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■ 構造改革 | 2020. 1.10 |
言葉とはオソロシイものだ。 昔、小泉政権の時に流行した言葉に「構造改革」というのがあった。 「自民党をぶっ潰す」とかワンフレーズのテレビ映りの良い言葉で国民のポピュリズムを煽った。 よく考えてみると意味不明だ。 自ら所属する政党である自民党を潰すとは何事かと思えるが、後で考えると単なるパフォーマンスだったことが分かる。 つまり中身が無い。 またさらにつづけて「改革なくして成長なし」とまで言い切った。 これに多くの国民は騙された。 「そうか、(構造)改革しないと(経済)成長しないんだあ」なんて・・・。 哀れだ。 しかしそういう素朴な国民性を全ての庶民大衆は特質として持っているものだ。 政治システムの構造の改革なんて乱暴なことは実際できない。 そもそも構造と言った場合、宇宙とか人体とか世界の政治経済のシステムを変革することは前者は完璧不可能、後者はするのに大変な労力を要する・・・というか普通には「出来ない」。 フランス革命、ロシア革命、明治維新というレベルまで達しないと言葉の意味だけとして「構造改革」なんて起こらない。 また民衆も求めない。 小泉さんやそのともがらの竹中氏の言う構造改革とは公営を民営にする。 それは「郵政民営化」に限定したもので、結果的に我々一般国民がそれによって得たものはいったい何があったのか。 いまだに判然としない。 当時は「大胆な規制緩和」をするといきまいていたが、国家の行う規制そのものは逆に細かくて陰湿な類が増えている。 即ち単なる「嫌がらせ」に思える類。 困ったものだ。 一部か全部かはともかく公営でなければならない業種・業態は世の中には無限数ある。 医療、教育(学校)、安全保障(警察・国防)、消防、水道、ガス、鉄道・・・。 一方、今やGDP世界第2位の中国など国有の会社が民間面して世界中を跋扈しているらしい。 民営と国営と言ったら日本人のイメージとしては国営の方が強くて大きい。 国家と国民の後押しする企業なんて考えるまでもないだろう。 圧倒的に。 JR(鉄道)、NTT(電話)、JP(郵便)、JT(タバコ)、今のところ「医療」はほぼ国営と言って良い。 半官半民か。 いずれにしてもお上から強く縛られている業種だ。 医師免許そのものが国家の与える業務許可証だ。 その制度として運転免許証に似ている。 これらの構造の改革には国民の血を流さねばなるまいが世界一と呼ばれるコストパフォーマンスを誇る我が国の医療制度。 よもや民営にしてはなら二と日本医師会と関連団体が頑張っておられるが、この先がどうなるか分からない。 この制度については諸論、諸説あるが、先進国中最悪とされる米国の医療制度(すべて民間保険)がひとつの反面教師となって日本の医療制度を守っているかのように見える。 表題は単に民営化と訳せるし、種々の業種について制度改革とめおきだというのが保守的筆者の本音である。 人体や宇宙の構造、大自然の構造など神の創造の賜物は決して変革できない。 人間の構築した社会の構造も数千年の歴史を経て構築されたモノで、そうそう簡単に変えられるシステムではない。 制度的に大きく独裁主義、共産主義、民主主義、王制、共和制など政治体制の構造についてはそれぞれに洗練されたもので「長短」の特徴を持っている。 このような意味で小泉さんの言質がいかに浅薄であったかを今さらによく知ることができる。 現時点で表題の言葉をあらためて口にする人はいない。 ありがとございました M田朋玖 |