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■ バイク談義 | 2019. 2.18 |
2月も半ばになると、晴天の日はあふれんばかりの光が山川や街路や家々に明々と満ちている。 流感もいったん治まり、人々はおだやかな春の日を楽しんでいるように見える。 私立の学校では試験も終え一息ついている頃であろうか。 異動の時期でもあるので少しずつ引っ越し専用のトラックをチラチラと見かけるようになった。 繁忙期の費用の高騰や「待たされる」のを避ける為のアイデアであろう。 今春はレンタルバイク(中型)の試乗を契機にバイク熱が殊更に高まり殆んど隔日に大型バイクにまたがって月光と星星のさんざめく薄闇を前照灯の明かりを頼りに山中道を走っている。 オートバイも大型と中型では格段の差異があるようだ。 眺める景色がかなり違って見える。 どちらが良いとは言えない。 どちらも良い。 楽しさにおいては中型が優り、勿論扱いやすさでも勝っているので一台は持っておきたい。 今所有している大型は「ツアラー」なので旅行、遠距離ツーリングには適しているが取り扱いや準備がメンドクサイ。 オートバイをやたらに好み、それに30年あまり熱中しつづけた友人の話ではオートバイは基本的に「感覚の遊び」なので自分の「楽しさ」を求めるべきで人がとやかく言う問題ではとの弁であった。 ナルホド。 ちなみにホンダは乗り易く自然な感覚に訴えかけるよう造られているようで、エンジンの特性として下から上までまんべんなく吹け上がり誰でも簡単に楽しめるそうだ。 一方カワサキはいくらか荒削りで素朴に造ってあって、或る程度カスタマイズして乗らないと「乗り易く」ならないとのことであった。 筆者の見解ではホンダとカワサキではまず同じ排気量でそのサイズに差があり、中型から大型までカワサキの方がデカくて重い。 その分安定しているのがカワサキの良さであるが、幾分か乗りにくい。 ヤマハはパワーがイマヒトツ。 スズキもカワサキと同じで「上」でよく走るバイク。 即ち高回転、ハイスピードで「快」を得るように造られているそうだ。 久々にホンダに乗るとまずその軽さ、乗り易さに驚く。 トルク感が下から上まで充分に味わえるので「楽しい」と感じる。 只、その為に「倦きられやすい」かも知れない。 スズキは乗ったことがないので不明。 カワサキは「疲れる」という感覚を味わう。 個人的には「疲れる」のが一番イヤなので今次注文した「H2」がいかなる「感覚」を提供してくれるかミモノだ。 「取りまわし」という言葉はオートバイだけでなくクルマなど乗り物に対して用いられる類だが、今現在所有し乗っているのが極めて「取りまわし」の悪い、重くてデカいヤマハFJR1300なのであらためて小気味に軽快なバイクに乗ると強烈な「快」を味わう。 これも感覚の問題なので、オートバイ好きは通常、自然にしていて大きいのと小さいのを一台ずつ所有することになる。 先日来のレンタルバイク体験から考慮するとタイプの異なる類と言って良い。 そのあまりの高額(レンタル料)さに怖じけて結局購入する羽目になるのだ。 その価格がクルマのようにべらぼうに高いということはないので、男の娯楽としては「お金をかけない」と決心しさえすればそれほど贅沢な道楽ではない。 ちなみに趣味で最もお金がかかるのが「釣り」だそうである。 意外だ。 ゴルフとか麻雀、競輪・競馬などギャンブル色の強い趣味、遊びの場合、金額が青天井で、中には千万とか億のお金を「スッたり」したりする人もいるらしい。 それらに比べてオートバイという趣味は比較的所得の低い人でも楽しめる趣味らしいが「家族の理解」を得られず我慢している人もいるようだ。 確かにオートバイに乗るという行為は一見危険に見える。 ところが筆者の感覚では自動車の方が危険に感じていて、軽自動車で高速を飛ばしている人を見ると余計なお世話かも知れないが少し心配する。 実際に軽自動車に乗っていて、トラックに正面衝突し亡くなった綺麗な女性を二人知っている。 センターラインを越えて向かってきたトラックから小型の自動車など逃げようがない。 その点バイクはイザとなったらよけて逃げれるかも知れない。 ・・・というのはオートバイの運転をボーっとしてすることは殆んどなく油断していないからである。 @油断+軽自動車 A用心深さ+オートバイ と考えた時にAの方が安全と考えるのが筆者の考え方である。 これはあらゆる事柄に適合される論で、特に戦争やスポーツの試合で最も戒められるべき心の状態の「油断」だそうである。 油断せずに用心深く慎重に乗るべきがオートバイで、小型・中型で事故が多いのも原因としてこの油断があるように思える。 ハーレーダビッドソンという米国の有名なオートバイメーカーの製品も乗る姿勢としては「油断」そのものだ。 見た目以上に事故が多い。 多分ゆったりし過ぎているのだ。 その上カーブを曲がれないバイク。 アメリカのように広々として真直ぐな道路を走るのには適しているけれど日本の狭くて曲がりくねった道路にマッチするとはとても思えない。 それでも「ハーレー」のファンが日本人に多いのには驚かされる。 どこがいいんだろう。 ハーレー乗りからするとダンディーだそうだ。そうかなぁ。 しかしどんな種類のオートバイにしろ、楽しみ方はそれぞれでそれこそ各人の「感覚」が喜ぶなら、何でもいいのである。大型免許と立派な大型バイクを所有しているのに、50ccホンダカブ号で全国一周の旅をしている大学生に行き合ったこともある。 あらためて小型のオートバイに乗る喜びを初心に戻って味わっている。40年前のように。 ありがとうございました M田朋玖 |