コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 睡眠時間2019. 1.20

日本人の睡眠時間の短さは先進国中でも上位だそうだ。
それは平均7時間弱で、個人的インタビュー経験では女性の場合、6時間〜4時間とより少ない印象。
睡眠時間と認知症、うつ、癌などの種々のイヤラシイ慢性疾患の相関性についてはハッキリと認識されていると思っていたが存外、無頓着な人が多いのには驚かされる。

しばらく前に「ショートスリーパー」なる短時間睡眠の人々がいて、いくらか自慢気に自称しておられたが、これらの習慣(短時間睡眠)の有害性については明確に立証されていて健康度、老化度など良いことは少しもないと最近になって明言されているようだ。

体調管理、健康管理について飲食行動と同じように良質な睡眠は極めて重要で、それは荷重労働よりはるかに有害ではないかと考えている。

荷重労働については少し前にストレス荷重を中心に「電通」で若い女性の自殺者が出て話題になったが、その因果関係については「謎」である。
そもそも荷重労働やストレス蓄積のない仕事がこの現代社会にどれだけあるのだろうか。
皆さんそれに耐えて頑張っておられるのだ。
同社(電通)の「鬼の十訓」があらためて取り沙汰されたがどうということはない。
過去の「モーレツ社員」時代、「地獄の特訓」時代の遺産で、当時のしごかれ度からすれば普通の会社だ。
現代の世情にマッチしていないとは言え、「ブラック企業」というなら余程公立学校の教師や郵便局(ゆうちょ銀行)の職員の方がハードで、この2つの業種ではうつ病発症の割合10%〜15%もあるそうである。
「職場うつ」という書物もあり、この考え方も数字的にうなずける類例にはなっている。
職場環境、家庭環境にその因(うつ病その他による自殺など)を求めることができないワケではない。
けれどもすべての原因と考えるのは短絡的で尚早だ。
物事や事件は多面的に考察検証しなければならない。

とかくマスコミはスケープゴート(生贄)を造り上げるのは大の得意だ。
「何かのせい」「誰かのせい」にしなければ気が済まないのがマスコミの本能であり、それに脅迫されるのが行政であり、それに踊らされるのが一般大衆というものだ。
電通事件の全容は全く知らないが、あまりにも短絡的というのが個人的感想である。

しかし他因的にしろ、内因的にしろ、睡眠時間の短縮が連夜のように続いたのであれば問題だ。

筆者がまだ駆け出しの頃に年中無休16時間から20時間勤務というのがあったが時々抜け出して寝場所を見つけサボってスヤスヤとよく眠ったものだ。
院内放送呼び出しドクターの常連であった。
元々睡眠不足には弱い体質らしく(AB型はそうだと書物にも書いてあった)、どんなに多忙でも睡眠には拘わったものだ。
その上親しくさせていただいていた産婦人科の教授に「医者はいつでもどこでも眠ることができなければダメだ」と言われ個人的にかなりそれを練習したものだ。

そう言えば大学病院時代も「デキル」ドクターほどカンファレンスや会議の間にウトウトと居眠りをされるのが常であった。
それでも教授に質問されるとあたかも真剣に聴き入っていたかと思われるほどスラスラといくらか冗舌に返答しておられて、アタマの切れる人は便利だなあと感嘆すると同時に明晰な頭脳の持ち主は「切り替え」が早いということをあらためて思い知ったものである。
何事につけ思い詰める人、精神を病みやすい人、ネガティブ思考の人々とはこの切り替えが上手ではなく、為に睡眠の取り方がウマくない。

睡眠の重要さについてはテレビでも「睡眠負債」という言葉が提示されていた。
スポーツ能力とか仕事の能力とかに強力に影響を与えるらしく、あきらかな睡眠不足は肉体、中でも脳の機能を著しく損ない不可逆的なダメージを与えるとのことで最近特に注目されている。
心身の最大のパフォーマンスを得るためには8時間以上の睡眠が必要で、それは断続的でない方が良く、有名スポーツ選手、たとえばNBA(アメリカプロバスケ)のスターなどは試合前には12時間くらい眠るそうである。

こういう事を本で知り、あらためて睡眠の確保を実践実行してみた。
すると早速仕事が全く「辛くない」
以前にあった居眠りもない。
倦怠感がない。
アタマも冴えている。
無駄な興奮もしない。
自らの脳が生き生きと活発に冷静に動くのを実感する。

しかし睡眠の確保には犠牲も多い。
まず「夜の付き合い」だ。
映画やバイクも。
読書も長時間は出来ない。
仕事が終わったら速攻で寝る準備に入らなければならない。
「付き合い」以外好きなことが思う存分にはできない。
ただしクルマは良い。
クルマは個人的に素晴らしい「寝場所」なので、これで夜に出かける分は何も問題がない。

いずれにしてもさまざまの犠牲を払って選択する「長時間の睡眠」というのは快適で心楽しい人生の為の大切な要素であるように思える。

乳児の研究や成人の研究でも睡眠中に脳の活動はすこしも下がらず「記憶の定着、整理」に重要な要件であるらしい。
勉強してすぐ眠るということをすると記憶がよく残るらしい。
これは大学時代の勉強の方法の研究で理解してたことで、成績が上位の頃は軽い精神安定剤を使いよく眠ったものだ。
それは8時間と言わず10時間くらいで、試験前には「一夜漬け」というのはせず「記憶曲線」という理論を参考に試験日の早朝に起きて勉強の効率上げるために、普段より早く就寝したモノである。
結果もまずまずであった。

健康法・・・というよりどんな仕事であれ、スポーツであれ、技術であれ最良最大のパフォーマンスを得る為には睡眠の重要性は最大かも知れず、正しい飲食生活と共に大事にしたい人生の時間だ。

そういう意味で睡眠薬はありがたい。
それなしで眠れる幸せな人が現代人にどれくらいいるのだろう。
先進国のビジネスマンはそれを常用していると聞く。

楽しい人生の為の3S。
@睡眠
A食事
Bストレス解消
これらを整調させることで相当に愉快な気分を得られるはずだ。
人間はその人生の1/3以上眠って過ごさなければならない。
毎日の食事や排せつと同じくメンドクサイね、生きるって。

ついでに睡眠が深い「快楽」であることも知った。それなのに睡眠障害についての社会や会社や学校の無理解が、特に日本人に多い気がする。
快楽は人生に必要欠くべからざる脳の仕組みの産物で「生きる」ヨスガになっている。また脳内の「整理整頓」にも良質で長めの睡眠が必要であるようだ。
睡眠不足の人々の印象は「思考の混乱」と「抑うつ」と「不機嫌」だ。

ありがとうございました
M田朋玖



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