コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 雪辱2018. 6.26

平成30年の6月も下旬となり、早くも終わろうとしている。
今年も既に折り返しだ。
今年の6月は梅雨の降雨もアッサリとして週末には晴天の日が多く、絶好のバイクツーリング日和がつづいたが、どういうワケかあまりオートバイには乗らず、半ズボンと素肌にパーカーをはおり、素足に白いスニーカーで新しい愛車のプジョー208のハンドルを握った。

6月の夕暮れは長く、遅く、午後8時頃までそれを楽しむことが出来る。
ビールと音楽とでたそがれゆく空と雲と光のアンサンブルに酔い痴れる、ベランダのひと時は或る意味、一日の終わりの至福の時間だ。
わざわざオートバイに乗ることもあるまい・・・ということである。
本屋に行きレンタル映画を借り、本を買い、雑誌を眺め、ガソリンスタンドで知り合いのサービスマンと少しの言葉を交わし、馴染みのコンビニでこれまた軽い挨拶と少しの会話とビールの買い溜めと、これらのやりとりのひとつひとつが何かしら人生の輝かしい出来事のような気がするのも年齢のせいかも知れない。

6月24日、日曜日の朝、たまたま午前9時に目が覚め、思いついてバスケの試合の応援に出かけることにした。
それは阿蘇郡小国町という県北の山合の町の体育館、「小国ドーム」で午後1時から始まると予定されていた。
殆んど大分県と呼べるほどの遠さであるのでレクサス600hで出発した。
「小国ドーム」は緑山の中に建てられた極めてモダンでスタイリッシュな建築物で、総ガラス張りの壁面と木造とコンクリート造(RC)を見事に調和させた素晴らしい作品であった。

吹き抜けるように高い天井と灰色に塗られたコート床と透明な総ガラスの壁を通して美しい緑がありありと透見できて瞬間的に「野外」を思わせる。
ついでに2階の観客席の「手摺」や「柵」まで全き透明なので女性の観客の座り姿を下からまざまざと眺めることが出来、夏場のヒラヒラの薄着、短いパンツから露出された足や太股がひどくなまめかしく目のやり場に困る。
即ちそれらをあからさまにしみじみと見上げて楽しむこともできず、紳士面をした中老の我が身としては大人しくコート上のバスケットボールの試合を見つめているしかないのである。
そのような有難い光景というものもあまりに露骨に見せられると逆に「見る」ことができなくなるというものであるらしい。
人によるとは思うけれど・・・。

さてバスケの試合であるが、元国体選手の31歳のイケメンキャプテンに率いられた総勢7人のチームメンバーも最高身長が180cm一人と低い方は2人の160cm台と非常に小粒で技術的にも優れた選手は3人か4人というレベル。
これまでの経験で言うと「負け」なのであるけれど、今年のリーグ戦は新しく組みなおされたモノで、どんなレベルのチームに当たるか分からない。
対戦相手も殆んど無名のチームで見たこともない若者ばかりだ。
ただ180cm以上の選手が3人ほどいて我がチームより少なくとも見栄えは良い。

ゲームが始まると予想に反して善戦している。
シュートの巧い選手のスリーポイントが決まり、前半の2クォーターで5点差をつけて第3クォーターに入った。

熱を入れてそれまで立って応援し、指示を出していたのをやめて椅子に座ってしまうとあれよあれよと逆転され、第3クォーターの終わりには10点差をつけられて「負け」ていた。
45対55。

これはおかしい。
再び立ち上がって声を出していたところ見事に同点まで漕ぎつけ、5分間の延長戦にもつれ込むことができた。
残り20秒あまり。
74対75の1点差。
負けの状態で味方ボール。
残り7秒で件のイケメンキャプテンの放ったスリーポイントシュートが相手方のリングネットを鮮やかに刺し貫いた。
見事な逆転勝ちだ。
それは劇的で何ともドラマチックな幕切れであった。

愚コラム「口惜しい」を参照されると興味深いが、見事に雪辱を晴らしたと言って良い。
何しろその選手は去年暮れ最終戦、自らのドライブインシュートをハズし、僅か2点差で負けたのであるから・・・。
半年後にリベンジを果たしたことになる。
ヒーローというものは常に「美しい者」に限られるのであろうかと思える。
件のキャプテンも「持っている」男には違いない。
常ににこやかな笑顔を絶やさない、素敵な挨拶をする礼儀正しい男。

それにしても皆よく頑張った。
殆んど素人に近いメンバーもいる中、ディフェンスだけは指示どおりしっかりとしてくれた。
バスケットボールの試合はやはりディフェンスの頑張りが勝敗を分ける。
チョットやそっとのテクニックより真面目なディフェンスの方が「勝ち」には絶対的に重要だ。
それらの上に逆転のシュートが乗っている。

そのことをチームメイト全員が自覚し、諒解しまとまっていると今回のレベルくらいのチーム相手だと勝つこともそれほど難しくはない。

それでも苦言はある。
得点力の低さだ。
延長戦まで77点というのは情けない。
それもスリーポイントシュートを数本決めているのにである。
アテンプト(試投数)が少な過ぎるのだ。
ゴールを決める確率が40%〜50%で良しとするバスケの試合であるので、計算上は40分間で90点以上の得点を取る為にはザッと見積もっても100本以上シュートを打たなければならない。
自チームの攻撃時間、即ちシュートまでの時間が長すぎるのだ。

バスケットボールのシュート効率が最も良いのは「速攻」だ。
ワンパス、ワンシュート。
5対5のセットオフェンスだとプレイが冗長になり面倒臭い手続きを経てやっとシュートということになる。
その上、それらのプレイで疲れたカラダでディフェンスをしなければならない。
夏場の暑さで、いくら若い肉体でもバテる。
それを避ける為にも出来るだけディフェンスにチカラを注力し、軽くスピーディーに攻める。
即ちシュートまでの手続きを簡略化し、時間を短くする必要がある。

相手(敵)方の攻撃時間を長くさせた・・・即ちオーバータイムを3回勝ち取ったほどのディフェンスが我がチームの大きな勝因だ。
またそれらのカラクリを知らない若い相手だったとことは幸いであった。
ヤレヤレ。
疲れる試合ではあったがまずはメデタシ、メデタシ。勝利の喜びと逆転勝ちの感動をくれたチームメンバーに大感謝だ。

ありがとうございました
M田朋玖



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