コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

[戻る]
■ 霧雨2019. 6.19

(シーン1)
とても気の利くチョット綺麗目系の製薬メーカーの営業の女性に熊本方面にクルマで帰られるとのことだったので小雨模様の高速道路の状況を報告してくれるようにお願いしたら快諾をいただいた。
その報告メールを参考にソロリソロリとバイクウェアにそそくさと着替えてCBR650Rで人吉を出発した。
午後6時30分。

件の彼女の情報どおり人吉−八代間の高速道路は小雨。
時おりの横風、突風。
どうも道路コンディションがイマイチのようであった。
それでも流石にまだ明るい初夏の夕暮れ。
その上、路面はまだドライで走りに殆んど影響なし。
ところが実際は八代以北の御船インターまでは小雨。
国道に降りても小さな霧のような雨粒が間断なく降っていてヘルメットの風防をしっとりと湿らせている。

それらにめげず、熊本市郊外のショッピング街のイオンモール熊本に到着したのが午後8時前。
9時までの営業。
安価な小物を1つ買って午後9:10開場の映画「空母いぶき」を観にシネコンに入館した。
西島秀俊主演。
イケメンということになっている。
女性ファンが多いらしい。
終焉が11:30になるようなのでイントロだけ鑑賞して後はノベライズされた本で物語を観賞しようと帰りに本屋でソレを手に入れて帰路についた。
11:30、人吉帰着。
入浴して速攻で就寝。

最近では睡眠には拘っている。
8時間以上それを取ると日中の気分が極めて良い。
脳がサクサクとよく働き眠気やダルさもない。
往路も復路も天空に月も星もなく黒灰色の重い雲が垂れ込めてオレンジ色の反射鏡が国道を縁取っている。
雨宿りに立ち寄ったコンビニでミックスナッツを拾い上げ、レジでレギュラーサイズのホットラテを頼み、入り口横の片隅にしつらえてあるテーブルでぼんやりと暗い空を眺めながら束の間の休息を味わった。

「いつまでこんな遊びに興じていられるだろう」
ボンヤリと思う。
愛車のオートバイも霧雨でシッポリと濡れている。
いつのまにか隣にカワサキゼファー750が停められている。
自分と同じように雨の日の夜に乗る「バイクキチガイ」
一回は行き合う。
ジーンズと皮ジャンのその若者はバイクと同様に地味なイデタチで我が愛車や自分とは大違い。
ベタベタに派手々々しく貼りまくられたステッカーなど勿論一枚も車体になくてところどころ錆の浮いていていかにも古いネイキッドらしい。
その異質さがフレンドリーな会話を生じさせなくて目も合わさない。

(シーン2)
今月はバスケの練習とバイクと両方を楽しむ贅沢な夕を過ごすこともあった。
練習を終えてシャワーを浴び高速を南へ向かう。
目的地はえびのPA。
そこで自販機のカフェラテを200円で買い、テラスの椅子に陣取って愛車を眺めながらゆっくりと味わいながら飲む。

休憩中、仮眠中の大型トラックが10台くらい鼻先をそろえてディーゼルエンジンのトルクフルなアイドリング音を仲良く奏でている。
それらを後にし、えびの市と人吉市を繋ぐ長い直線のトンネルを用心しながら飛ばす。
リッターバイクではないのでモンスターの加速はかなり趣が違う。
コンパクトで馬力が半分しかないけれど今の自分にはこれで充分だ。
排気量の割に重い車重(207kg)も横風の強い日にはかなりの安定感をもたらしてくれる。
絶妙なバランスの「中庸」のオートバイ。
それがホンダCBR650Rだ。
ポジションもSSのような極端な前傾ではない。
ネイキッド並みの楽なライディングが可能だ。
ステッカーのお陰か今年3月の新発売ホヤホヤの新車が乗り慣れて古ぼけた印象を与えてくれる。
クルマもバイクもポンコツ感が好きなのである。
ついでに人間も。

「練れている」のが好み。
新品とか新車とか新しいとか好まない。
乗り手より目立ってしまったらダサい・・・というのが筆者の美意識だ。
あんないいクルマに乗っている「のに」・・・とか言われたくない。

丁度フィットしている。
昔の4気筒、400CCほどの馬力感とサイズ感で懐かしくもある。
また晴天より曇天や小雨などの悪天候も割と好きだ。
今年の6月はご機嫌に晴れてて、夕方が長く明るく絶好のバイク日和なのに意外にバイクを見かけない。
6月はやはり6月というだけでどこかしら梅雨の悪天候のイメージがあるのだろうか。
夜など走っているバイク乗りなんて奇人変人に違いない。

(シーン1)
映画監督、マイケル・マンの描く都会の地平線上にチラチラとさんざめく街の灯が夜空を縁取って、まるで生き物のように揺らめいていた。
殆んどクルマのいなくなったショッピングモールの屋上PAに停めた我が愛車CBR650Rが乗り手を待って静かにたたずんでいる。
買い物をネットにくくりつけ、ヘルメットをかぶり、グローブをつけて跨った。
霧雨の降りつづく6月の夜。
心地良い湿度と温度の青色の空気の中をまるで泳ぐように帰路についた。

午後10時15分。
帰着時間をおおよそ11時30分とあらかじめ見積もって慎重に2輪を滑らせた。
4気筒のエンジンは重々しいサウンドから高回転の金切り音までまんべんなく回せる。
これはリッターバイクでは味わえない。
リッターバイクは微妙なアクセルワークでしかその巨体を操れないのだ。
ミドルクラスにして良かった。
いつもそう感じさせる毎夜のソロのツーリングだ。

ありがとうございました
M田朋玖



濱田.comへ戻る浜田醫院(浜田医院)コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせいよくある質問