コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 不平不満2019. 6.11

人間の脳は大脳の殆んどをコミュニケーションの為に創造してあるそうだ。
前半部分は情報の発信と創造、後半部分は情報の受信(他者、環境)。
即ち視覚(後頭葉)、聴覚(側頭葉)、その他の嗅覚、触覚、味覚などの中枢は大脳の後半部に存在する。
一方、前頭葉は創造、想像、思考、高度な精神活動、情愛のコントロールなどを脳深部の海馬(短期記憶)や扁桃核(情動の中枢)などを連携して長期記憶、短期記憶の保存場所としての機能を備えてある。
詳細は成書に譲るとして大脳の働きの多くが情報の受発信に使われているようだ。
またデータベースを絶えず蓄積しているので、当然ながらA.Iロボットよりも高度な機能を持っていると言って良い。

その脳の使い方であるが結構残念な使用の仕方をしている方が多いのには驚かされる。
そのことを少し記してみたい。
脳は自分にとって有益な目標達成や喜びや楽しみを求めて活動しているとき生き生きと働く。
逆に失望、絶望、悲嘆、悪口(あくこう)、不平不満を思い、考え、口に出す時、脳の働きはまるで歯車を逆回転するように故障しやすい、傷むということをしやすい。
実際に不平不満を度々口に出したり、考えたりしている時に不調になる(うつ状態)ことを誰もが体験している。
殆んど無自覚にではあるが・・・。

これは分かっていても「止められない」という人が多いが、これも人間の脳の特徴でネガティブなことに敏感だ。
これは多分に本能的なもので生命誕生から進化発展して人間の脳を形成する過程において外敵の危険を早急に察知して、それから逃れる為に殆んど脊椎動物に、生物のすべてに備えてあるひとつの危険回避反応だ。
所謂「逃走」か「戦い」かの選択にまず「恐れ」(危険察知)を抱くように創造してあるのだ。
この恐れから発する言葉や考えがネガティブシンキング、即ち不平不満、文句、泣き言、愚痴などをその脳や口端に生み出すと考えて良い。

元々危険察知に敏感な人、即ち高い機能の脳の持ち主ほど臆病であったり、慎重であったり先述した不平不満などのネガティブ思考に走りやすいという傾向を有する。
自然にしていて優れた脳の持ち主ほどそうなのだから人間の脳というのは実に悩ましいと言える。

これらの脳の本能的活動を高度・高次な脳の部分と言われている前頭葉の「前頭連合野」という部分はこれら人間の自然的な傾向を制御し「愛」とか「勇気」とか「感謝の心」というような世間で言う立派な人格を持った偉大な人の特徴的な脳を形成することもできる。
言い換えると高尚な人間は先述した「恐れ」に基づく言動や行動を制限して勇気を持って愛の道を選択し、常に感謝の心を忘れない・・・というような精神を保持しそれらに基づいたふるまいに終始するということをするのだ。

こう考えると不平不満を述べ立てるということは周囲から見た自分の価値を下げるだけでなく自分自身をも「自己嫌悪」や「自己卑下」などの結構厄介な感情を持ってしまうようだ。
強い謝念(感謝の心)はありとあらゆる不平と不満を蹴散らして素晴らしく満ち足りた幸福へと自らの心を導くことがある。

これは誰にでも「今すぐここで」感じることができる。
まず自分の持っている素晴らしきモノを数えてみよう。
モノでも資格でも能力でも感覚でも容姿でも財産でも地位でも何でも良い。
欲求する事柄やモノがあれば自分にとって満足できないレベルであっても敢えて感謝してみると良い。
またそれらが手に入った経過とか状態、手に入れる理由についてたとえ何の根拠もなくても思いを馳せながらひとつひとつ感謝をしてみると良いだろう。
素晴らしい気分を得ることができるかも知れない。
もしならなければ、もう既に正気を失っているという可能性があるが「ネガティブに囚われている」という心の病かも知れない。

ところで話は変わるが日本のオートバイメーカー、ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキはかつて世界の4大バイクメーカーとして大きなシェアを持っていたが、今、日本国内ではハーレー・ダヴィッドソンという米国の老舗メーカーに押され、シェアを大きく奪われている。
理由はいくつかあるが、ハーレーの日本攻勢が凄いというところである。
余程商品力に自信があるのか売り込みも激しいがやり方もナカナカ堂に行っている。
どんどん試乗させるし、させ方も自由で伸び伸びしている。
また「ローンの組み方」
現在の低利での販売の上にさらに便利にして150回(12年ローン)なんて昔から考えると驚愕的な「売り方」とか販売店に対するマージン(バック)とかが国内メーカーに比べてやたらに大きく、こと「オートバイを売る」という意気込みと行動には少しく感嘆を禁じ得ない。
もしかして外圧(米国)の為にそれが生じているなら国内メーカーは内圧(日本)によって委縮販売なら大問題だ。
国内メーカーはハーレーさんからするとその販売法は相当に見劣りする。
基本、試乗はさせないし販売店のマージンも僅かで(売る気をなくさせるレベル)、色々な制約をつけて国内販売をしにくくさせているのではないかと思えるほどのテイタラクだ。
メーカーか国かどちらかの問題かは不明だが。

どうも伝聞によると国外で売れているので国内では売れなくて良いとのことであった。
そうであるならば何という傲慢、何という慢心。
国内市場、日本国民はその草創期(バイクメーカー)、これを育ててくれた恩人ではないか。
それを忘れて新しい客(外国)に尽くすなんて考えられない。
こういうケースは多々ある。
たとえば「糟糠の妻」(若い時の苦楽を共にした妻)を捨てて美しく若いお妾さんかなんかと一緒になったりして転落してしまった経営者の類例には枚挙にいとまがない。
近々ではニッサンのカルロス・ゴーン氏。

地元の親戚の焼酎メーカーの役員たち(従兄・叔父)も地元で売れなくても良い。
何故なら東京・大阪などの県外で売れているからだそうで、海外でも売ろうという意図があるらしいが結果的に業績はジリ貧で年々少しずつ売り上げが落ちている。
これらの例は忘恩の徒輩のふるまいの結果であろうと考えている。

自国、地元、本妻などはもし成功しているとすれば天下の大恩人である。
それを大切にしないというと恩に報いる(報恩)の気概がないということになって因果律的に業績悪化は必定なのである。

・・・上記のようなカラクリを知るとやはり本社・地元・創業期など出発点・出発地についてはそれを「大切にする」ということ忘れてはイケナイと思うのだ。
これも伝聞であるが落ち目になる会社は大概本社とか創業時代をわすれておろそかにするそうである。
さもありなんである。

そういえばホンダにしろ、京セラにしろ、創業時代の本社(大概バラック小屋)を大切に保持し保管しているそうである。
これらの行動は報恩をハッキリと示す行動でソフトバンクの社長・孫正義(四大恩人感謝の日)など多くの名経営者に見られるひとつの定番的行動群である。

逆に見るとこのような報恩の人、謝念の強い人でなければ経営者になってはイケナイであろうし、さらに逆の方向、即ち不平不満を社会、会社、職員、顧客、取引業者、家族などに述べる人はそのトップにいただいてはイケナイということになる。
そういえば国政にしろ、地方選にしろ、選挙で相手方の悪口を滔々と述べ立てる候補者は大概落選するということが起こる。
先の米国大統領選におけるクリントン氏の敗因はこの相手方への中傷誹謗にあって、やはり「自滅」であることが分かる。
決して自ら述べられている敗因「ガラスの天井」などではないのである。

すべからく感謝の念を常に忘れないようにしておくべきだ。
用心用心。
これを忘れて自動的に口から出る言葉はほめる、感謝する、愛するなどが正気で不平不満を述べ立てて良い事はひとつもない。
上記のような文脈からすると我が親族の焼酎メーカーや日本のオートバイメーカーなど「外」に向けて内・元をおろそかにする会社は早晩ジリ貧が起こり、業績が低迷すると予測している。
素の徴候チラチラと出現しているようだ。

以前、ビジネスパパとマイホームパパは両立しないと書いたが、それらの論と矛盾することなく本妻、一緒に苦労したパートナー、職員、親、親族を大切にしない会社、一族、家は滅び去ってしまう・・・というのが世の常であるようだ。

ありがとうございました
M田朋玖



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