コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 痩せる2018.11.30

2年前の年末、青年会議所のOB会で「肥満」を指摘され、実際にその時には全ての手持ちのスーツが入らずユニクロのジョガーパンツとジャケットにネクタイという情けないイデタチ。
お腹も膨満しているし体重も88kgと約90kgの大台に乗らんとしていた。
これは人生初の減量に本気で取り組まねばならじと作戦を練り実行したところ78kg、68kgと順調に成果を得られ、めでたく全てのスーツやジーンズが着れる、穿けるようになった。
これは何度も述べてきたことである。

・・・ところが土日や休日に油断して飲食をせずにゴロゴロしていると夕方には65kgまで落ちてしまう。
完全に「痩せモード」だ。
そもそも食欲というものが殆んど無い。
減食、欠食なんて実に簡単・・・と言えるほどの体重まで戻ったようだ。
それでも自らの肉体をしみじみと眺めてみると肋骨、鎖骨、腸骨などがそれこそ露骨に浮き出ていていかにも貧弱で見苦しい。

理想の肉体、たとえば米国人の若手俳優アシュトン・カッチャーのような適当に筋肉のついたマッチョでないスラっとした体形には程遠い。
多少ナルシスティックに肉体改造を試みて美しい筋肉質のカラダを手に入れたいと考えているが筋トレがメンドクサイ。
それで痩せたまんまなのであるが、試しに体重を増やしてみたら結果(体形)が「どんなだろう」と少し「食べる」ようにしてみた。

元々、目標体重は75kgだったので70kg以下になった時から「痩せ過ぎ」とは自覚していたが「痩せる」ということにも「減食」にも麻薬的な悦びがあるようで、体重計に載った時に68kg→65kgの方が68kg→70kgよりも好もしいと感じる。
これは何故なんだろうと幾分拒食症気味の女性に尋ねてみたらやっぱり「そうだ」と申される。
それも筆者の感覚よりも鋭く強いようで、たとえば47kg→50kgは絶対嫌だと明言される女性が殆んどだ。
結果的に45kg→42kg→40kgとだんだん痩せ願望が自然的に強化されて行って所謂拒食症になってしまわれることも多い。
実に痛ましい。

拒食症(神経性食思不振症)は摂食障害のひとつのパターンで、過食嘔吐、過食下剤使用と方法は色々であるが結果的に痩せてしまう女性の患者さんが多い。
勿論、過食肥満の方もおられる。
女性の精神疾患には良く合併する症状、病的外観で「痩せ」にしろ「肥満」にしろ美しいとは言えない。
多くの痩せた女性は「痩せている=美しい」という強い思い込みがあって、これは多くのファッションモデルとか世間で美しいとされているタレント、芸能人の痩せた容姿を不用心にも「美」と信じてしまう結果であると思える。

本当に美しい女性は人々が思うより「痩せてはおられない」。
女性らしい脂肪が骨細の肉体をまろやかに優しくおおっている。
体脂肪が20%以下を自慢げに語られる人がいるが女性の場合率直に言って美しくはない。

またダイエットを成功しましたという女性の写真が雑誌の広告に載っているがビフォーの方が大概美しい。
拒食症の女性、男性をネットの画像でしみじみと御覧になられたら良いがあらためて特徴的な外観を列記すると以下になる。
1)頬骨が出ている。尖っている。
2)下顎骨(エラ)がくっきり見える
3)法令線が深くなる
4)鎖骨が浮き上がっている
5)肋骨が胸部〜背部で露出されている
6)肩甲骨が浮き上がっている
7)背骨がひとつひとつ数えられる
8)腸骨が鮮明に確認できる
9)膝が大きく見える(大腿部、下腿部に比して)
10)臀部の脂肪が消失しシワが数本現出している
11)全身の肌がたるんでいる

上記の外見はハッキリ言って極端に老衰した老婆のモノで若い女性や中年女性のソレではない。
100歳以上でも艶々しく肌色の輝いた女性も栄養質でふっくらとしておられる。
決して痩せてはおられない。
そもそも「痩」という字は疒(病だれ)だ。
即ち病気である。
そのことを明瞭明確に認識できなくなった状態を「拒食症」と呼んでも良いかも知れない。
ご本人は食欲が無いとか「痩せていると愛される」と潜在意識で勘違いされているのではないかと考えてしまう。

愛される能力の減衰か「愛される」ことについて恐れか複雑な愛と欲についての心の混乱があって生じているように見えるがいったん「痩せ」の状態の摂食障害を治すのには結構骨が折れる。
常に警戒していても油断していると過食、拒食、嘔吐、下剤使用などの行動異常が生じて結構厄介である。

それでも「痩せたい」。
そのような無意識的な願望が自分の心の中にも存していることを知って驚く。

元々目標体重は75kgではなかったのか。
それが体重減少に伴ってカラダの感覚の軽快感、爽快感が生じて運動や家内の作業も楽な感じがして益々体重減少が増幅していくようだ。
末期癌なども老衰もとにかく「痩せる」。
それを美しいと思う人がいるだろうか。
男性も女性も痩せていると顔色が悪くなる。
「骨が見えてくる」
これらの徴候を見逃さず早目早目の対処が望ましい。
痩せた女性は一般にさらに男性に愛されないようになって結果は大概悲惨である。
時々痩せた女性を好む男性もいたりして事態をさらに悪化させる。

世間の風潮で痩せた女性を好むのは韓国人、日本人に多くてヨーロッパ人、アメリカ人は総じてどちらかというと肥満(?)女性を好むように見える。
実のところ肥満も痩せも「異常」で「美しくない」ということをもっとハッキリと自覚するべきと思える。
医学的には標準体重というのがあって骨格的、体型的にいくらかの差異があっても「標準」というか「普通」というか「正常」とか言うレベルをもっと愛し、推奨すべきではないだろうか。
どこかしら歪んでいる「美」への感覚のズレがあってこの問題はいつもとても悩ましい。
男性の魅力を筋肉としたら、女性のそれは脂肪ではないのか。乳房にしろ悩ましい腰つきにしろ、それは女性特有の脂肪そのものと思える。

ありがとうございました
M田朋玖



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