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■ 勝利の美酒 | 2018. 7.25 |
バイクとバスケとブック。 イニシャルを取って3B。 この三種の三大筆者の趣味と言える楽しみで、それができる体力と気力をまだ持っていることがつくづく有難いと思える。 平成30年7月22日の日曜日の朝は早朝の午前5時に目覚めた。 前日の夜に降っていた激しい雨も止み、多少暑くはあってもそれなりに爽やかな朝であった。 いつものように神棚に祝詞を上げ、墓参りをしてその朝に計画されていた集団バイクツーリングとバスケの試合の両方を楽しむという「欲張り」なプランを立て、クルマでバスケの仲間の集合場所を経てツーリングの出発場所にヤマハFJR1300で向かった。 それぞれ午前7時30分、8時30分。 バスケの試合は県央の不知火体育館、午前10時30分開始。 元々宮崎方面へ走ると予定されていたバイクツーリングも降雨を避ける為に阿蘇方面、即ち北に向かって出発することになった。 これは個人的に極めて好都合な方向転換で、バスケの試合場所と同方角へ全員で走ることになった。 球磨川の沿岸を北へ上る国道219号線は休日であってもクルマが少なく涼しい川風が道を通り抜け少しも暑くない。 ところどころ前日の雨で濡れている筈の道路に用心しながら快調に飛ばして休憩地点の坂本村(今は八代市)「道の駅」に到着した。 9時30分。 少しく仲間と談笑し、自分だけ早目にそのまま219号線を北上し八代市で九州自動車道に乗り宇城市松橋インターで降り目的地の不知火体育館に向かった。 午前10時25分。 試合開始のブザー5分前に会場に到着し、ユニフォーム姿の人吉クラブ(バスケのチーム)の仲間達に合流した。 円陣を組みカケ声をかけて時間どおりに試合開始となった。 相手は昨年の県1部リーグの優勝チーム、玉名クラブ。 体格の良い長身のセンターといずれも横幅のあるいかにもバスケの上手そうな相手。 味方チームは少なくともスタメンは痩せていて見栄えだけは劣って見える。 その上40歳代が3人も入っている。 県のリーグの決まりで40歳以上は1ゴール3点(通常は2点)となっているのが救いだ。 前述したイケメンキャプテンが出鼻からスリーポイントシュートを続け様に3本決めて快調な滑り出しだ。 練習の時からの手筈どおり早いタイミングでシュートを打ってくれている。 基本的に「ハズしても良いから早く打て」の戦略戦術のとおりにシュートをバンバンと打っている。 勿論、相手チームも強豪だ。 速いテンポでシュートを打ってくるし、スリーポイントシュートも決めてくる。 当然決める確率も高い。 敵方は想像どおりドリブルのドライブイン、「ワン・オン・ワン」1対1の技術は極めて高いレベル。 殆んどハズさない。 いくらディフェンスを頑張っても巧みなシュートを決めてくるので、こちらもどんどんシュートを打つよう大声で伝えつづけた。 それを素直に実践実行してくれたお陰もあってか元々シュートの上手な我がチーム、人吉クラブのメンバー。 ハーフタイムで51対46で勝っている。 これは誰もが予想外の展開だ。 1部の優勝チーム玉名クラブと3部の弱小チーム人吉クラブの戦いは周囲の観客を含め自チームの仲間も相手方も皆、不思議で怪訝な面持ちで「オカシイ」という表情をしている。 「何でだろう?!」 結果は第4クオーターに3本3点シュートをつづけざまに決めて殆んど10点差ほどで「勝っている状態」、後は時間との戦い。 決して「守り」に入らず攻めつづけるよう、ベンチに座らず立ったまま声をかけ続けた。 試合前の全員のとりあえずの「腹案」どおりの試合展開で「111対98」。 結果から振り返ると楽勝の流れであり点差になった。 勝因は3つだ。 @ディフェンスを頑張りつづけた A早いシュートと確率 B3点選手(40歳以上)の活躍 サッカーにしろ、野球にしろ、殆んどのボールゲームはゴルフ以外に相手より1点でも多く得点すれば「勝ち」だ。 野球は別として決められた時間内に相手より1点でも多く点数を取れていれば勝ち。 考えてみれば極めて単純な仕組みだ。 テレビでBリーグなどを観ていると解説者や監督を含め全員が細かいことを考え過ぎているように見える。 トリッキーで美しいプレイ、華やかなプレイを観客も選手本人も喜ぶが基本は上記したとおり。 基本的にどんな酷いプレイであれ、綺麗なプレイであれ得点の数は一緒だ。 また予想どおり相手方のチームの試合の進め方も強豪チームらしく無駄のない余裕のあるモノで、極めてシンプルでゆったりとしたプレイぶりである。 とにかくシュートを軽く打ってくる。 そして決める。 それに厳しいディフェンス。 これらの理論どおりに皆が頑張ってくれて「歴史的」勝利を得ることができた。 自分達の得点力がこれまで60点か70点そこそこだったのを強豪チーム相手に100点以上入れたのであるから見事な勝利と言える。 その上相手チームは押しも押されぬ強豪。 必ず90点以上得点してくる。 ディフェンスは勿論頑張るがその得点力を抑え込むことは難しいという予測に基づいてとにかくアテンプト(試投数)を増やして「得点をいっぱいとろうや」みたいな作戦が的中して見事な勝利を収めたワケであるからチーム全員の喜びもひとしおであったろうと思える。 何しろボールゲームのすべてに言えることであるが、シュートを入れてポイントを取るのが文句なしに楽しいのだ。 これでメンバー全員が自信も得たであろうし、まずはメデタシメデタシ。 かねてよりの課題であった自チームの「得点力」が思いの外、高いことも確認出来たのは大きな収穫であった。 元々ポテンシャルの高いテクニカルで器用な選手が多いのだ。その上人柄性格も良く素直なメンバーばかり。 この勝利で応分のプライドも得られた筈だ。 あらゆるスポーツはこのプライドを賭けて勝利を勝ち取るというのが後々までの深い喜びの記憶になるのである。 帰着した後に全員で「勝利の美酒」を味わったのは言うまでもない。 団体スポーツの醍醐味の一番はこうして深い喜びを「分かち合える」ということにつきる。文句なしにうれしい。みんなありがとう。 ありがとうございました M田朋玖 |