コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 三代目2017. 6.13

山口組三代目と言えば田岡一雄。
広域暴力団を一気に興隆させ、押しも押されもせぬ大親分、裏社会の実力者として活躍した。
その出自、経歴は不詳であるが時代が時代なので相当苦労もし、鍛えられもし、波乱も多かったであろうことが想像される。

徳川家三代目、家光もその将軍誕生には世継ぎ問題もあり、結構複雑な背景があったようである。

ところでお隣の国、北朝鮮の三代目・金正恩お坊ちゃまのヤンチャぶりが国際問題となっているようだ。
実の兄貴や側近の叔父さんまで殺してしまって、我が儘もここに極まれりといった風であるが、普通にしていて一般的に三代目で家は潰れてしまうらしいのでこれが常態かも知れない。
何しろ世襲制の代表でもあり独裁国家の象徴みたいな国であるので、かの国の将来には厚い暗雲が垂れ込めているように見える。

暗君の典型らしいこの三代目は見た目も表情も態度も髪型も世間知らずのお坊ちゃまそのもので、どこにも帝王らしい風格がない。
そもそも帝王学みたいなものを少しも学んでいないフシがある。

我が国、日本国の皇室は「貞観政要」という書物を中心に教科書を使って帝王学を学ぶという伝統があるようで、それぞれの皇族の方々が恭しい厳かなたたずまいと風韻をたたえられており、国民としては何をおいても大安心できるのは有難いことである。

何故これほどまでに差があるのであろうか。
2600年の歴史を持つ皇室と、ほんの70年そこそこの建国史しか持たない国とではまっとうにくらぶべくもないが、民族の歴史という点では朝鮮も日本もその長さ、文化の面で殆ど何の遜色もない筈なので、いかにその国のトップ、為政者、国家元首というもののパーソナリティーというものが国家にとって、大切であるかあらためて得心させられる。

世間一般を見まわしても一大国家ならずともその規模の大小を問わず大企業、中小零細企業、家族経営、一般家庭、スポーツチーム、○○会などすべからくリーダーの存在とその影響力についてはこれまで軽視されつづけて来たきらいがあるように思える。
大して考えもせず、特に思慮深くなく、選挙で一国の元首を選ぶワケであるが、選べない国々にいたっては尚更に、国民の暮らしやその周辺国の迷惑たるや常識では度し難いモノがあるようである。

チョット考えられないような暴挙暴言が頻発、常態化しているようで人間は、年を経ても歴史から学ぶということをしないようである。国民のことを顧慮しない独裁者の末路というものが歴史的に見ていかに悲惨であるかについて思いを致さないのであろうか。

ローマ帝国が隆盛を誇った頃、それぞれの皇帝は正しく厳しく教育され、殊に哲学とか深い思索とか瞑想とか質素な生活とか武を重んじる心とかとにかくみっちりと帝王学について仕込まれたのである。皇帝カリギュラ、ネロの時代になってそれらの伝統を打ち砕くような人格が現出したようであるが、定石通り一気に国は衰退し滅亡してしまった。

リビアのカダフィ大佐、イラクのフセイン大統領、イランのパーレビ国王、ルーマニアのチャウシェスク大統領、ムッソリーニ、ヒトラーと数え上げたらキリがない・・・独裁者と呼ばれる人々の惨めで残酷な最期・・・。

さて三代目と言えば我が一家では先祖供養、信心のお陰か後継ぎが出来、現在大学に通っている。
どうやってリーダーとしての考え方、知識、情報、出来れば智恵を授けたいと思うのであるけれどもこれはチョット難しいらしい。
言うは易く実行の難しい類の問題であるそうな。

このような問題は言ったから伝わるというものではなく、話がストレートに入るということはあまりないと心得るべきである。
誰か尊敬できる他人の話や書物、智恵の方が余程伝わりやすい。
そもそも知恵というものは伝えられないものであるらしい。
大学で少しは教えてくれれば良いのだけれども、良い先生とか良い先輩に恵まれて現在水泳部のキャプテンをしているらしいが、それらの活動を通じて最低レベルでもリーダーとしての何らかの素養を勝ち得て欲しいと心から願うのである。

とにかく「人に対する優しさ」という点では我が子供ら全員に共通した資質であるようで有難い限りであるが、それに見合った知識、心や肉体の強さを養ってもらえれば幸いであるなあ・・・と図らずも親バカ丸出しで自分勝手に願っている次第である。
少なくともどこかの国の三代目のような人物にだけはなって欲しくないなあと考えている。
そうでなければ傍迷惑もいいところであろう。

ありがとうございました
M田朋玖



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