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■ 経営者 | 2017. 6.29 |
筆者は医者としての仕事をしながら従業員100人以上の中小の企業の経営者として存している。 けれどもその経営者の仕事をしているとは言えない。 あらためて述べるまでもなく医療介護の事業は殆んど紛れもなく労働集約型の産業で、営業経費に占める人件費の割合が高い。 医療に限れば40%〜50%におさめられれば御の字と言えるらしいが、介護についてはもうチョット比率が上昇するのではないかと見ている。 逆かも知れない。 医師などの専門職はその需給バランスからしてどうしても賃金が高くなってしまうからである。 モチロン医療機関なので設備投資(資本)も必要だし、或る程度の資本投下はやむを得ないが、昔のようには利益が上がらなくなって設備投資(借金)と人件費に圧迫されてアップアップと言った現状である。 これに仕入れ代(薬剤その他)がかかっているので大雑把に言って利益率が低いビジネスではないが少なくとも儲かって仕方がないというレベルではない。 トントンか少し利益が出れば良いという程度だ。 これではイケナイのであるが増収増益を実現して経費における人件費を充当しなければならないのが経営者としての第一の仕事だ。 売っているのがサービス(医療介護)なので商品価値を高めてお客さんに買ってもらう為には何よりもサービスの質を向上させなければならず、その為の経営者の重大な仕事として社員教育というものがあるが、これは経営者自身が労働者(医者)でもあるのでナカナカ思うように時間が取れない。 何とかかんとかやれているのは任せている幹部の社員さん達が会社の理念や社長(筆者)の考え方をよく理解して実践実行してくれているからで、いつも拝みたくなるほど有難く思っているが実際に報酬やら手当、待遇などで報いていけてないのが情けなくて仕方がない。 経営の仕事を誰かに替わって欲しいと思う時もあるが、以前・・・と言ってもつい最近のことであるが或る他人に依頼して任せたら乗っ取られかけたり潰されかけたりしてやっぱり自分自身かせいぜい親族に頼らざるを得なくなっている状況である。 経営者、トップは孤独であるというが確かに誰かに頼ったり相談したりするのはできるだけ控えて自分で調べ考えて決断するということが大切であることをひしひしと切実に身をもって学んだ。 それでまた経営の勉強をしみじみと始めているワケであるけれども、これがナカナカ難物である。 医者の仕事をしながら・・・言わば「ながら経営」ができるほど甘くはない・・・ので毎期、増収増益という実績を残せているワケではない。 せいぜい横這いである。 医療介護業界を取り巻く環境も年々厳しくなっているように感じるが、それは政府の医療費抑制政策とか人口減少とか少子高齢化とか地方経済の衰退とかあらゆる産業における経営者の経営環境は厳しくなっていると思える。もちろん一部超優良企業、大企業の何社かは論外であるけれど、それらの企業ですら常に、何かしらのリスクにさらされているというのは周知のことだ。絶対安泰の企業などは存在しない。 追い風としては銀行の利子の低さくらいであろうか。 銀行さんも大変であろうがここは甘えるしかない。 相見互いである。 筆者の捉え方は何でも単純化して把握しようとする傾向があって、経営についての認識も結構単純である。 ➀収入の増加を計り支出の削減を計る。これは家計でも同じである。 A良い製品(サービス)を社会に提供する。その為にはサービスを提供する人、即ち職員個人々々の資質・技術の向上を図る。 B職員に給与を払う。 経営者と従業員、取引業者を巻き込んで上記3つを毎日毎月維持継続。 できれば向上発展をさせること。 これに尽きると思える。 この単純なことが細かいことを考えると結構複雑で難しい。 幹部社員を含め職員一人一人のことに心を配ることはできないが、毎日思いを致さないことはない。 それに筆者の場合、医者であるので患者さんのことも常に頭にある。 モチロン社会人の長男や長女、二人の大学生の息子、のことも気になる。 考えれば考えるほど頭がパンパンになる。 それでストレス解消をはかるべく色々試してみるがあまりうまくいかない。 読書、映画、ドライブ、オートバイと色々あるがあまり危険な趣味は立場上避けたい。 最近マインドフルネスという瞑想とか座禅に近似した作業を試しているが、昔ほどうまくいかない。 雑念がはなはだしく集中力が落ちた。 何しろ医者としても経営者としても自己管理、健康管理ほど重要なものはない。 良い気分、安定した精神、愛情深さ、根気強さ、忍耐強さ、思考力、創造力、想像力、分析力、予知能力、読心力・・・色々な資質を試される。 何かの本にストレス解消には睡眠が一番と書いてあった。 これは試してみると結構よい実感がある。 ストレスの蓄積の度合いに応じて睡眠の量も加減している。 最近は10時間以上眠る。 減量が成功し一日一食になってさらに眠りやすくなった。 毎日爽やかな気分・・・とまではいかないが、概ね冷静沈着でいられる。 それと野菜食だ。 睡眠と野菜食と読書・・・これが最も気分を落ち着かせるようだ。 話は変わるが経営上最も気になる要素、所謂カントリーリスク。 少々大袈裟な表現であるが行政の動きとか、制度の変更というリスクも頭が痛い。 これは事務職のトップ、即ち事務長が結構デキル男でこの分析に長けている。 この事務長の分析を基に大まかな経営方針を立てるワケであるけれども、業種柄、我が企業も、政府の出先機関という側面が大きすぎる感が否めない。 これは経営者として下請け企業みたいでオモシロクナイ。 より独創力を発揮できる業種業態を選びたいと思うこともあるが度胸もないしリスクも大きいので今は時代の流れに乗って流されている・・・といったような、経営者としては結構不甲斐ない状況にある。 即ち現状維持に甘んじている・・・。 チョット情けないあるネ。 毎日毎日努力をしているのに・・・。これってハッキリ言って愚痴ですなぁ・・・。とほほ・・・。 ありがとうございました M田朋玖 |