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■ 先生 | 2019.10.16 |
先生と呼ばれる職業はストレスが相当にかかるのであろうか。 10月13日(日)は体育の日の2連休の中日。 8:30集合。 集団ツーリング。 初参加の耳鼻科のドクターは身長195cm、推定体重120kgの巨漢。 常連の薬剤師先生の180cm、100kgが小柄に見える。 合計13台のバイク集団も速いグループと遅いグループに自然に分かれる。 驚いたことに新参のドクターが速いグループでホンダの1000ccオフロード車。 アフリカツインという名称の巨大なバイクを原付バイクのように軽々と操り速いグループでかっ飛んで行く。 前を行く集団5台。 考えてみると「先生」ばかり。 その呼称どおりに先を行く(生く) 勿論カリスマライダーでボス的存在のスズキGSXRのスキンヘッドは別格としても薬剤師、歯科、耳鼻科、内科(筆者)、この順番で速い。 いずれも「先生」だ。 日頃の鬱憤を晴らすかのように鬼のように飛ばす。 ブラインドコーナーの多い深山のくねくね道をモノともせず、どちらかというと大振りのオートバイを自在に操作して実に滑らかに走り抜けて行く。 ついていくのがやっとだ。 不規則なブレーキングで筆者のバイクの車体が何度も不安定に「ぶれる」「揺れる」「モタツク」」 いくら頑張っても追いつかない。 800ccホンダVFRのパワー不足ではない。 運転の技術・技量の問題だ。 それにしてもこの狂走ぶりはいかなる因かと自問した時に「仕事のストレス」と考えた。 自然だ。 ストレスの程度については内科が最も低いらしい。 筆者の場合、精神科・心療内科を診ているが他の先生方よりストレスの程度が弱い・・・と思える。 実際にストレス度調査でも内科は最低レベル。 ついでにバイクの腕も。 教師・・・学校の先生。 代議士、有名作家、作曲家、芸能人も弁護士も「先生」だ。 世間的には純粋に医者と教師だけとなっているらしい「先生」の尊称。 「先に生まれた」という意味なら高齢者や先輩となるが、屁理屈はともかく「先生と呼ばれるほどのバカじゃなし」という言葉もあるくらいで「先生=バカ」との法則は肚の中に持っていた方が良いかも知れない。 戦前戦後は周囲から無用不要に崇める一方で、心の底で「バカじゃないの?!」と見下され蔑まれる一面もあると見ている。 この両極性がストレスの一因ではないかとも思える。 先生は「教え導く人」ではなくカタカナの「センセー」で案外に軽々とした類に違いない。 まるで発狂したようにバイクをかっ飛ばす先生方を拝見するにつけそんなことを考えてしまう。 ストレスは万病の元と考えられている。 それらの解消行動は「人生に必須」のようで、それらのひとつにオートバイがあるのだ。 スポーツ、カラオケ、釣りやゴルフなど数多の趣味もそれらの一種かも知れない。 その効能についてはいくらか強弱があり、弱いと主として「怒り」の感情を身体にため込んでしまい軽い胃腸症状から不眠、即ち種々の軽重数多の身体不調を生み出し、放っておくとロクなことがない。 特に思いのほか強烈なストレスにさらされる「先生」という仕事に就いている人々は明瞭明確に意識してストレス解消行動を行うべきであり、決して「仕事一辺倒」になってはいけない。 世間の目やマスコミがいかように「先生」について悪評を論じようとくじけずたじろがずひるまずそれらの解消行動に励むべきであると常々考えている。 初めて「先生」と人に呼ばれた時には舞い上がるほど嬉しかったけれど、研修医時代のハードワーク時あまりの忙しさに「先生」と呼び止められると動悸がするくらいに抵抗が生じてそれ「喜び」はいっぺんに吹き飛んでしまった。 今でも「先生」と呼ばれると複雑で良悪こもごも心持ちになる。 ただし先生の職業の人に気楽に「さん」づけで呼ぶのは差し控えたい。 その「先生」の呼称がその人物すべてのアイデンティティーを形成している可能性があるからだ。 人間がこなれてくるとそんなことはどうでも良くなるが従業員の人々とか取り巻き業者とかは用心深く名前つきの「先生呼称」で通しておられるようだ。 下手にプライドを傷つけたら自分のビジネス・仕事に響く。 その点「先生」の尊称は便利で有難い。 昔は誰でも彼でも「先生」と「社長」と連発する軽薄者もいて耳障りであったが、彼の人の処世術なのであるから何かしら進言したりもしなかった。 人の呼称は意外に難しいモノである。 偉い人に先生と呼ぶのは「簡単で良い」と個人的には考えている。 親しい女性には「キミ」 ちょっと遠くなると「アナタ」 名前の呼称の呼び捨てか「さんづけ」かも大いに迷うところだ。 ごくごく親しい女性には「アナタ」と呼ばれると嬉しい。 結構ロマンチックな気分に浸れる。 「先生」と「アナタ」は名前にさんづけより親しみを感じる。 「さんづけ」って意外にヨソヨソしい。 ありがとうございました M田朋王久 |