コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ ローン2019. 2.15

我が愛猫の名前はロンである。
アメリカンショートヘアの純血種で、熊本市内のペットショップで購入した時10万円であった。
血統書付きの同種の猫の値段としては破格である。
相場が17~18万円という時代であった。
そのペットショップはどうも閉店セールをしていたらしい。
つまり「叩き売り」だ。
さらに10万円を利子なしでローンにしてくれるというので月1万円を10回払ったことになる。
勿論3年前であるからとっくに払い終わって名実共に「愛猫」となった。

顔相が平べったくて不細工なメス猫であったが成長と共にどんどん美しくなり、今は「美猫」と言える。
これは多分に「親の贔屓目」であろうけれど。
手のひらに乗るほどのサイズの幼時にはふとんで一緒に寝ていた。
頭と顔の横にカラダを丸めて朝まで眠っている。
この時の猫の「癒し力」は素晴らしいもので全身の血液が「愛の喜び」でジワッと温かく湧き立つのを感じたものだ。

ペットロスで強い喪失感、抑うつ、不眠などを訴える方も来院されるが今は共感できる。
ペットの与えてくれる「愛」には一種の純粋さがあって独特であるようだ。
素晴らしく滑らかな毛並みと人心を籠絡する。
我が愛猫の仕草、ふるまいに心が完全にやられてしまう。
分かっていてもやられる。

さて愛猫の名前の由来にもなったローンである。
筆者はこれが好きである。
それに相当するお金がないのにその物品が手に入るなんて、何と良いシステムであろうかといつも考える。
たとえ利子が付いていて金融機関にキッチリ差し引かれてもそんなことはあまり気にならない。
時間を買っているのだから当然だと考えている。

たとえば今100万円を持っていて、100万円の自動車を買ったら自分の持っている100万円は計算上6年後に0円になる。
普通の自動車なら価値が上昇することはない。
一方100万円を手元に残したままローンで100万のクルマを買ったとするとそれが結果的にローン支払いの総額が120万円になったとしても損をしたとは考えない。
それよりも少なくともローンで購入した瞬間は100万円の現金と100万円の見かけの価値を有した物品とを所有していることになって200万円の価値を所有した感覚になる。
その上100万円をクルマと交換した場合とくらべて手元のお金が5年経っても減っていない。
勿論使わなければの話だが・・・。

皆さんはクルマを現金で購入とローンで購入とどちらを選択されるのであろうか。
特に耐久消費財など年月と共に価値が落ちていく物品の購入については自由に使用する権利を買うわけであるからローンが良い選択と思える。

20万円の利子を損と考えるかどうかであるが、ローン=使用料。
これはクルマの価値が100万円なのか120万円なのか、はたまた80万円なのか不確定であるし、金とかダイヤモンドとか土地とかの価値の下がらない物品を購入する(お金と交換する)のとはワケが違うので迷うことなくクルマ購入は「ローン」としている。
バイクは違うけれど。
精神的に、感情的に分かりやすい。
病院も自宅も高級車も全部ローンでそれぞれ25年、7年であったが全て綺麗に払い終わってスッキリしているし、今後は新しく建てた2軒の高齢者施設のローンが残っているが今の計画なら年数が経てばキッチリ払い終わっている筈だ。
それもいつのまに。
ありがたいことである。

ローン地獄、借金地獄を気にする人がいるが、それは毎月の支払い計画に無理があるからだ。
つつましく暮らし、出費を極力抑え、ローン支払いの為に毎月の収入をキチンと確保しておきさえすれば良い。
計算上は実にシンプルだ。

現金購入にこだわる人がいて、これは私生活でなく商売なら良いと思える。
「現金商売」という手法である。
現金なら安く買えるのでその分を売れたら「利益」を得られるからだ。

現金購入=安い
現金販売=確実

これをビジネスの基本と考えていて実行しているひとだ。
チョイ金持ち、プチ成功者に多い。
勿論チェーン展開して大成功する人もいる。

ところが物品の売り買いとその差益による利益獲得というモデルも今の低金利、デフレ時代にはどうかなと思う。

高額な利子で苦しむということは「町金」やノンバンクでの借り方は「不健全」と思えるが普通の銀行相手のビジネスならば少し金利が高かろうができるだけ長期返済の計画を立て毎日の支払いを抑え、資金繰りを良くするアイデアのほうが望ましい。
そのことを説明しても精神的に借金が嫌なので、できるだけ早く返したいと無理な返済計画で私生活がカツカツ、貧窮生活を送っている人がいて少し気の毒になる。
それらの人々のアタマの中は恐らく早く借金を返して楽になりたい、楽をしたい・・・という人々だ。
また仕事をイヤイヤしている人に多い気がする。

繰り返しになるが「人生は時間」である。
お金や借金は人生の「時間を買い」毎日を豊かに生きる、発展的に生きる手段と思える。
現物の先取り(ビジネス、会社の買収、人生を楽しくさせる物品の購入など)の為の正当な借金(ローン)なら大変結構なことではないかと考えている。

自分に置き換えてみても子供の教育費支出が無になり借金をすべて完済してしまうことの方が怖いと感じる。
「無借金経営」とか「無借金」を自慢気に語る方がおられるが、それはそれで大変素晴らしいことと思う。しかし個人的には自分の「存在価値」がなくなってしまうようで怖い。

特にその時点で資産(土地不動産)・財産持ちになって死亡保険金の受け取りが正当な法定相続人(配偶者、子供)に丸ごとわたる時点になると相続の問題と自分自身の無価値感が周囲に生じてよろしくない心を持った人々に抹殺されてしまうのではないかという恐れを感じてしまうからだ。
普通ありえないことであるけれど・・・。
現金を、それも大金を大胆に使える人は経営や金儲けの才覚がある人だ。
「ローン」が好きなんてチマチマした器の小さい人間の考えるアイデアであろうと思える。

矢沢永吉という日本のロック界の超大物の初期の奮闘・・・丁度「キャロル」というバンドから独立して「矢沢永吉」になった時・・・を自伝「成りあがり」で読んだが、それはサクセスストーリーの典型で、他のメンバーが都内のマンション住まいで遊んでいた頃、奥さんと子供で風呂なしの安アパートに住んで曲を200曲くらい作っていて、貯金したお金約2000万円をそのレコーディングに使って米国にわたりその作品を日本のレコード会社に売ってブレークし今の成功があるようだ。
その後、順風満帆ではなかったが克服して現在の大活躍がある。
「ローン」とは程遠い人物に見える。
そんな度胸や才覚は筆者にはない。
矢沢さんは大したもんである。
35億円もの大借金も完済しておられるそうだ。
またこの人物をテレビの特番で拝見したらとても70歳とは思えない壮健ぶりで、物腰や態度振る舞いが謙虚で優しく真面目で立派に見えた。同年輩の大歌手で東北大学建築科を出られて今も活躍中の小田和正氏とは少し異なる。後者はいくらか傲慢に見える。エリートと苦労人の差異であろうか。どちらもその作品は素晴らしいものであるけれど。

ありがとうございました
M田朋玖



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