コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 幻冬舎2019. 1.11

この名称の出版社があって、業界でも「元気がある」ように見える。
この会社の社長は見城徹という人物。
昭和25年生まれ。
五黄土星、寅年。
どちらかというとヤバい人物である。
そのヤバさが素敵だ。

その強面の不敵なツラガマエが表紙を飾っている新刊の本に「読書という荒野」がある。
またこの人物の配下の者で編集者という肩書の若者の、これまた過激な本「死ぬこと以外かすり傷」というタイトルの本が、本屋の店頭に仲良く平積みされている。
近々では「天才」というタイトルで、元国会議員、東京都知事で作家の石原慎太郎に書かせている。
この方もまごうことなき五黄土星。

この人物に率いられた傘下の出版社の社長で「幻冬舎ルネサンス」という会社の平成2年生まれの若者に去年鹿児島でお会いした。

「本を出しませんか」という提案で、チョイと話でも聴いてみるかと土曜日の午後にクルマでノコノコ出かけてみたのだ。

一見してアタマの切れる爽やかな男子で、重要なことは語らない。
もっと具体的な話をしてくれたら乗ったのかも知れないのにと後から思う。
残念だ。
情報を小出しにするのは自分のやり方ではない。
最終的に損をすると本で読んだ。
それでも自費出版300万円の提案で、この額は「相場」。「売れる本」を書かせると明言しておられて少しく好感を持った。

聞けば昨年結婚したばかりだそうだ。
話しは2時間弱で終了し、家に帰って来て占いをしたら2度とも「凶」と出た。

年末に当人から電話があって諾否を尋ねられたので正直に「占い」のことも伝えて、来年またあらためて検討しますということでひとまずこの話しは棚上げということとなった。
凍結したままかも知れない。

占いで「吉」と出たら本でも出してみるかと考えたものの、無駄なお金は一円だって使いたくない性分か意外に慎重である。
ヤレヤレ、どうなることやら。

それにしても出版社が元気というのは嬉しい。
若いチカラも感じる。
昭和の半ばに大ぶりの小説誌「野生時代」を刊行したり、映画と小説を一緒に行ったりしたクスリで逮捕される前の角川春樹にも似たワイルドな熱気を感じる同社の印象である。

あらためて幻冬舎を我が書棚から拾い上げてみるまでもなくかなり蔵している。新刊本や今後のトレンドを見守ってゆきたい。
出版社と言えば今春公開される「蜘蛛の巣を払う女」が楽しみだ。
前作「ドラゴンタトゥーの女」の続編である。
主人公(ダニエル・クレイグが演じるはずだった)ミカエルは雑誌「ミレニアム」の記者で気骨のあるジャーナリストという設定。
天才ハッカー我らがリスベットサランデルを中心に物語が進行するが、世界的な出版業界全体の経営上な苦境が背景にあって興味深い。

表題に掲げた幻冬舎も例外ではない。雑誌にも一時手を出したそうだが今はあまり話を聞かない。
所謂「紙」に書かれた「本離れ」「雑誌離れ」がしみじみと進んでいるようで同種の業界人を苦しめているように見える。
電車の中でも皆さんスマホに顔を向けて以前あった読書人を発見することは難しくなっている。
時々受験生らしき高校生や勉強のキツイ医学部の学生にそれを見い出すくらいである。

自分でも乗り物・・・公共交通機関に乗ると見苦しい悪癖と思いながらもついつい退屈しのぎにスマートフォンの液晶画面をのぞいてしまう。
大概、自分のコラムの校正や削除をしているのであるが時々はグーグルやメール、ラインにも目を通す。

自分の書いた文章も数年前のモノは思ったより面白いと感じるし役にも立つ。
何しろ自分のテンポの文を読み進めるのはどこか心地良い。
それに気に入らなければ自由に修正も可能だ。
こんなに面白く愉快な作業はないのではないかと時々思う。

それはともかく大手出版社であろうがそれらの業界についてチョット調べた結果は以下だ。

現社長の見城徹氏は偶然にも(角川書店との関わりに不知であったので)創業者の一人。
角川書店の社長(当時)角川春樹氏の大麻事件を機に同社を退社し創業したとのこと。
命名は作家の五木寛之だそうだ。
当時は売れっ子作家を5人もそろえて順風に見えたが現在は所謂「出版不況」。
講談社、小学館、集英社を含め皆さん仲良くしみじみと業績ダウンの流れがつづいているようである。

今後の見通しは少しも明るくない。
マイナス要因を山のように抱えて各社生き残りをかけて頑張っておられるようだ。
幻冬舎は大手ではなさそうだが少なくとも従業員の数では我が社と同規模。
数億円の横領事件もあったりして経験も似ている。
2003年にジャスダックに上場されたが2011年に廃止となっている。
ベストセラーも多く楽しく読ませていただいている。
今年益々の奮起・盛業を期待している次第だ。
何故か親しみの湧くネーミング。
「幻の冬舎」なんて・・・。
読書人にはそこはかとない憂愁と孤独と幽玄な情趣。その中に内に秘める「しぶとさ」を感じさせる社名である。

ありがとうございました
M田朋玖



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