コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 点数制度2018.11.20

過日、横浜市での某学会で厚生労働省の医療技官の先生(医師の資格を持っている)の講演を聴いた。
それで医療制度における点数(1点10円)、即ち「かかった費用の請求額」は何を参考に決定するかというお話になってあらためて驚いたのであるけれど、それは「コスト」ということであった。
つまりその医療行為の公定価格(点数)はその行為のために生じる手間ヒマが換算され支払われるとのことで思わず点目してしまった。

これは或る意味、医療者・治療者にとって好都合な制度でひとつの疾病についてさまざまな検査や面倒臭い高額な治療を施用してもそのかかった費用を「見てくれる」ワケであるから誠にありがたいシステムである。
けれどもその治療や検査は果たして本当に必要であったかどうかの判定・査定の必用が生じるので絶えず支払側(保険者である支払基金など)が医療機関や医師を監視して適宜指導している現状である。
それでその治療に筋道、道理、理屈「物語」が理論的に説明できるのであればそれは「可」となる。
これは今では誰も疑問に思わない制度で、治療者・医療者が一々文句をつける訳にもいかず、また言える立場でもない。

それでも今後は少し変更が加えられるそうで、コストだけでなく「効力」つまり奏功したかどうかで点数を決めようという動きがあるとのことであった。
これは或る意味、理にかなっていて「かかった費用」と「効きめ」でそれを決定するということにも特に異論はない。

ところがこういうシステムは民間ではあまり見かけない。
またいかにも怪し気な健康器具や健康食品など「効きめ」や「費用」も関係なしに価格が設定されているのに誰も文句は言わないというのにも強い驚きを感じる。多くの人々はこと健康とかのことになると思考力がいくらか落下してしまうようである。

そういう意味では日本の医療制度というのはよく出来ているなあと思える。
ただし問題もある。
それは民間企業における成果主義にみられるような結果への拘りの無さである。
開業医の場合、できるだけ早く簡単に治癒や寛解に持って行かないとイケナイという本能と事情があるので結果や成果はとても大事である。

ところが一般の人々は何かしらこのあたりのカラクリが見えておられないようで、意外に結果についての拘りが少なく根拠のない「ブランド主義」「評判主義」であったりされる。
評判云々はかなり重要な情報であるが専門医とか専門病院というものの意外な陥穽には気づいておられない。

特に「糖尿病」だ。
この病気を真剣に治す(特にU型糖尿病について)のは食事療法である。
これは基本的に薬物や注射の必要が生じないし、言ったとおり実行していただいたら殆んど100%治癒するが、現在の世界中の糖尿病学会の奨める治療法は血糖値やその指標であるヘモグロビンA1cが一定のレベルを超えていると最初からインスリン注射という治療法であるらしい。

これは素人的に考えてもオカシイ。
色々な理屈をお持ちであるかも知れないが、まずインスリンというホルモンを外から注射されると体内のホルモンバランスが一気に崩れると想像される。
またインスリンを体内に分泌している膵臓が「怠け」てしまう可能性だって考えられる。
即ち廃用的に「萎縮」してしまうのではないかと推測してしまうのである。
かなり素人臭い論理ではあるが。
「血糖値を正常範囲に保つ」「合併症を予防する」ことが糖尿病の治療の最大目標であるので、その為に体内に入れる糖質を減らすことに注力する、或いは糖質の吸収を減らす、或いは糖の排泄を促す、即ち膵臓という大切な臓器を休ませる「大事にする」というコンセプトで取り組むべきと考えている。それでいきなり膵臓ホルモンのインスリンを打つとは何たることだと思えるけれど「学会」の方針であるらしい。
これは一例であるがさまざまな他の疾病においても飲食とストレスの処理、心理的処置だけで速やかに治癒に持っていける所謂「難病」もある。
これは割りと自信があって、とにかく「言ったとおり」にキチンと実行して下さる方々は皆さんお元気になられる。

ただこういう話説は傍系、即ちマイナー・少数派なので現時点では社会的認知は得られていない。

さまざまの疾病発生のメカニズムに着目し飲食生活を中心に「生活習慣」を変えることが治療の第一と思えるのにそのことについても点数的配慮をしてあるのでとてもありがたいが、コスト(かかった面倒臭さ、費用)と効力(薬剤の効果)についてだけに配慮されて結果(治りました、それも軽費で)ということにはあまり考えが及んでいないように思え、即ちコストパフォーマンスについてより深く検討する方が医療費削減に益すると考えている。

これらのことは社会全般に見まわしてみて普通に起こっていることで、筆者のような玄米菜食家からすると世の中の多くの人々の飲食生活が特定の知識人(正しい知識を得た人)からすると「正気ではない」ように見える。
これにいささか傲慢な見解と思われるであろうが物事の本質とか真相とかエッセンスを見ようとすると色々な世間一般の習慣だけでなく法律法規ルールまでもが少しく奇異なモノに思えてくる。

保険医療制度における点数制というモノが一部の受益者を潤して、一方で殆ど益を得ていない施設もあるというくらいは気づいていたものだ

誠実に真剣に取り組むほど業界人やその筋から「異端者」に見られる傾向について多少言い訳染みた論説を展開してみた。
少なくとも無用な親切心とかサービスは現行の医療保険制度では御法度のようである。淡々と冷ややかにビジネスライクに医療行為を進めることを「ヨロシキ」とする点数制度であることを先ずもって医療者を含め全国民は認識しておくべきであろう。
ありがとうございました
M田朋玖



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