コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 働き方2019. 6. 6

近年、日本国の場合にも少子高齢化の急な進展に伴い労働人口の減少・高齢化などの為に多くの業種で「人手不足」に陥っている。
その為も労働者個人への負担の増大、即ち長時間労働や過重労働が常態化しているようだ。

安倍政権の進める「働き方改革」は業種によっては個人の労働負荷を増大させており、どこか矛盾している。
そもそも政府が企業や個人の労働のやり方、仕方にまで口出しするのはどうかと思う。
仕事というのはその種類によって大変なバラツキがあるはずなのだから。
トンチンカンといっても良い。
それでも医療業界においては医師や看護師などパラメディカルスタッフの労働環境について「お上」の指導によって厳しく管理されており看護師などについてはその病床に対する人員数、夜勤明けの1日休日など若いナースにとってはゆとりがあり過ぎて副業やアルバイトで夜の店のホステスやデリヘル嬢などの人に言えない特殊なお仕事をなさっている方もこと我が県の県庁所在地・熊本市ではかなり多いらしい。
これは伝聞であるが信憑性の極めて高いニュースソースに基づいている。

「働き方改革」のエッセンスは「親方日の丸」を冠に戴いた業種にのみ、或いはそれに準じる大企業、半官半民の企業など特定の業種に限られているようだ。

一方、一般の民間企業では政府の打ち出した「働き方改革」を旗頭にした強引な「指導」によって「自由な労働の方法」が制限されて逆に個人としての労働の圧力が高まったという例も多い。
たとえば100人の労働者がいて1000の仕事をすると仮定した場合「指導」によって個人がそれまで10であった仕事を8にしろと言われたとする。
ごく単純に考えても労働生産性が全体として20%落下する。
経営者の側はあわてて20%の落下分を何とかしようとする。
でなければ会社がつぶれてしまうからだ。
通常「人を増やす」ことで解決されると行政は考えるがこれは経営上できない。
何故なら20%の経費増大は経営上通常は無理があるからである。
成果が落ち、経費が上昇するなんて企業経営ではあってはならない深刻な事態だ。
また人を増やそうにも労働人口そのものが減っているので、現実として「人が集まらない」
行政は業務改善、たとえばAIの導入やより効率を高める工夫をしろと企業に指導する。
AIはともかく一般の零細中小企業の場合、20%の業績成果補填は、それぞれの労働者の労働力自体に大きく負荷がかかってしまう。
もっと具体的には週休2日にしました。
それは良い。
しかし業務が一定とするとウィークデーの5日の負荷が増大するということが起こる。
インフラで表現すると2本の道路A・Bの合流した道路Cが2倍の道路幅なっておらずA・Bと同じ道幅である・・・といったカタチとよく似ている。結果として渋滞が起こる。
「働き方改革」を「合流」と考えたら理解しやすいかも知れない。「渋滞」が国民の迷惑。
これは全く岡目八目的に「労働」を外観した時アタマに浮かぶシンプルなイメージだと思える。

先進国中最低の労働生産性とされる我が国の選択するべき行政の指導は「働き方改革」ではなく「労働生産性を高める」ことではないだろうか。
結果的に運良く労働者個人の労働負荷を引き下げられたらラッキー、というくらいにするべきだった・・・と思える。
国民全体のスローガンとして。

労働生産性向上というのは企業側から見ても個人からみても有益な考え方である。
10の仕事の成果をこれまで10の負荷で行ってきたものを8とか6とかにする方向だからである。
つまり労働者は、より「楽」になりサービスや生産物の「質や量」を「増大」させる「有効性・効果性」が高くなるということになる。

将来的にはAiの導入により多くの「仕事」が「無くなる」という風にメディアでは盛んに述べ立てるが実際は「人余りと人手不足」が同時に進行するらしい。
「働き方」についての検討、深考、研究が「浅いから」だと言わざるを得ない。非現場的とも考えられる。
「もっと働きたい」とか、もっとお金を多く稼ぎたい若者もいるかも知れず、勿論ほどほど働いて収入もボチボチで良いという青年もいるだろう。
実際にはどちらが多いのだろう。

基本的に労働の内容・方法・量について「自由」をもっと増やすべきで、それこそが「働き方改革」になるのではないだろうか。
殆どの人が奴隷労働を強いられているワケではない現在の日本国。
そもそも「労働基準監督署」とか労働組合とかが労働者の味方でいる・・・とは言えない現状もあるのではないだろうか。
細かいハナシは割愛させていただくが常識的に世間でよく見られるそれらの組織体の実態だ。

「行政は常に現場と乖離する」

これは医療現場でも毎年生じていて制度改革でドンドン、システムが劣化している。
少なくとも診療の自由度は年々下がっていて、制限診療がますます幅を利かせて常態化している。
これは医療サービスの提供者(医療人)にとっても受療者(患者さん・病者)にとってもあまりヨロシキこととは思えない。
両者にとって不快適、不愉快、不平不満を増大させているという結果がそれを示している。
現実に「行政の通達でこれを処方できません」などの対応が増えている。

あらためて本題である。
過重労働・長時間労働に対抗する個人の防衛手段についていくつか披露してみたい。
@長時間睡眠
とにかく余計な活動を削ってこの時間を確保することである。
できれば8時間以上12時間以内程度。
A遊ぶ
生命がけで遊ぶ。
勿論楽しいことを休日の日やウィークデーでも工夫して遊ぶ。
楽しく遊ぶと元気になる。
心身がチャージされる。
もしかしてそれが楽しくなかったら睡眠不足か「うつ病」他の精神疾患の可能性がある。
B仕事を楽しくする工夫をする
これは個人差があって、仕事の内容によって多様だと思うが充分な睡眠・休養・遊ぶが前提となる。
モチベーションを高める工夫はいくらでもあるものだ。
筆者の場合、診察室(オフィス)には私物を山のように置いている。
それらをチラチラ見ることでイヤな事を忘れて「秒殺」でスーパーチャージされる。
C薬
いくつかの精神安定剤・抗うつ剤は心身をよりリラックスさせ強引にテンションを上げることができる。
ベンゾ系の薬物やドグマチール(スルピリド)、アリピプラゾールなどである。
勿論、コカイン・覚醒剤はご法度であるがコーヒーやお茶・紅茶などはテンションを上げてくれるし鎮痛剤などの使用も仕事の苦痛を場合によっては強力に軽減させてくれる。
D食事
これは薬より重要だ。
玄米菜食をして糖質・蛋白質を少量にするとスタミナが出る。
心もカラダも。
玉子、少量の肉、魚、納豆、セロリ、ゴボウ、ニンニク、ゴーヤ、キャベツ、しょうが、ブロッコリーなどの野菜が良い。
E休養
前記した項目と別に休養の仕方について独自の効率的な習慣を身につけることだ。
マインドフルネス・瞑想などは心もカラダもかなり休める。
「深呼吸」と「リラックス」と「呼吸への意識の集中」
心身が気持ち良くなるまで練習すると良い。
Fその他
時間管理を徹底して、積極的な睡眠・遊び・休養のための時間は1日のウチで意識して長目にとることである。

イギリスの名宰相、ウィンストン・チャーチルの言葉が役に立つだろう。

「座っていられるのに立っているな、横になっていられるのに座っているな」

とにかく、より「楽になる、できる」工夫をすることである。
それらの小さな工夫・組み合わせで嫌な仕事が楽しいモノになるらしい。

G最後は仕事のストレスを悪いモノと捉えない工夫。
仕事を「ワクワクする楽しいこと」と思い込めば良いらしい。
具体的にどうすれば良いか。
とりあえずそれ(仕事など)に取り組む前に「ワクワクする」と何回も口走る、言葉に出すことであるらしい。
脳の仕組みを利用して或る意味脳を騙すワケだが心身にとって「良きモノ」ならドンドン推し進めて良いと思える。
これこそが真の意味での「働き方改革」と思える。
繰り返すが各個人や各企業の「働き方」などに行政は口を出すべきではないと考えている。子供の教育にしても、そのやり方には普通口を出さないものだ。勿論訊かれたら自分のアイデアを「伝える」にとどめるべきだ。
そもそも「働き方改革」という言葉が幼稚で大人らしくなく、洗練されてもいない、ダサい。と見る。先進国、文化国家とも思えない。余計なお世話で非常に残念だ。もっと国民を信用しろ信頼しろと、為政者に強弁したい。

ありがとうございました
M田朋玖



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