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■ 中傷 | 2018. 3.12 |
これをする人間の殆んど全て悪人である。 尊敬する弁護士の先生の言でもあるが筆者も深く首肯する説だ。 15世紀に起こったイギリスとフランスの長期的かつ間歇的な戦争状態を「100年戦争」と呼称するが、この時に一番儲けて得をしたのは両国にお金を貸したロスチャイルド(フランス読みでロートシールト)一族である。 戦争の発端とか経緯とかイキサツはこの際どうでも良い。 要するに他者同士の争いはお金になる、利益になるということをお伝えしたいのである。 AとBが対立しCが両方に「私が助けてあげますヨ」という場合、Cが得をしてAとBは両方損をするということだ。 松岡圭祐の「黄砂の籠城」を読むと、或る米国の大使があちこちで他国や他者の悪口を吹聴する話が出てくる。 それを黙って聴いていた立派な人物の一人が会合の時にその大使を名指しで公然と非難する場面がある。 これは「中傷する人間が不徳で低劣である」ということを知っている人物ならではの言動である。 ことに件の小説は義和団事件」という謂わば国際問題である。平和や世界秩序を愛する人間であればこの法則は良く知っておいた方が良い。 悪人共、とりわけ詐欺師的人間にとって他人同士の争いほどおいしい御馳走はない。 もっと平たく言うと「人の悪口を言う人間を信用してはイケナイ」ということである。 それもこっそり耳打ちするような人間にロクな人間はいない。 何らかの悪企みがある筈である。 個人や企業の関係でも国家間の問題でも同様だ。 世界中あちこちで起こっている対立、紛争、戦争状態はそこに何らかの大きな利益を得ている企業、人間がいるのだ。 即ちそれを煽る人々はメディアや国家を含め背景に深い利益獲得への意図があると思われる。 筆者の推測では15世紀以降に起こった戦争・紛争・対立は悪意の第3者、利益追求者による巧妙に仕組まれた茶番劇であると考えている。 数十万人から数千万人の犠牲者を出した小さな紛争から世界的大戦争でも背景にイデオロギーの対立、経済的利益対立等何でも良いのだ。 とにかく裏で儲ける人々がいる。 そのような視座で歴史を眺望してみると興味深い。 「誰が得をするか」を考えてみるのだ。 昔はそれがまず金貸しであった。 今は武器兵器の製造会社とその関連企業の全て、金融業者、為替とか株とかの商品取引とか少し複雑化しているが、簡単に言うとそれら第3者の会社の全てだ。 他者同士の争いを「見ている」人々で、当事国の為政者も含まれる。 国家や国民を戦わせて利益を得るのだ。 今のグローバル企業は国家や国連など国際機関ですら喰い物にする。 ・・・というか彼らの利益を守る為にそれらの世界中の人々に「公的」と思わせている組織を利用する。 10億人の信者を有するカトリックの総本山であるローマ法王の在するバチカンですらそれらと同じ体質を持つらしい。 他の宗教組織に至っては言わずもがなの体である。 この極めて単純な構図はあらゆる個人、企業、組織、国家に応用できるので一度あらためて遠景で眺めてみることをお勧めする。 未来予測、将来予測にも役立つ筈だ。 それらを民衆大衆から隠す、騙すテクニックとして「利益の相反」とか「複雑な構図」を用意するので素朴にしているとみんな見事に騙される。 この「複雑化」という手法は保険の契約とか、もっと身近では携帯電話の契約、料金体系などで使われる。 他者との差異を一般の人にわからないように上手に複雑化して俄かには分かり辛くしてあるのだ。 人々は思考停止をして簡単に自分の大切なハンコを押してしまうのだ。 銀行とかの借り入れ、リース契約、保険や電話の契約の約定とか約款をキチンと読んで理解する人が何人いるであろうか。 「とやかく」とか「つべこべ」とか言わせなくなっているのだ。 何とも「オソロシク」「イジマシイ」話ではないか。 それら個人のレベルより前記した国家間のソレは多くの一般民衆にとって国を覆うばかりの悲劇を生む。 いずれにしても誰かと誰か、組織と組織、国と国とを争わせ、そこから利益を得る為にどちらにも上手に悪口を言って操るというのは大変不徳なことであるのだ。 北野武の映画「アウトレイジ・ビヨンド」でもその中傷役を俳優・小日向文世が悪徳刑事として演じていたが、主演の武にピストルで撃ちぬかれるのがラストシーンであった。 組織と言っても暴力団であるからその罪は軽いということはない。 お陰で多くの人が死ぬのであるから・・・。 現世の世界情勢を見まわしても中国、ロシア、北朝鮮は日本、米国、韓国、オーストラリアなどの環太平洋の同盟国の対立が益々露骨になっている。 アフリカ大陸の紛争地帯は数知れず、ところかまわず絶えず頻発している。 中南米の麻薬戦争。 ヨーロッパのEU諸国とロシアの対立、イスラム教国同士の対立もある。 もともとイデオロギー、主義主張、宗教などは人々が対立する為に人間が生み出した平和を乱す「種」なのではないか。 争う為の口実には利害の対立より悪質だ。 それは排他的で説得不能で動かしようのない大義名分となってしまうからだ。 対立が利と害ならそれを取り除いたり与えたりすれば良い。 個人の場合なら単なるお金の問題だったりする。 即ち解決の可能性が高いということだ。 前者は、より強固な思い込みであるし「妥協」を許す余地がないように思える。 これらの紛争や戦争が単なる中傷で生じたとは思えないが少なくとも当事者同士の「直接対話」によって解決できる場合がありはしないか。 原則的に中傷者CはAとBの直接の接触を非常に嫌う。 自らの文言(中傷)の虚実を暴かれる可能性があるからだ。 またCはAとBの会話、対話に帯同したり介在したりするのを好む。 これらの特徴、即ち直接対話の邪魔もしくは明らかな介在、仲介を謀る人間、企業、国家は悪意の中傷者、つまり争乱を生じさせ、そこから利益を得ようと企む悪人・悪者である。 アカデミー賞映画「ゴッドファーザー」でも仲介者は裏切り者で、それは2度も起こり跡継ぎ息子にその事を何度も念を押すところが印象的だった。 ありがとうございました M田朋玖 |