[戻る] |
■ トランプ | 2017. 1.14 |
奇妙な名前だ。 カードゲームを想起させる。 今や世界中でこの人物を抜きにして政治経済・軍事を語ることはできないでいる。 いかに米国大統領の権力や影響力が大きかろうとも就任前からこれ程話題になるとは近年あまりなかったように思える。 日本の政治も同じであるが、かつてのように「誰がなっても一緒」みたいな風潮とは真逆のトレンドになりつつあるようである。 一国の元首、宰相によって国が興隆もし、衰退もするというのは大昔からの倣いであり、言わば原則である筈なのにここ数年はそのことが忘れられたように一国の長たるリーダーはその存在感を喪失し、それに甘んじていた時代があったけれども今は一個人、それも国家の中枢にいてトップの座にある人物の思惑とか考え、意図、気分というものが重要視され世界的規模で戦々恐々とし、右往左往して騒いでいるという状態は結論的に人々にとって良いかどうか不明である。 東洋思想の道教的にはあまり良くない事態ではないかと思える。 最高の帝王というのはその存在が恭しくて基本的に無為であり自然でありいてもいなくても、もっと言えば国民が政治のことを考えなくても平穏に、無事に、心やすらかに生活しているのを最上とするという考え方からすると現在の世界の政治の流れというものはあまり好もしいものではないと言える・・・かも知れない。 ちなみに今現在、国家の指導者の年令をズラッと並べてみると少し興味深い。 我が日本国の安倍晋三氏とロシアの現大統領のウラジミール・プーチン氏、トルコの大統領のエルドゥアン氏、ドイツ首相のメルケル氏は一白水星、1954年生まれ63歳である。 またフィリピンのドゥテルテ氏大統領も1945年生まれ72歳「一白水星」である。 ウクライナの元大統領に瞬間的になった毒を盛られて顔の皮膚をやられたヴィクトル・ユシチェンコも1954年生まれである。 「一白水星」は国を滅ぼすという故事があるが、先の大戦で主導的立場にあった東条英機総理大臣も山本五十六連合艦隊司令長官も、あの田中角栄も中曽根康弘も同じく一白水星である。 ・・・とすると日本もロシアもドイツもフィリピンもトルコも・・・みんな危ない橋を渡っていると言えるかも知れない。 確かに危なっかしい印象がある。 いずれの人物もシャープで切れ味の良い頭脳をお持ちであるが、やや独裁的で狭量でナショナリストでポピュリストでエゴイスティック。 ついでに日和見的で倫理的、一方で猜疑心に溢れ行動が策謀的に見える。 これらの人々の危険の香りというのは自分のやり方、考え方が「正しい」という強い思い込みによって生じているように感じられる。 その点トランプ氏には前記した人々の陰湿さがない。 やや短気・短絡的ながらアッケラカンとして真直ぐで正直である。 ジメジメとした駆け引きが感じられない。 何事にもストレートであるように見える。 マスコミも含め一般の人々の方がはるかに隠し事、秘密事、「言わない」事が多く陰湿に思える。 「もっとハッキリ言えば良いじゃん」なんて思うことが多い。 またそれらの隠された意図というものがさらに「言いたくても言えない」社会を形成しているように見える。 このように考えてくると「トランプ氏」の方が善で、一般社会とか多くの国民の方がはるかに「不善」に見える・・・と感じるのは筆者だけであろうか。 トランプ氏の思惑や意図というのは良く見えやすいし分かりやすいということだ。 マスコミの方が嘘まやかしに慣れ切っているので逆にトランプ氏の言動・行動に翻弄されているのではないかという風に思える。いずれにしても殆ど情報がマスコミを通じてしか、一般国民には知りえないので、思考の方向がマスコミ寄りになりやすい・・・のでトランプ氏はツイッターという手段で自ら情報発信をなさっておられるようだ。聞くところによると、アメリカ人の多くはマスコミを信じていないらしい。 先日の記者会見でも取材陣との激しいバトルがあったけれども、これに関しては、日本のマスコミは一様にアメリカのマスコミを擁護していたが、個人的には全く釈然としない。マスコミとトランプ氏を公平に見ていないという意味で。どうしてもメディアの人々はどこかしら独善的に見える。 トランプ大統領誕生からの数カ月の彼らの攻防が楽しみである。 怖い意味でも良い意味でも何かと「期待」させてくれる人物ではある。 追記 個人的には安部首相の考えには強い共感を抱くし、先述した一白水星の人々も好みである。その存在にも好意好感を持っている。件のトランプ氏を好きということはない。どちらかというとオバマさんのほうがカッコいいし、好きである。ただしことは政治であるし国際情勢である。自分の好き好みを交えないで語るべきであろう・・・と考えている。 ちなみにトランプ次期米国大統領は1946年生まれの九紫火星である。 ありがとうございました M田朋玖 |