コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 「アルキメデスの大戦」2019. 8. 3

7月28日(日)は仲間のバイク4台とツーリング。
午前8時出発。
梅雨も明け真夏の炎天下。午前中の田舎道は心地良い。緑山を抜ける起伏にとんだ曲線はアップダウンでも結構楽しませてくれる。
久々のハイオクタンガソリンのお陰か、ホンダCBR650Rはエンジンが気持ち良く吹きあがり、210kgの車体を楽々と推進させる。
リッターバイクには性能で劣るものの今の自分には、操りやすさにおいてベストチョイスと思える。

「重過ぎない」「早過ぎない」「大き過ぎない」
それらのデカバイクの特徴は夏の猛暑ツーリングの殆んを苦行に変えて来た・・・という記憶がある。
コンパクトなサイズとパワーがバランス良く性能して、アクセルを「思い切り」開けて乗れる楽しいバイク。
それが我がホンダCBR650Rだ。

目的地は鹿児島農業公園。ひまわり畑が夏の白光の下、澄み切った青空と入道雲を背景に絵画的な美しさを人々に展覧していた。
若いカップルもチラホラと見られ、此の地は公園としての高い魅力を備えているようだ。夏の日曜日。「海」よりも人出があるように思えた。
適当に散策をして駄弁に興じ、昼食を求めて隣市のいちき串木野市、港の物産館に向かった。

ギラついた太陽が殆ど天頂にあって地表を焼き、ヘルメットの中もウェアの中も、汗と脂でじっとりと熱く湿らせ不快そのもの。
その物産館の脇に、青々とした芝生の涼やかな木陰があった。
港や海に向かって開いた広い緑陰に、カップルが弁当を広げている。

少し離れた芝生の上にライダーウェアのまま疲れて熱せられた肉体を横たえた。
蝉の声や人々のざわめきが遠くに聞こえる。
夏の青空が目を鋭く射て思わず瞑目。束の間の癒やしを心ゆくまで味わった。

昼食後はいつものように直線的な帰路・・・即ち高速道路に入るべく仲間たちに別れを告げた。
途中ガソリン給油。南九州自動車道、九州道を北上し午後3時30分には我が家に帰着した。

シャワーを浴び着替えて、クルマで熊本市内の大手ショッピングモールのシネコンに向け出発。

「アルキメデスの大戦」
主人公は菅田将暉。CG映画の巨匠、山崎貴監督の作品。

題材は太平洋戦争終戦間際に悲劇的な最期を遂げた「戦艦大和」。
その建造秘話をドラマティックに描いている。多分フィクションと想像するが「ナルホド」とうならせる内容。
単なる戦争映画ではなく一種の歴史サスペンスと言える。
史実を「仮説的」に捉え物語化、映像化した作品。個人的にはかなりオモシロカッタ。

日本の誇る戦艦大和。
それは極めて美しい造形美を備え典雅で気品溢れる船。当時としては最新鋭の戦艦であったと同時に空母や航空機にその戦闘能力において遠く及ばない「旧式の兵器」になる時代直前の、建造裏話を巧みに描いてある。

主人公に旧帝大(東大)生の天才数学者を配置し歴史的に非戦派とされていた海軍の内幕、内部事情を多少意地悪に分析している。
好戦的だったとされる陸軍の暴走があったとは言え、実際に日米海戦の火蓋を切ったのは「軍神」山本五十六率いる帝国海軍連合艦隊だったのだ。

戦争末期、戦艦大和は航空機や人間魚雷など単座の特攻兵器と同列の「特攻艦」として使用された。その美しい巨艦をして古城のような麗々しさと豪華さを備えた「日本人の魂」の象徴として日本国民の身代わりに「沈められた」のだ・・・と語る。
日本国のすみやかな降伏、敗戦を認めさせる為に。
それ以前に零戦の戦闘能力の凋落があり、特攻があり、沖縄戦があり「大和の沈没」があった・・・とこの作品は語っているようだ。
それを見越して大和は建造されたと。

戦前の日本人の世界における「愚行」の数々を日露戦争の戦勝にその因を求めている人々がいるが、製作者はそうは考えない。

日本の諺に「負けるが勝ち」というのがある。
初めから「負け戦」と考えていた人も多かったのだろうか。
負ける為に戦争を始めたとは言えないか。
太平洋戦争における日本軍の動きはそのように受けとれる類が多い。
真珠湾の後の二次攻撃の無さ。
ミッドウェー海戦の失態。
拡げ過ぎた戦線。

数え上げたらキリがない。
日米開戦も敗戦とその後の朝鮮戦争もベトナム戦争も単純な「出来レース」で戦争受益者達の犯罪的な謀略なのではないかという妄想が今でも払拭されないでいる。

・・・とは言え、今の日本国の「平和主義」もオソロシイ。
イギリスに覇権を奪われたオランダ(国防への意識が低かった)、平和を喧伝しローマ軍に敗北したカルタゴ軍、ヒトラーの台頭にも融和政策を堅持しようとしてドイツ抑え込みのタイミングを逸したイギリスのチェンバレン首相。
中国の宗王朝は「文治主義」を掲げ周辺国との交渉をお金で解決しようとして滅ぼされた。
いつの時代も平和と反戦のシュプレヒコールは時として平和を破壊する。

そろそろ日本国もいくらか弱体化した米国の核の傘の下で、のんびりと安住することなく新たに台頭してきた中国、ロシアという二頭の覇権国家と対峙するべく、真剣に国防を考えなければならない時期に来たのかも知れない。

奇しくも「空母いぶき」「アルキメデスの大戦」。いずれも空母建造への国家的な布石なのか。
日本人を洗脳する為の。

それにしても思うのはゼロ戦や戦艦大和の造形の見事さだ。
日本人の美的センスはこと戦争の道具については優れているのかも知れない。
それも「海軍」に限るというのが面白い。
海軍はいつもカッコいい。

ありがとうございました
M田朋王久



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