コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ しろ2018.11.16

母方の実家が創業100年以上の歴史を持つ老舗の造り焼酎屋で、そこで製造販売しているのが50種類くらいある地元球磨焼酎ブランドのひとつの「白岳」とその派生商品である「しろ」だ。
ちなみに亡母の旧姓は高橋で実家の営む会社は高橋酒造である。

白岳「しろ」のブランドは現社長(筆者の従弟)がそれまでの一升瓶による販売を美しくデザインされた白色のくもりガラスの化粧瓶の中に多種類のブレンドで熟成を加えた純米焼酎を入れて発売開始した。
開発段階には筆者にも直接社長より相談があって「瓶はどれが良いかな?」などと社長室で尋ねられたこともある。

幸いにも折からの「焼酎ブーム」の天風によって爆発的に売れ同社の売り上げ、利益を一気にその業界内ではあるが県内一にして押し上げた。
当時からするといくらか売り上げは落ちたものの、今でも押しも押されぬ超優良企業だ。
基本的に同族経営なので富の蓄積も庶民の感覚では半端なレベルではないようだ。
ヒット商品の陰には様々な工夫や苦労があったと思われるがバーやスナック、クラブなどで堂々と焼酎を「キープ」して置けるようになったのも「ブーム」と、この「化粧瓶」のお陰であろうと思える。
この瓶はウイスキーのボトルとほぼ同じサイズであるし、いかにも目立つことに「しろ」は殆んど純白に近い色合いで夜の店のカウンターの背のボトル棚に並ぶことになった。
以来、同業他社も一斉に「化粧瓶」の発売に踏み切り色とりどり、形状のさまざまな焼酎瓶が田舎街ではウイスキーボトルを凌駕する勢いで占拠し現在に至っている。

九州圏内では大分県の「いいちこ」(三和酒類)、宮崎県の「霧島」(霧島酒造)、鹿児島県の「伊佐錦」(大口酒造)、長らく芋焼酎の王座にあった「さつま白波」など一見群雄割拠の様相を呈しているようであるが個人的見解では「棲み分け」がハッキリしているように見える。
というのは所謂ナショナルブランド、即ち全国販売を可能とする製造力、販売力を有する焼酎会社はそれほど多くはなく、どちらかというと地元で細々と(?)「地酒」として売られている類が多く、全国レベルのブランドの類はどちらかというと会社の数では僅少である。

それらの少数派に我が親族の会社が一角を担っているのはとても誇らしい。

以前、日本経営合理化協会の主催する少人数の数ケ月間のセミナーに参加した時に・・・それは「西川りゅうじん」という人物で「自分が芋焼酎ブームを作った」と豪語されていてご存知、キムタク(元SMAPの木村拓哉)をメディアに登場させ芋焼酎は「健康に良い」というイメージ戦略を大々的に宣伝し一気に「芋焼酎ブーム」を起こしたとのことだそうだ。ただし芋にしろ米麦にしろそれが焼酎にして飲んで健康に良いということはない。

それでもそれらの宣伝のお陰もあってか「霧島酒造」の芋焼酎は2016年のデータで500億円以上の売り上げ(わが高橋酒造は絶頂期でも120億円ほど)と栄華を誇っている。
大したものである。
一方、白岳しろの絶頂期には前記した霧島酒造を含め麦、芋を併せても高橋酒造の売り上げにやっと届く程度であったのに・・・。

成功体験というのは会社を衰退に導くという経営上の定説があって、相対的に見れば凋落とも言える我が親族の焼酎会社の状態は或る意味「定石どおり」と言える。

「日の出」の勢いであった時に売り出ていた芋焼酎の会社をいくつか買収して「芋」の開発販売にかかれば良いという筆者の助言も残念ながら聴き入れてもらえなかった。
もしかしてそれらを実行していたらシェアを落とすこともなく一気に全国ブランドの雄になれたかも知れないのに。
従弟の社長からすると口惜しくて仕方ないだろう。

実際は母親の遺言で焼酎を飲まないことにしているが試しに芋、麦、米と飲み比べてみるといくらか身びいきを自覚しつつも「白岳しろ」は旨い。
香りとスッキリとした微妙な味わいが他社の製品より優れている。
全くの素人的な判断であるが・・・。
売れ筋NO.1の黒霧島は味が濃く匂いも独特で受けつけない。
ただ一時期、食事が雑で何でもかんでも外食で食べていた時には「黒霧」を旨いと感じたことがある。
とにかく「味がする」「旨味がある」
それはコンビニに売られているすべての売れ筋商品と同調した類であまり上品な味わいでなく、どちらかというと大衆的、一般的な「大味」である。

熊本市内有数の某高級クラブでは焼酎は何故か「白岳しろ」しか置いていない。
その女将さんに直接聞いたワケではないが特に白岳の会社・高橋酒造とご縁があるワケでもなさそうだ。
ただし熊本県では地元の球磨焼酎よりも鹿児島県や宮崎県の芋の方がよく飲まれているようだ。この辺りの県民性はハッキリ別れていて鹿児島では逆に地元の焼酎しか売られていないし飲まれていない。興味深い現象である。

その店は高級過ぎて筆者など滅多に出入りできないが、味と香りがそのクラブの品格にマッチするのであろうか、ありがたいことに唯一の焼酎として選定して貰っている。。

芋焼酎を飲むと息が臭くなる。
翌日には体臭も尿も臭くなる。
これらのことが分かっていたのかも知れない。
件の女将には。

他店で「芋が大好き」と言って飲んでいた女性ホステスは確かに近づくとほのかに「芋臭かった」
何のことはない、正真正銘の「芋ネエちゃん」ではないか。
最近はアルコールを飲まないのでこのあたりの香り、匂い、口当たりには敏感になった。
ジンとかウォッカとかの旨みには敵わないが健康のためと考えると我らが「米焼酎」白岳しろはいかがだろうか。
全くもって身びいきそのもの、宣伝である。
焼酎を0.1合〜0.3合くらい飲む人は飲まない人より長寿だそうである。
上限量を設定して飲む健康増進酒としてワインと共に「しろ」はお勧めだ。

「白」という字は食物を表す文字だそうである。
おしいものはみんな白い。
白米・ごはん、豆腐、砂糖、食パン、菓子パン、塩、麻薬・覚せい剤などと書いていくとカラダに悪い品が思い浮かんでくる。

その中で健康に良いといったら豆腐に少量の「しろ」ではないだろうか。

平成30年11月7日(水)は前川清のコンサートにご縁があって熊本市まで観に行った。
この歌手の歌う「白岳しろ」コマーシャルソングがまた良い。
「男のありがとう(しあわせの約束)」は歌詞がとにかく良い。長年連れ添った妻に御礼の言葉を切々と伝えるもので、歌詞だけ読むとコッパズシクなる。

ありがとうございました
M田朋玖



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