コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 肉体改造2018. 9. 8

NHK-BSの「最後の講義」というシリーズがあって生命科学者の福岡伸一先生のそれを録画して観た。
福岡先生によると生命とは「動的平衡」という定義になるらしい。
生命は「生成と分解」が、バランスして存在している・・・ということのようだ。
人間の37兆個もの細胞は1年で全部入れ替わる。
これは実のところ大変に有難い情報で、食べた物・飲んだ物が体内に入って来て消化や吸収を経た後に生成され、分解されまさしく「血と肉と骨とになる」ワケで、これは大昔から人間が直感的に分かっていることなのに西洋医学的な「機械論的生命観」に基づいて人間を自動車かなんかと同視して人間の肉体にまるで燃料を入れるような無頓着さ、不用心さでテキトーに飲食物を入れているものだから「血や肉や骨」や内臓や脳がテキトーに出来上がってしまって良調に作動しなかったり痛みが出たり、時には病気になったりする。
これは実に当たり前のことなのである。

件の福岡先生の言を借りれば自動車になぞらえて給油口から入れられた燃料はハンドルになったりタイヤになったり座席になったりエンジンになったり等々、自動車のすべての部品に変化する、生成される・・・と考えて飲食をするべきであると理解することができる。

この理屈は考えていれば素晴らしい人間の生き方の方法を指し示していて、食べ物を変えれば元々細胞は変化しないとされる脳神経系ですらも化成するらしいので、1年間食事を厳格に、正しい物にすると素晴らしい健康体と頭脳を勝ち得ることができるかも知れないことを暗示している。

江戸時代の大観相家・水野南北の「節食開運法」にも通じる理論・理屈ではないか。
筆者の肉体も1年くらい前から玄米菜食に切り替えて一切の砂糖食、お菓子、ジュース、缶コーヒーなどを断ったら何とサポーターなしで・・・それは両アキレス腱、両膝、腰を守る為の装具・・・バスケを楽々と、悠々と出来るという「事態」を招来せしめ、この理論を証明できたような気がする。

40代、50代にして痛かった膝や腰が65歳で「痛くない」なんて一般には信じ難いことであろうけれど実際そうなんだからオモシロイ。
そういう自分を見た仲間、それも膝や腰にサポーターを装着したバスケのプレーヤーの仲間が「先生は元気のヨカ〜」と声をかける。
この状況を誰が想像できただろうか。
自分自身ですら驚いている。
ついでに老眼とかも治ってくれればと思うが、それは自身があまり望んでいないせいか今のところ変化なしだ。
元々メガネをかけているのが好きなので、バスケのゲームや練習の時、バイクの時にほどほど見えればいいかという程度。
ノープロブレム。

ついでに同番組で獣医師をめざしている若者が医療について質問していた。
それへの回答でも個体差を無視した「エビデンス」(証拠に基づいた治療の選択や診断の基準)による治療よりは個体の多様性に配慮した医療への取り組みが望ましいと述べられていて、個人的には「我が意を得たり」という確信を得ることができた。
ついでに「スタンフォード式疲れない体」という書物を買って読んだら、またまた「我が意を得たり」の論に出逢って自らの脳がとても喜んでいる。

アスリートのパフォーマンス向上、維持の為には睡眠・水分・食事・姿勢・呼吸・休息の大切さを挙げてあった。
特に睡眠不足は脳震盪と同じくらいパフォーマンスを下げてしまうようで、極端に言うと全身的にエネルギー「0」というレベルになるらしい。

水分については口渇がなくてもコンスタントに取っていると意外なほど仕事やスポーツのパフォーマンスを上げてくれる。
食事についてはやはり細心の注意が要るようで、医学書よりも現在出回っている健康本を色々読み漁って、精読してよく吟味検討して摂取することが大切で、決してひとつの論を盲信してはイケナイ、
先述した著書も含めて・・・。

現時点で言えるのはやはり糖質は控えて良質の脂肪(中鎖脂肪酸)、野菜を多くとることがベストのようだ。
「甘い物」についてはとりあえず、明確に有毒と見做してよいだろう。
アルカリ性食品(野菜など)を多く食べ、アルコールは原則摂取しないことがことアスリートには肝要であると思える。

アルコールを断って腰痛を治したバスケの仲間もいるくらいで、こと「酒」については心してくれぐれも警戒しておきたい。
クルマの運転前くらい用心しておいた方が人生やスポーツを楽しむ為には安心安全かと思える。

姿勢については「IAP呼吸」(腹圧呼吸)という言葉を手がかりに体幹の維持、筋力増強を図ると格段にスポーツの能力が高まるらしい。
実際にバスケの練習で試していたら疲れを感じないだけでなく競技能力の向上を実感できた。
表題に掲げた「肉体改造」の為のヒントをまとめると「呼吸(姿勢)」と「食事」と「睡眠」という意外に見逃がされやすい課題が明瞭に浮き彫りになってくる。
激しい練習、トレーニングとか筋トレとかが時に逆効果であることもあらためて知り得た。
年齢的に常識的には老いた我が肉体を使って或る意味軽く限界まで・・・ギリギリでない限界まで・・・スポーツにチャレンジして健康効果を実感してみたい。
後学の為、大袈裟に言えば医学医療の発展の為に・・・。

ありがとうございました
M田朋玖



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