コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 医療情報2018. 5.23

五木寛之の最新刊の本で「健康という病」というのが書店の平棚にならべられている。
中身は読まなくてもだいたい内容が分かる。
同氏の説いている論、独特の健康法については同氏の他書によって多少知っている。
それは概ね大きく間違っている類が少ない。
よく何でもご存知だ。
意識的か無意識的か不明であるが、客観的には御自身の自覚よりも健康に気を使っておられるように思える。

筆者の観察では健康的に生きようとするのは人間の本能なのではないかと考えている。

勿論、自己破壊的欲求や自死願望もどんな人もその多少はあるものの、厳然とその内に秘めているのでこれまた明確に自覚しておいたほうが良いだろう。
それこそ健康に生きていくために・・・。
多くの人は普段あまり意識しないが健康というのはそれだけでとても快適である。
たとえばクルマに例えるなら故障して動かないとかは勿論のこと、乗り心地が悪い、パンクした、エンジンが不調、ドアが開かない、窓が閉まらないなど数限りなくある不具合を我慢してそれに乗ることは不快である。
ましてや人間の肉体だ。
故障せずにキチンと働いてくれるだけでこんな有難いことはない。
幸せとも言える。
それをとても有難いことであると深く感じさえすれば・・・。
重い病気をせず、ただ長寿を全うするだけでもそれはそれで素晴らしい人生なのではないかと考えているが、そうは思わない人もおられるかも知れない。
あまりに健康すぎで・・・。

いずれにしても人生は有限であり本質的にそれは時間であり、それを快適に過ごすのに「心身の健康」というのはその基礎的条件としての重要度はかなり高いものであると考えられる。

健康を優先順位のトップにしている人々ほど「健康な人」と言えるかのかも知れない。
人間の各臓器もそれを「意識」される時に初めてその好不調が感覚できるし、何も異常がないのに意識され過ぎて過剰になり痛みや苦しみ、痒み、違和感などとても強く認識される時、所謂ノイローゼや神経症という心の病気という診断になる。

筆者の場合、年がら年中これに悩まされている状態で、カラダのどこかが強く意識された途端に軽い違和感からアッという間に純然たる「痛み」まで症状が登り詰めることもままある。
本当に厄介な気質・体質だ。
これは小学校時代からの癖で親をずい分と悩ませた。
それでも益はあった。
病者の精神的苦しみを「疑似体験」できたからである。
「死ぬかも知れない」とか「病気になったらどうしよう」とかの不安・心配などの患者さんの苦痛に寄り添うことが感覚だけでもいくらかできるからである。
共感できると言っても良い。

冒頭に登場していただいた五木寛之氏も嘆いておられたが、最近の健康情報が諸説紛々として定まらず、何を信じて良いか分からん・・・と。
しかし最近になりそれらも幾分収束して来て一定の正しい医学研究の成果がマスコミでも提示、報じられるようになって大変慶ばしいことである。

昨日も「医者が教える食事術」という牧田善二というお医者様の書いた本の内容が紹介してあって、これは自説というか個人的に色々な集めた知識、考えて来た事柄、経験して来た理論・理屈と良く合致するのでとりあえず推奨しておきたい書物である。
48万部も売れたそうである。
とにかく健康情報は本屋に行ってかたっぱしかた読んで行くとだんだんマトモな類とそうでないモノの
区別がついてくるものだ。
極端で一辺倒な説は大概アウトである。
また一昔前の健康情報はもう古くて間違っているものも多い。
勿論大昔からあって正しい医療情報を披露してある書物もある。
できるだけ「最新」で「極端でない」類を選択し、また「売れている」の方が安全であるようだ。

先日は数年前の週刊誌のコピーを患者さんから頂戴し読ませてもらったが、あまりのデタラメさに驚愕してしまった。
それは某雑誌の「飲み続けてはいけない薬リスト」というモノで、その表現たるや嘘デタラメに近い文言を殆ど何の根拠も脈絡も無く好き勝手に書きまくってあった。

昔の週刊誌、それは20年〜30年前のソレは真面目な内容が多く文章・文体も美しく有益なモノが多かったが、どういうワケか最近はとにかく乱暴であまり慎重でない類が多くなった。
ハッキリ言って「下品」である。

その内容を詳述できる紙面はないが「医者の出すクスリは総じて危ない」というもので、これらをマトメテ本にした類もあるくらいだ。
だいたい勉強不足の人の書いた内容で先述した特徴は「乱暴」「極端」「一辺倒」というもので一般大衆はそういう傾向の者を好む傾向がある。
或る意味、好奇心や野次馬心があるからである。
それらの大衆心理で成り立っているモノが週刊誌というものである。

しかしこれらの記事は悪影響も大きくクスリを勝手に止めてしまって自殺しましたとか、精神科に入院になりましたとか、
『服用する害より止める害の方をはるかに多く経験する。』
高齢者は少し異なるがそれでも正しい投薬で元気になった幸せになったという例が圧倒的に多い。
精神科的にはクスリを「やめる」と「病める」というのが笑えない常識なのである。

先述した雑誌の登場者の東京のしんクリニック院長「辛浩基」先生(医師)、医薬ビジランスセンター理事長「浜六郎」先生(医師)、医療ガバナンス研究所理事長「上昌広」先生(医師)などの稀言は個人的に唖然とするくらい暴言で有害であった。
筆者も暴言を吐く。
特に愚コラムで・・・。
ただ社会や国家、世界にとって有益な内容を・・・と心がけている。
それで自然的に筆者の「暴言」の内容は自らの専門を離れ政治や社会現象についての論評が主となっている。
つまり自らの身分からすると少しも重みがないからである。

そういう訳で前述した3人の先生方の文言は何よりもその道の専門かであられるのであるから影響力も大きいであろうし聞き捨てならないのでこうして筆を執っている。
特に糖尿病専門医の資格をお持ちのドクター辛浩基のホームページを拝見したら「糖尿病にはできるだけ早くインスリン治療を開始する」という方針であられるようで、これはその資格、ご身分からすると「学会」の治療方針を代弁していると考えられるが内容的には筆者の治療方針と真逆であった。
多くの人はブランドとかメジャーを信じやすいので、筆者の方がはるかにマイナーだ。
これまた厄介である。
当科としてはインスリンを専門医から勧められた方々を食事療法指導だけで治し、正しく実行されておられる人については現在服薬もなさっておらず肥満も解消し、ついでに睡眠時無呼吸症候群も完治しておられる。
いずれの治療方針がより最善であるかは一目瞭然であろう。

ありがとうございました
M田朋玖



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