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■ 歩行反対 | 2018. 7.28 |
マスコミも世間も多くの医者もメタボ予防・健康増進の一方法として「運動」とりわけ歩行を勧めているが、その効果についてはいつも疑問に思っている。 当科では糖尿病の治療について「運動」の処方はしていない。 減量についても殆んど効果が無いので、肥満者に「運動」を勧奨することもない。肥満に痩せにも運動不足は殆ど関係ない。 理由は前者(糖尿病)については血糖値が「乱れる」と推測されるからである。 運動は空腹をきたし血糖値の降下を生じ、リバウンドしやすく、血糖値の安定を阻害すると考えている。 世の中には運動の熱心な信奉者がいて、先日のNHKの番組でも「肉食」と「運動」の組み合わせで年齢を重ねても元気を維持できる、向上させるとの内容の放送があったが経験的には大いに疑問である。 特に歩行は人類が「二足歩行」を獲得してから移動するのに手をフリーにし、脳を発達させ、性行為を豊かにしたがその反面に膝痛、腰痛の出現を生じせしめてしまった。 特に長身者、四肢の長い人についてこの問題は定型的に深刻でプロアマを問わずスポーツ選手の場合、殆ど常に故障、即ち肉体を傷めた状態で痛み止め注射や薬を使用しながら頑張っていると聞く。 そういう実話や映画が数多くある。 イチロー選手の場合、それらの肉体についての自己管理を求道者のように禁欲的に実践しているので目立った「故障」は起こっていないが流石に「老化」はきたしているようだ。 スポーツ選手をふくめあらゆる職業人の場合、最近そのパフォーマンス発揮については「睡眠」の重要性が指摘されており、イチロー選手もその為かどうか睡眠薬を使用しているそうだ。 MLB・メジャーリーグの試合数は年間162試合のとんでもない数で、移動距離も半端ではない。 飛行機の中でいかに休息するか、良質な睡眠を確保するかについては「死活問題」であるので各種の鎮痛剤を含め薬物の使用は至極当然と思える。 筆者のバスケの仲間も20代から40代まで殆んどの、特に上手なメンバーは何らかの肉体の問題を抱えており、それは主に腰痛、膝痛、指の脱臼(つき指)骨折、肉離れ、アキレス腱断裂など全身「満身創痍」とか「ボロボロですネ」なんて言っているプレイヤーが何人もいる。 スポーツが健康に良いと思っている人間は男女共殆どいない。 スポーツ選手が病気しにくいというハナシも聞かない。 それなのに世間では運動不足だ、運動だ、スポーツだと猫も杓子もバカのひとつおぼえのように囃し立て、それを推し進めようとしているがその考え方、理屈、真意が理解できない。 歴史的には「肉体労働」と「米飯大食」即ち農耕系の社会労働システムが現代において崩れてしまって絶妙なバランスしていた食事と体動、つまりエネルギー収支が破壊され、激しい肉体労働はしていないのに「米飯大食」はやめなかった為に生じた生活習慣病発症のメカニズムに対して専門家を含め多くの人が、非常に短絡的に「肉体労働」の替わりに「運動」すれば良い・・・という阿呆のアイデアを単純に「考え出した」人間に踊らされているということであろうと考えられる。 また人類が狩猟をして生活していた頃の代替行動としての運動を評価してのことなのかも知れない。 人間の活動がそのエネルギーの源として「油」から「炭水化物」へのシフトが、狩猟から農耕の獲得へと進化(?)と同期して起こった。その炭水化物エネルギーを即効的に消費する手段として「運動」の意味が存すると思える。 「脱炭素」がエネルギー革命のキーワードになっているが、人間も一緒に「脱炭水化物」してついでに大人の「運動」も止めてしまえばいいのではないかと考えている。勿論楽しみとしてそれをしている人は別である。 またこの運動不足をビジネスチャンスと捉え各種フィットネスクラブ、スポーツ施設、ヘルスセンターとやらのいかにもあやしくてまぎらわしいビジネスのカモにされているという側面もあるだろう。 本当に嘆かわしい。 短絡思考で何と愚かであることヨ・ 早足歩行が認知症予防に効果があるらしいとの御説がテレビによって流布され「歩くこと」について多くの人が健康上とても良いことと盲信しておられるフシがある。 モチロン認知症治療における「ユマニチュード」効果も高く、その治療要素のひとつに「歩行」は確かにある。 また昔流行ったジョギングなる健康法をいまだにせっせとしている人もおられてビックリしてしまう。 所謂ランナーやジョガーは大概それに親しまない人より明らかに老けておられる。 世界各地で開催される「マラソン大会」の参加者の数とそれらの盛況ぶりを眺め知るといったいどこのどいつがこれらの運動トレンドを創り出したか一度じっくり調査してみたいを思うくらいだ。 筆者の場合、バスケットボール以外にトライアスロンという「走る」ことを絶対的に必要とするスポーツに親しんでいた頃があったが、その当時に健康の状態が良かったということはなく、多量発汗によってビタミンCが失われるらしくカゼをひきやすかったり、長距離ランナーに起こる貧血(足の裏で赤血球が粉砕された結果生じる)になったり、心臓の不整脈とか紫外線を大量に浴びることにより光線老化とかとにかくロクなことは無かった。 ついでに「大会」の後はカラダのリハビリに1ケ月余りを要し、その間はカラダが衰弱しチョット動くだけで息切れしたりとか・・・この症状はバスケの仲間に多い・・・バスケの仲間などは直感的に、自覚的にスポーツが健康に良いと考えている人は少ない。 ただテレビの洗脳とかで「健康に良い」と思い込もうとしている仲間はいるにはいる。 バスケの引退者の皆さんの中には膝関節痛、慢性腰痛、痛風、糖尿病、高血圧などを持病としていたり何やら悪性の病気で早世したりした人間もいる。 ・・・という経験知もあって「運動が健康に良い」などとは絶対に思えない。 ただし水泳とか短い距離の早足歩行とか自転車漕ぎとかを少しするのはストレス解消には良いようだ。 血圧が下がったり血糖値を下げたりする効果が少しある。 それでも体重減少の為の歩行はかなり長時間で継続的でないとその効果は得られず「労多くして益少なし」の典型がこの「歩く」という「運動」である。 また「歩く」だけでは老齢による下肢筋力の衰えは抑えられず、ヒンズースクワットや山坂の登り降りや階段の昇降の方がはるかに健康維持に良いらしい。 というのは下肢の筋肉に負荷をかけて筋肉の量の増加を得ることは「若さ」にはかなり益するらしい。 上腕の筋肉と大腿部の筋肉から若さを増進させる物質が分泌される・・・とアンチエイジングの専門家の書物にあった。 それぞれネットや本で調べられたらと思う。 運動より筋トレや体操の方が健康には良い。 老化は酸化、糖化、炎症、摩耗(使い過ぎ)、廃用(使わなさ過ぎ)、遺伝子、光線によって生じると考えれば運動、それも有酸素運動が理論的に老化予防やカラダに良いとはどうしても思えないと、至極単純に考えている。 常に物事は複雑な理屈よりもシンプル、単純な理屈の方が筋が通っていると思える。 複雑化してビジネスにする、或いは「複雑さ」をビジネスの種にする輩が世の中にはゴマンといるので用心したい。 交通事故被害者も「歩行者」が「運転者」の100倍くらいだそうである。 考えるまでもない。 歩行はんた〜い。少なくとも一般道アスファルト、コンクリート道では。特に。 ありがとうございまし M田朋玖 |