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■ 2012年 | 2019. 2. 7 |
この年を冠にしたジョン・キューザックの主演映画で、同年の12月21日に地球人類が滅亡するとする古代マヤ人の未来予測に基づいて2009年に制作された作品がある。 勿論そういう出来事は起こらなかった。 それ以前には有名な「ノストラダムスの大予言」というのがあって1999年に同じく人類滅亡を予言していた。 いずれの年月日にも人類滅亡など起こらなかった。 その気配も徴候すらない。 皆さんご存知のとおりである。 30年前の小学生向けの未来予測を読むと面白い。 空飛ぶ自動車なんて言うのが出てくる。 さらに月面都市とか砂漠湖計画とか、今年2019年などとっくに発明されていて、一方で人口の減少とか経済の停滞、中国の台頭など微塵も予測として出て来ない。 常人の「未来予測」というものがいかに当たらないかが分かる。 癌の救命率もその種類によっては30年前と殆んど変わらない。 現在のところ、どんなに裕福でもそれから上手に免れているとは言い難い。 前回、愚コラムのユヴァル・ノア・ハラリ氏の予言などどれくらい当たるだろうかと考えているが先述したとおり、内容を眉に唾をつけて読んだ方が良いだろう。 病気の治療法については退化している例もあるくらいだ。 製薬会社の撤退(利益が出せなくて)で製造中止になった良いおクスリがあったりするからである。 いずれにしても昔の雑誌を読むと興味深い。 いかに予測が見当違いかをシッカリと確認できて・・・。 上記と同様に自分の歴史についても想像と違う現在があって驚いてしまう。 西暦2012年、即ち7年前。 カワサキninja14Rを新車で購入した当時のコラム(スーパーバイク)を読むと忸怩たる心境になる。 65歳でローンが完済する頃にはバイクから遠ざかっている風が読み取れるし、その時点で買ったオートバイについて殆んど完成品、パーフェクトなそれと思っていたようであるが、その7年間を振り返ると「倦きて2年前にFJR1300に買い替えているし、同じカワサキのW800を買い足したりとハッキリ言って浮気性が非道すぎる。 こと趣味遊びについては全然将来予測のできない人間である。 勿論いくら好き好みが変化しても仕事ではないので、人生生活にさしたる障りはない。 それでも7年前の初々しい感動を忘れて、またぞろオートバイの新車購入を決めてしまった。 ヤレヤレ。 何と浮ついた心であることよ。 それは同じカワサキninja H2 SX SE。 再び7年ローン。 払い終えるのは72歳だ。 7年前より待ち遠しいと感じる。 65歳にしてオートバイに殆ど毎日乗っている状態なので不思議なほど50代後半より元気になっているのであるから我ながら驚く。 原因のひとつは「節制」だろうと思える。 アルコールを止めた。 早寝。 宴会、パーティーなど余計な活動の減少や玄米菜食など。 体重も10〜15kgの減量を実現してバスケの時のサポーターもすべてハズした。 自らの肉体のようにさらにバージョンアップした新型マシンは、さらなる至福の境地に導いてくれるのであろうか。 そのスピード、パワー、加速力はカタログで見る限り素晴らしいモノで、当然二輪車としては世界最高。 数千万円以上する内外の数多の高級スポーツカーを置き去りにする圧倒的加速力を保持しているので、こと地上を走るマシンとしては「コストパフォーマンス」で現時点では揺るぎのない最高位を築いているのだ。 その上オートバイはクルマと較べて値下がりしない。 外車を含めクルマの値下がり率は特殊な類を除いてあきれるほどの振幅で、走るごとに、年ごとにお金を道路に捨てていく感覚を味あう。特に新車、外車。 その点、日本製の「良いバイク」は人気も高く「タマ」も不足していて価値が下がりにくい。 売却する段になって「良い買い物」をしたといつも思う。 7年後、即ち72歳でバイクに乗っているかどうか不明である。 けれども総体的に人間として心身共に元気ならいつものようにそれに喜々としてまたがっている筈である。 いつものように倦きてしまって乗り換えているかも知れない。 いずれにしても売れるのであるから筆者の数少ない財産のひとつであろうし、大切に乗って行きたいと思う。 こういう、いくらか危険な道楽も益々「病膏肓に入る」と言った按配で楽しくてしようがない。 実のところバイク熱に再び火が点いたのは10年前の「傷心」であった。 愛する人を亡くした心の苦しみを最もよく癒してくれたのは結局オートバイであり、オートバイの仲間であった。 数年間はそれがつづきようやく「病」も少し癒えた。 そうして再々度火を点けたのがレンタルバイクだ。 そのホンダのCBR400は小気味よく軽快で、実質的なパワー不足は否めなかったもののバイク本来の楽しみを充分に感じさせてくれるもので、リッターバイク(1000CC以上の大型)よりも取りまわしが良く楽しさが際立つ。 気軽さの割にスピードもそこそこに出る。 鹿児島市内に用事で出かけた時に気紛れに「南海部品」というレンタルも扱う業者に赴き簡単な手続きを済ませるとそこのスタッフに勧められた「指宿方面」へとバイクの鼻先を向けた。 紺碧の海を左手に眺めながら雲ひとつない青空の下、独りで自由気ままに2輪の鉄馬を操る喜びはいつものように格別であった。 途中、同世代と思しき「リターンライダー(30年のブランク)」と長い「バイク談義」に花を咲かせ、その会話の中でも周囲の人々は筆者に「カワサキH2」に乗ってもらいたいコトがあらためて第三者的に理解され、他の選択肢がないということも了解したので早速に新車の注文となった次第である。 こういう「流れ」みたいなモノに乗る・・・というのが「良果」をもたらすことを経験的に何度も味わっているので「仕方がない」という諦念の混じった心境も数分間は感じつつ4月10日の納車をしみじみと心待ちにしている始末だ。 何もしなくても過ぎて行く人生の時間。7年ローンなんて言う有難い支払プランもあることだし・・・。迷いは時に有害でさえある。 とにかくバイクはやはり楽しい。乗っていると以前にもまして愉快と感じる。 毎日の天気、週末の天候がやたらに気になって来た。 7年なんてアッという間。 何よりも人類滅亡がなかった平穏な年月が嬉しい。 悪い予言も時にはありがたい。個人の人生時間や健康のありがたさだけでなく、世界の気候や人類の平和あってこその色々な楽しみ事なのだ。そのことをさりげなく人に気づかせてくれる。 ありがとうございました M田朋玖 |