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■ 社員研修 | 2017.12. 2 |
時々ダイレクトメールで社員研修の案内が来る。 それは大手の経営コンサルタント会社や経営者セミナー会社の主催するもので、内容的には幹部社員研修とか新入社員研修とか、中にはモチロン社員ではなく社長(経営者)本人とかその後継者に対して行われる研修もある。 1980年代後半に初めて受講したそうした類の研修(セミナー)は少しく自己啓発セミナーの性質を帯びておりとても面白かった。 楽しかったと言っても良い。 筆者が30代ということもあって感性もみずみずしかったからかも知れないが、世の中にこんな楽しい活動があるのかと40才丁度頃まで夢中でさまざまなセミナーを受講した。 それらを受講しつづけて持った感想というのが“楽しさ”というものである。 ・・・そういう経験を踏まえて最近感じるそれらの研修やセミナーについての印象というのがあまり楽しくない・・・というものでいかにも残念である。 大切な時間とお金を費やして楽しくなかったとうのは、それが結果(売り上げや業績の増加、仕事の能力の獲得)を出したとしても楽しくなかった為にそれらの印象が悪かったり、記憶に残らなかったりしたらその研修の価値が相当に貶められてしまうような気がする。 ごく個人的に見てもこの年で楽しくないそれらの研修に進んで参加することはしないであろうし、ましてやそれを愛する社員の人達に参加させるワケにはいかない。 社員の人々に負荷・負担をかけるのは凄く嫌なのである。 それで余程自分で楽しかった、良かったと思わない研修は相当に実利的でも参加を要請することはない。 そういう理由で近頃の社員研修の案内に“楽しさ”を強調するとか、入れ込んだ内容の類が殆んど無いのでそれらのリーフレットは即ゴミ箱行きになる。 「論語」に「それを知る者はそれを好む者に如かず、それを好む者はそれを楽しむ者に如かず」とある。 有名な一節である。 「楽しい」ということの大切さを学問について述べた文であるが、仕事や研修に置き換えても良い。 楽しむということは個人が主体的に感ずる感覚、感情、気分であるが、研修の主催者がそれを案内(ガイド)しても良いのではないかと思える。 さて集団での仕事、チームによる仕事において楽しむためのコツというものがあるようなのでいくらか披露してみたい。 @コミュニケーション 人とのつながり、絆、仲間意識を高めることでその取り組んでいる作業、行為、仕事は楽しくなる。1つ或いはいくつかの目標に向かってみんなで力を合わせて成し遂げるという作業にはには深い悦びがあるらしい。チームスポーツにおける「優勝」のときのメンバーの歓喜の光景はそのことを物語っている。 A自由 人間は指図や命令で動くことを「快」としない傾きがある。 できるだけその個人の自由度を出広げて権限を委譲していること。 Bインセンティブ その仕事に対しての何らかの見返り、報酬・報償というものである。 Cユーモア これは少しく日本人に欠けている。 塩野七生という女流作家によると日本の農業労働者にはこれが豊かであるそうだ。 確かに農家の出の人に男女共これに長けている人が多いように見受ける。 D成長 人間は自分に何らかの成長を感じないと潜在意識が快を得ないそうである。 確かに筆者がバスケに興味を失ったのは「上手になろう」という意志をなくした時からであった。 「いくつになっても成長したい」というのが人間の生来的に備わっている性質のようである。 上記の楽しむための工夫は筆者の色々な経験・知識を元にしているが、或る意味オリジナルである。 個人的には、 Eファッション というものがある。 それをしている(仕事や勉強)時の服装、道具にはカッコヨサを求めている。 それはたとえば制服にしろ、私服にしろ、独居して勉強するにしろそれなりのカッコ良さが大事で、たとえば独勉とかの時には、コタツを前にして丹前姿(冬)というものもナカナカイケてるが、大きなワーキングテーブルに大量の文献や本を積み上げて、コーヒーやミネラルウォーターを片手に足を組んでリクライニング機能のついたワーキングチェア・・・というのが理想であるが実際はコタツに丹前の方が多いし、集中力は増す。 これは不思議であるけれど筆者がまぎれもなく純粋日本人である証でもあるのでそれ程イヤな感覚ではない。 いずれにしても何事に取り組むにしろそれを長く続ける為には何らかの工夫が要るものであり、それは楽しさの創出にちがいない。 それにしても最近の研修やセミナーに「楽しさ」が消えてしまったのは何故なんだろう。 それは「敢えて口に出すべきことではない」ことになったのであろうか。 筆者の場合、それらの研修参加の動機については何らかの「自己成長」というのが潜在意識にあったとしても「楽しさ」の訴求というそれを越えるものではない。 そういうわけで「社員研修」というと、以前は外部講師の人に来てもらったり研修会社にお世話になったりしていたが、月に1回の講話20分だけにしている。それでも社員の皆さんは殆ど内容を良く聴いていただいているようで、細かいことを色々言わなくても概ね、というかかなり期待以上にしっかり仕事をしていただいているのでとても有り難く思っている。 ありがとうございました M田朋玖 |