のカルロスさんも「晩節を汚す」という意味では割と定型的なので思わず笑ってしまう。
男の人生にとってその後半期には名と利と欲(金銭、女性)にくれぐれも用心しておかないとトンデモナイ末路が待っているものだ。
それらの全てを欲しいままにして同氏の出処進退については最も悪いパターンで出現してお気の毒としか言いようがない。

「名」については不明であるがレバノン、ブラジル、フランス、日本それぞれの国でなにがしかの叙勲をされている筈であるがこれは詳述しない。

まずは「利」について。
お金である。
これは大いに迷うところだ。
人間には蓄財欲というのがあって、カルロス・ゴーンという人物はこれが異常に強かったようである(勿論その欲の弱い人もいる)。
・・・というか誰でもそういう欲求があって世の中には特に目的もなく蓄財したがる人間が多い。
そういう欲の強い人は「自分のお金」を遣うのが殊更に嫌なものだから滅多に「自腹を切らない」。
結果、会社にお金を遣わせることになる。
それらを活用できる地位と権力を持っていたら誰でも使いたくなるものだろう。
「自分のチカラ」を誇示するのにこれ程好都合な権力はない。
筆者とてその例外ではなく心根はカルロス・ゴーンさんに愧じないほどセコイ。
「セコイ」と言ったら舛添要一元都知事という東大出の立派な方がおられた。
セコイけれども税務署だけでなく社員の目があってあからさまなそれらの権力は出来るだけ行使しないように心掛けているし、またそれらのできない仕組みを作っている。
お金は他人が扱っており、身内もどちらかというとそういうことにウルサイ廉潔で公明正大な八白土星の実弟が握っていて安心だ。
カルロスさんのような行動をしようにも資源(お金)がそれ程豊かなワケでもなく実にショボイものである。
けれども結果的に金額の多寡にも関わってくるが高額になればなるほどショボさが際立ってくる。
舛添さんが善人に見えてくるほどの遣いっぷりで或る意味「天晴れ」である。

「女」問題もある。
これは伝聞によると愛人が何人もいたとかいう勇ましいハナシではなくて、レバノン人の自分の子供を何人も産んだ糟糠の妻と別れてキャロルさんという同年輩の米国人と再婚して披露パーティーまでなさったというから哀れさも際立つ。
「血迷う」とはこのことだ。
人には言えんけど・・・。

卑しくも経営者なのであるからどこぞの国の映画スターや芸能人、タレント、スポーツ選手とは違うのである。
何百人、何千人、何万人の多くの従業員とそれの数倍の顧客に支えられて得られた特別な報酬であるので何回も離婚再婚と繰り返したり非常識な金額を貰ったりしてはイケナイのではないかと考えられる。
少なくとも先述したスポーツ選手達と違って自分のカラダや芸だけで稼いだお金ではないのだから。
またそれらの人々ですらファンやお客さんあっての報酬であるので社会的責任というものが生じる。

最近はそれらのスポーツ選手を含めた高額所得者の不祥事が多い気がするが、社会への貢献とか恩返しとかの「センス」が無さ過ぎるのではないかと思える。
多くの超富裕層の人々がせっせとボランティアや寄付に励むのもチャンと意味があるのだ。
結果的に自分の身を守るのはそれらの「心がけ」と「行為」なのである。

ゴーンはゴーン(去ってしまった)。
日本社会はこういうことに意外に厳しい。再起は多分ないだろう。ここらへんは韓国人と似ていて「根にもつ」国民性。隣国ほどではないが。

身分の高さと金銭欲と「贅沢好き」。
これらは自然にしていて人を耄碌させる。
胆に銘じておきたいものだ。
綺麗事ばかり言っていて金庫に金の延べ棒を何本も隠し持っていた金丸信という老政治家を思い出す。
「晩節」を汚さない為には或る種の「散財欲」みたいな欲が必要なのかも知れない。
散財と蓄財、いずれにしても人生は時間がくれば終わる。
楽しく生きていきたいものである。
「やっちゃえ!ニッサン」。
「やっちゃったカルロス」。
それを現実にした同氏。言葉にはくれぐれも用心したい。

追記
企業規模からすると結果を出して再建なさったのであるから、ケチ臭いことは言わないで50億とか100億とか「それくらいいいじゃん」という意見もある。確かに。そういう巨視的な感覚も時に必要な気がする。
東京地検特捜部という部署もある意味キテレツだ。国益かポピュリズムの代弁者か。後者であれば、田中角栄ロッキード事件と同様に今回の逮捕劇も国益にかなっているかどうか微妙である。
また凄腕の米国人の弁護士を雇ったらしいが、日本国の裁判所という処は世間のムードや国情や色々なパワーバランスが機能して必ずしも法律どおりという結果にならないことが多々あって信用できない。結果が見物でである。

ありがとうございました
M田朋玖



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