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■ 悲報 | 2017.10.21 |
「トヨタのデザイン」とグーグルしたら表題の文字が目に入った。 想像どおりトヨタ車のデザインの評価が国内外でとても悪いらしい。 一方「マツダデザイン」は前記したコラムのとおり多くの人に好感を持って迎えられているようだ。 人間の美的感性にはそれ程大差がないと確認されると何だか少しホッとする。 一方で世界の大会社トヨタがそのデザインによって評価を落としているというのは結構残念である。 何でこういうことが起こるのであろうかと考えてみた。 それは「裸の王様」効果ではないだろうか・・・というものである。 ご存知のようにトヨタ自動車は同族経営だ。 その何代目かの社長が現在の豊田章男氏である。 意外にワンマンで人の話を聞かないタイプであることが推測される。 アタマは多分良い。 良過ぎるかも知れないくらいだ。 それが仇になっている可能性がある。 その表情は年齢の割に幼い。 所謂「ヤンチャ」そうだ。 酸いも苦いも味わった苦労人にも見えない。 とにかく「お坊ちゃま」然とした相貌の持ち主である。 パフォーマーでもある。 目立つのが好きなのである。 何かやらかしそうだなあ・・・と思ったら大上段からやって来ましたネ。 自社の製品(自動車)のデザインとは・・・。 「目立つ」ことについてはこれ以上の材料はない。 伝聞であるがこの社長様はデザインにも口出しをするそうである。 それで発売が遅れたという説もある。 それは別に社長なんだから全く構わない。 けれども人の意見、部下の意見を良く取り入れたという形跡が少なくともデザインには見られない。 多くのマトモな幹部や社員ならば「社長、それおかしいですヨ」くらいの発言はあった筈である。 というか少なくとも思った筈である。 こんなオカシイデザインなんだから・・・。 そういう意見を言えない社風が出来上がって豊田章男社長もついに「裸の王様」になり下がったのではないかと余計な心配をしている次第である。 トヨタ自動車は日本の製造業、イヤ産業界のフラッグシップだ。 これがこの社長の為に、もしくは腰巾着のゴマスリばかり周囲に集めた集団が出した答えとしての「デザイン」なら一大事である。 国家的な由々しき問題である。 たかがクルマのデザインではないのである。 アメリカの自動車会社の凋落ぶりを見れば分かる。 その性能も問題ではあるがそのデザインの醜さはここ数十年見るも無残だ。 トヨタについてはその性能について殆んど完璧というレベル(楽しさについては問題を残すものの)であるので、かえすがえすも残念な現象である。 ところで「シエンタ」という同社の車種は売れているそうである。 このモデルは確かにこの系統のジャンルにしてはよく洗練されていてインパクトがある。 見たところ楽しそうなファミリーカー(SUV)である。 そういうフロックはあってもクルマのデザインに「目立つ」とか「奇をてらう」とかを目ざすのはどうかと思う。 だいたい6年から8年、長い時は10年以上付き合っていくワケであるから倦きの来ないデザイン、即ち美しく無難なデザインを目ざすべきではないだろうか。 これは衣類や家なども一緒だ。 この嘆かわしい事態が今後何年つづくか分からないけれど、筆者のクルマ購入は基本的にトヨタのファンなので当分の間おこなわれないと予想される。 あるとすればレクサスの中古車の乗り継ぎになるだろう。 最近は特に自分のクルマ(レクサス600h)のデザインを誉められることが多くなった。 これは元々地味に見えた(発売当時)デザインが今になって変てこりんなクルマが増えた結果、割とオーソドックスで控え目なデザインと見栄えが相対的に良くなった・・・と筆者は考えている。 イギリス紳士のスーツ着こなしの基本は「目立たない」ことであった。 クルマもそうであって欲しいと考えている。 今日(29.10.20)、ワールドニュースを観ていたらイギリスのメイ首相が鮮やかなブルーの素敵なクルマから降り立った。 それは初期型のレクサスLSであった。 北野武の映画、アウトレイジ3作目にも初期型のレクサスが次から次へと登場してくる。 世界の北野先生からも美しいクルマと認定されているのだ。 発表されたばかりである新型レクサスのデザイン・・・それはスピンドルマスクというらしいが、バカでかいラジエーターグリル(フロントマスク)の醜さはやはり多くの人にとって「悲報」であるのだ。 モチロン筆者にとってもまぎれもなく悲報であった。 まぁ大トヨタ、レクサスブランドなのであるから結構売れるんであろうけれども、少なくとも気品とか上品とかのイメージ言葉はそのデザインに入れ込んで欲しかった。都会ならいざ知らず、田舎道だと所謂スーパーカー並みに見苦しいと感じられるデザインだ。全てにわたって違和感が凄い。美的感性をギザギザにされる。 やっぱりどうせ乗るなら多少古くてもデザインが陳腐でも美しいクルマに乗りたい。 ありがとうございました M田朋玖 |