コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 三代目御曹司2018. 6.15

本日、平成30年6月12日、歴史的な会談「米朝首脳会談」がシンガポールで執り行われ共同声明が発表された模様である。
これはスマートフォンのニュース速報を見て知ったことでTVのニュースで見聞したものではない。
できるだけ余計な先入観を排して自分の考えを書きたいので、テレビやラジオのニュースを含め報道番組を詳視しないで筆を走らせている。

筆者の勝手な呼称である「強面外交」のひとつで、恫喝・威嚇など男同士、たとえばかつてのヤクザの常套手段であった「脅し」相手を「恐れさせる」という外交手段が功を奏した例ではないかと考えている。

極東アジアの貧国小国、北朝鮮が「核」という極めて禍々しい質悪な武器を片手に振り上げ最終的に超大国、それも軍事大国でもあるアメリカと殆んど対等に渡り合い、同国の「国家体制の保証」を言葉だけでもとりつけたのであるから「我らが金様」も意外に頭脳的で、したたかであるように見える。
勿論、裏陰に中国・ロシアの存在をチラチラと感じはするが・・・。

前コラムで微述したが、貧しい通常兵器しか持てない小国が大国と対峙するには「核兵器」が最も手近な手段なのだ。
米国のイラク侵攻の口実にもなった「大量破壊兵器」なる奇妙な言葉も直言するなら「核兵器」のことである。
実質的に当時のイラクの国家元首、サダム・フセインはそれを「所持」しておらず、所持する意志も持たず、ただの哀れな年老いた一人の狂信的独裁者として世界中からメディアの力で祭り上げられた、単なる偶像であったことが後から判明し当時のブッシュ大統領を中心としたアメリカ政府の悪辣ぶりが瞬間的に世界中に露呈されたが、何となくうやむやになってしまった。
世界中で表だってそれを追及する者がいなかったからでもある。

まさに「戦争のための戦争」という部類に入るイラク戦争は同国のアフガニスタン侵攻と同じようにかつての「東西冷戦」に替わる「対イスラム」という新たな対立の構図を築くのに一役買っていると思える。

何度も書いて来たように悪意の第三者からすると「対立の構図」ほどおいしい物はない。
1963年11月22日の悲劇、JFKの暗殺ですら「対ベトナム」という「対立」と「戦争」を継続する為の手段であったとする説もある。
同大統領(JFK)のベトナム撤退の目論見を知った「軍産複合体」所謂、軍事産業ロビーの暗躍による「殺人」の可能性は今でも全く否定できていないようだ。

いずれにしても先述した「会談」はカタチとして「世界平和」に資するという意味で慶ばしいことではある。
一見朝鮮半島における「核」の問題がとりあえず解決した・・・かに見える。

後は「イラン核合意」の問題が残るらしい。
このあたりの真相はいくら調べてもよく理解できないが、イランという国が北朝鮮のような「野望」を持つことに何の不思議もない。
そもそも「核兵器」について第二次世界大戦の戦勝国、即ち「米・英・仏・露・中」だけ国際的に公然と持てる理由にしたってその根拠は本質的に極めて薄弱である上に、貧しい国のインド、パキスタン、さらにはイスラエルのように多くの敵国に囲まれて強引に建国されている国家が非公式に持っていることが世界的に知られている一方で、勿論、敗戦国である「日・独・伊」がそれらの保持を許されず、東西冷戦の対立の構図が終わったと思ったら新たな敵・・・たとえば北朝鮮、中東イスラム圏の国々など・・・の出現に対して国際社会という一種の世界支配集団が勝手に自分達でつくったルールを押しつけて平然としているところに「北朝鮮」というダークホースが現れて国際舞台で「核実験」と「ミサイル」という呼称の花火をドンパチ打ち上げて見せるので、国際社会の方も瞬間的に大慌てで対応し今回の会談と共同声明発表という収穫を得ることに漕ぎつけたというワケであるから、先述したように「北朝鮮」の金サマが単独でそれを成し遂げたとすれば誠に天晴れと申し上げたい。

しかし中露の暗躍があるとすればこれら一連の流れ、顛末はどのように解釈すればよいか大いに戸惑っている。
これは個人的な解釈なのであると断って書いてしまうが、会談場所「シンガポール」に大きな意味があるのではないだろうかと考えている。

中国が公に推し進めている「一帯一路」計画の要衝とも言えるアジアの一角の清潔で秩序立った近代国家で行われ・・・この国は言わば華僑(中国人)の国家である・・・ことに重要な意味を感じる。
「一帯一路」の「一路」はご存知のとおり海上ルートである。
その中心的国家都市がシンガポールだ。

中国の存在感をあらためて世界中に知らしめた「事件」なのではないかと筆者は考えている。世界でも有数なレガシィ航空会社として知られる「シンガポール航空」ではなく中国の航空会社「チャイナエア」で北朝鮮から恭しく護送されてきた「三代目御曹司」もこれ見よがし、大国中国の独特のパフォーマンスに利用されたように思えて仕方がない。

覇権主義を強めている中国人の思考回路というのはまさに「深慮遠謀」。
大地のように深く静かにうごめいて、アッという間に自分のモノにする・・・という新たな長期計画の一部のような気がする。
これらは囲碁か将棋のように一種の策略「謀り事」の一部なのではないかと思える。
そういう意味で件の会談が「壮大なる茶番劇」だったという感は否めない。
何と言ってもお二人(大統領、委員長)ともどう見てもコメディアンのキャラだ。
まさに急転直下。
米韓の「合同軍事演習」「ミサイル発射」「経済制裁」「非核化」。
これらの言葉と行動による巧みな駆け引きによって勝ち得たかに見える今回の「成果」も金正恩総書記の一方的大勝利、或いは中国の....。いずれにしても歴史という時間の経過を経ないと見えて来ない「真実」が潜在しているように思える。
日本人からすると「拉致問題解決」という言葉と成果を手にしなければ、また非核化に向けた具体的行動という真の「成果」を見るまでは「何も無かった」に等しい。
その上「米朝」が歩み寄ったからと言って中朝韓の「反日」が消えたワケでは全く無く、それらの敵対意識と行動が今後減弱するという保証が何も無いというのがかなり気懸かりだ。
これまでの日・米・朝・中・韓・露の絶妙なパワーバランスの上に日本が辛うじて極東アジアにおけるそのプレゼンスを保ってきたのだということも忘れてはイケナイ。

NHKBSで「映像の20世紀」という番組で件の三代目の祖父金日正が映っていたが、まぁ面差しがソックリであった。ロシアのプーチンさんと同じくスターリン主義者だそうな。あんまり似て欲しくないあるね。いまさら独裁者礼賛でもあるまいに。

ありがとうございました
M田朋玖



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